ボルテージ<3639>は、5月11日、第3四半期の決算発表とともに、決算説明資料を公開した。売上を伸ばして赤字幅を減らしていくことが求められるのだろうが、全体としては、売上は前四半期比で横ばいとなり、赤字幅の縮小は足踏みする状況だった。ただ、電子コミック市場への参入など注目すべき取り組みも発表されている。
発表した決算を見ると、売上高は前四半期比で4%減の15億2600万円だった。主力の日本語の女性向けタイトルが9億0700万円と6%の減少となったほか、新型コロナウイルスの影響でリアルイベントの売上が64%減の1000万円と低下したことが主な要因だ。その一方で、英語女性向けと男性向けのタイトルの売上は微増となった。
営業損益は8400万円の赤字となり、前四半期の5000万円の赤字から赤字幅が拡大した。外注費を中心に原価を5%減らしたものの、広告宣伝費を増やしたことで販売管理費は横ばいとなったことが響いたようだ。広告出稿に関しては積極的に行っているそうだ。
なお、新型コロナウイルスの影響については、舞台やフェスなどのリアルイベントが中止・縮小となる一方で、巣ごもり需要からアプリへのアクセスは増えているとした。またオフィス内での感染防止などの観点から、3月下旬より全社的なテレワークも実施しているという。
注目の新作タイトルについては、今期リリース予定はなく、来期(2021年6月期)に向けて新作の開発に入っているそうだ。日本語女性向けが1本、英語女性向けが2本になるという。このほか、アプリ内の新作として合計9本を予定している。
さらに電子コミックストア「ぼるコミ」&レーベル「otona シンデレラ」も発表した。恋愛アプリ100タイトルで培ったノウハウを活用し、投稿型チャットノベルに続き、今夏にも参入する。ゲーム会社の中でも電子書籍に参入し、一定の成果を上げているところが出ており、今回の取り組みも注目される。
(編集部 木村英彦)
会社情報
- 会社名
- 株式会社ボルテージ
- 設立
- 1999年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 津谷 祐司
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高34億5600万円、営業損益9400万円の赤字、経常利益1500万円、最終利益500万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3639