カプコンとコーエーテクモ、ネクソン、2020年は時価総額倍増 ゲーム大手やグローバル企業に高評価 業績回復のカヤックやAiming、マイネットにも脚光
2020年の東京株式市場が昨日(12月30日)の大納会で終わった。新型コロナウイルス感染症が拡大し、外食産業や観光業を中心に打撃を与える一方で、ゲーム関連企業には一定の追い風が吹いたと言われているが、株価にはどういった影響があったのだろうか。結論からいうと、コンシューマゲームを中心に事業展開を行っている家庭用ゲームソフト大手がマーケットにおいて高い評価を集めたほか、グローバルなゲーム市場の拡大に対応できた企業、そして、スマートフォンゲームでも顕著な業績改善を示した企業が買われる結果となった。
まず、2020年の年初と大納会時点での時価総額を計算してみた。1位に輝いたのは、カプコン<9697>で127%の上昇率となった。時価総額では3998億円から9075億円に上がった。倍以上のバリュエーションが付くようになった。『バイオハザード RE:3』や『モンスターハンターワールド:アイスボーン』が国内外でヒットし業績も好調だった。
第2位は、コーエーテクモホールディングス<3635>で、122.5%の上昇率だった。時価総額では3660億円から8144億円に拡大した。『仁王2』などパッケージゲームが伸びたほか、ライセンス提供を行っている『三国志・戦略版』が中国市場でヒットを続けており、業績にも大きく貢献した。パッケージだけでなく、巨大市場でも稼げるのは同社の強みだ。
両社ほどではないが、家庭要ゲーム大手は総じて買われていた。Switchと関連ソフトの販売が好調だった任天堂<7974>、バンダイナムコホールディングス<7832>。コナミホールディングス<9766>が30%を超える上昇を達成した。スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>、マーベラス<7844>、日本ファルコム<3723>なども2ケタの上昇率だった。
こうしたなか、唯一、家庭用ゲーム大手でセガサミーホールディングス<6460>が3.1%の上昇にとどまった。ゲーム事業を展開するセガについては好調だったものの、遊技機事業を手掛けるサミー、昨日連結から外れたセガエンタテインメントが不調だったこともあり、全体としては業績面で苦戦する結果となった。
第3位に入ったのはネクソン<3659>だった。こちらも115.3%増の2兆8194億円となった。『風の王国: Yeon』や『メイプルストーリー』『KartRider Rush+』『V4』などモバイルゲームでヒットが生まれ韓国内での業績が伸びていることに加えて、『アラド戦記』を展開する中国でも底堅い推移となっている。12月に日経225構成銘柄となって、需給面でもプラスに作用したようだ。
他方、業績改善企業も顕著に伸びた。ハイパーカジュアルゲームに舵を切ったカヤック<3904>が44.3%上昇の128億円、『ドラゴンクエストタクト』が大ヒットして業績が急回復したAiming<3911>が37.5%上昇の165億円、そして、リカバリープランが着実に成果を上げて短期で業績回復を果たしたマイネット<3928>が29.2%上昇の74億円だった。
このほか、コロプラ<3668>やgumi<3903>、ドリコム<3793>、アカツキ<3932>など、モバイルゲームがメインの会社については、業績自体は好調だが、市場での評価を集めづらい状況になっているようだ。巣ごもり消費を背景にしたゲームの流行への対応度合いなどで相対的に評価を受けづらいこと、そして、IPを持っていないことや、市場が成熟化している国内市場での売上比率が高いことからディスカウントされやすい、といった側面もあるようだ。
■主なゲーム関連企業の時価総額上昇率ランキング ※時価総額の単位は億円
まず、2020年の年初と大納会時点での時価総額を計算してみた。1位に輝いたのは、カプコン<9697>で127%の上昇率となった。時価総額では3998億円から9075億円に上がった。倍以上のバリュエーションが付くようになった。『バイオハザード RE:3』や『モンスターハンターワールド:アイスボーン』が国内外でヒットし業績も好調だった。
第2位は、コーエーテクモホールディングス<3635>で、122.5%の上昇率だった。時価総額では3660億円から8144億円に拡大した。『仁王2』などパッケージゲームが伸びたほか、ライセンス提供を行っている『三国志・戦略版』が中国市場でヒットを続けており、業績にも大きく貢献した。パッケージだけでなく、巨大市場でも稼げるのは同社の強みだ。
両社ほどではないが、家庭要ゲーム大手は総じて買われていた。Switchと関連ソフトの販売が好調だった任天堂<7974>、バンダイナムコホールディングス<7832>。コナミホールディングス<9766>が30%を超える上昇を達成した。スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>、マーベラス<7844>、日本ファルコム<3723>なども2ケタの上昇率だった。
