【コロプラ決算レポート】『白猫』周年イベントとグループ会社の受託案件の寄与で4QはQonQで増収増益に 『DQウォーク』は周年前の7、8月に買い控えも
コロプラ<3668>は、5月14日、2020年9月期の連結決算を発表、売上高451億2800万円(前々期比16.0%増)、営業利益122億5500万円(同314.9%増)、経常利益79億7700万円(同612.3%増)、最終利益79億7700万円(同645.5%増)となった。通期売上高は4期ぶり、営業利益は5期ぶりに増加となっている。
今回は同日実施されたオンライン決算説明会の内容も踏まえて、その内容をまとめてみた。
■4QはQonQで売上高10%増、営業益20%増に 周年イベントとグループ会社の受託案件が寄与
まずは、第4四半期期間(7~9月)の業績を四半期推移(QonQ)で見ると、売上高は前四半期比10.0%増の124億7400万円、営業利益は同20.2%増の29億5600万円、経常利益は同54.6%増の25億8400万円、最終利益は同12.3%増の13億6900万円となった。
第4四半期期間は、『ドラゴンクエストウォーク』(以下『DQウォーク』)と『白猫プロジェクト』(以下『白猫PJ』)が周年イベントを開催したことに加え、グループ会社の受託案件が計上となったことが収益を押し上げた。
費用については、周年イベントや新作開発、受託案件により、外注費とその他費用が増加しており、前四半期比10億8000万円の増加となっている。また、コスト構造の変化で通期営業利益率は27.1%と大きく改善する結果となった。
第4四半期期末のグループ全体の従業員数は、前四半期比で53名減の1544名となった。次の四半期についてもほぼ横ばいの推移を見込んでいるようだ。
■『白猫PJ』を含むFY14ものが増加 『DQウォーク』は「7、8月に買い控え」も(原井氏)
リリース時期別売上推移を見ると、この四半期の売上全体が大きく伸びているのは、グループ会社の受託案件の計上が最も大きく寄与したと言えそうだ。続いて、周年の『白猫PJ』を含むFY14ものが増加しているほか、『クイズRPG魔法使いと黒猫のウィズ』を含むFY13ものや、『アリス・ギア・アイギス』を含むFY18ものも売上を伸ばしている。
一方、1周年のイベントを9月に開催した『DQウォーク』を含むFY19もの売上は減少している。これは周年を控えた「7、8月に買い控えがあった」(取締役CFO 原井氏)という。
海外展開については、新型コロナウイルスの影響により、引き続き新たな取り組みを見合わせているとのこと。
新型コロナウイルスの対応・影響については、感染拡大に備え、全社一斉在宅勤務のトライアルを実施したほか、新しい働き方に合わせ、11月より本社オフィス規模をこれまでの約60%に最適化している。
また、タレント事業などに影響を受けているMAGES.の事業計画を保守的に見直し、同社取得にかかるのれん及び固定資産の一部の減損損失として8億5200万円を特別損失として計上している。
なお、MAGES.については、コロプラのグッズ事業部を継承したことによるIPグッズ展開の強化や、大切なペットを羊毛フェルトで忠実に再現してペットロスの悲しみを軽減する「ドール事業」の立ち上げなど、非ゲーム領域の強化にも取り組んでいる。
■馬場社長直轄の新作は「期初10月に社内βを披露」 新作パイプラインは前四半期末と同じ10本
スマートフォンゲームの新作パイプラインは、自社IPタイトル(自社IP派生タイトル含む)が6本、他社IPタイトルが4本の合計10本と前回の第3四半期決算発表時から変化はなかった。新型コロナウイルスの流行下という特殊な事業環境下だが、引き続き新作の開発が進められている状況と言えそうだ。
また、「新しい遊び方の提案」を目指した馬場社長直轄の新作は「着々と準備している」(馬場社長)という表現は変わらなかったものの、「期初10月に社内βを披露した」(同)ことを明らかにした。社内での評価も良好だったとのことだ。
この新作について、新型コロナウイルスの流行下で開発内容に変化があったかどうかについても「想定外の市場環境だが、結果的にコロナ時代に合っているものになっている」(同)としていた。
なお、2021年9月期通期の予想は非開示。グループを取り巻く事業環境は短期的な変化が激しいことから、グループの業績の見通しについては適正かつ合理的な数値の算出が困難としている。
既存タイトルは安定的に推移し、減収率は通期で約20~30%を見込んでいるという。また、 新作は3~4本のリリースを目指しているとのこと。
会社情報
- 会社名
- 株式会社コロプラ
- 設立
- 2008年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 チーフクリエイター 馬場 功淳/代表取締役社長 宮本 貴志
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高309億2600万円、営業利益28億5800万円、経常利益32億7600万円、最終利益18億9300万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3668