こうしたなか、唯一、家庭用ゲーム大手でセガサミーホールディングス<6460>が3.1%の上昇にとどまった。ゲーム事業を展開するセガについては好調だったものの、遊技機事業を手掛けるサミー、昨日連結から外れたセガエンタテインメントが不調だったこともあり、全体としては業績面で苦戦する結果となった。
第3位に入ったのはネクソン<3659>だった。こちらも115.3%増の2兆8194億円となった。『風の王国: Yeon』や『メイプルストーリー』『KartRider Rush+』『V4』などモバイルゲームでヒットが生まれ韓国内での業績が伸びていることに加えて、『アラド戦記』を展開する中国でも底堅い推移となっている。12月に日経225構成銘柄となって、需給面でもプラスに作用したようだ。
他方、業績改善企業も顕著に伸びた。ハイパーカジュアルゲームに舵を切ったカヤック<3904>が44.3%上昇の128億円、『ドラゴンクエストタクト』が大ヒットして業績が急回復したAiming<3911>が37.5%上昇の165億円、そして、リカバリープランが着実に成果を上げて短期で業績回復を果たしたマイネット<3928>が29.2%上昇の74億円だった。
このほか、コロプラ<3668>やgumi<3903>、ドリコム<3793>、アカツキ<3932>など、モバイルゲームがメインの会社については、業績自体は好調だが、市場での評価を集めづらい状況になっているようだ。巣ごもり消費を背景にしたゲームの流行への対応度合いなどで相対的に評価を受けづらいこと、そして、IPを持っていないことや、市場が成熟化している国内市場での売上比率が高いことからディスカウントされやすい、といった側面もあるようだ。
■主なゲーム関連企業の時価総額上昇率ランキング ※時価総額の単位は億円
会社情報
- 会社名
- 株式会社カプコン
- 設立
- 1983年6月
- 代表者
- 代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1524億1000万円、営業利益570億8100万円、経常利益594億2200万円、最終利益433億7400万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9697
会社情報
- 会社名
- 株式会社カヤック
- 設立
- 2005年1月
- 代表者
- 代表取締役CEO 柳澤 大輔/代表取締役CTO 貝畑 政徳/代表取締役CBO 久場 智喜
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高174億6700万円、営業利益10億2100万円、経常利益10億3800万円、最終利益5億1100万円(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3904
会社情報
- 会社名
- 株式会社ネクソン
- 設立
- 2002年12月
- 代表者
- 代表取締役社長 イ・ジョンホン(李 政憲)/代表取締役CFO 植村 士朗
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上収益4233億5600万円、営業利益1347億4500万円、最終利益706億0900万円(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3659
会社情報
- 会社名
- 株式会社Aiming
- 設立
- 2011年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 椎葉 忠志
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高181億9900万円、営業損益13億900万円の赤字、経常損益11億円の赤字、最終損益22億2700万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3911
会社情報
- 会社名
- 株式会社マイネット
- 設立
- 2006年7月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 岩城 農
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高87億1700万円、営業利益1億6800万円、経常利益1億2500万円、最終利益1億4300万円(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3928
会社情報
- 会社名
- コーエーテクモホールディングス株式会社
- 設立
- 2009年4月
- 代表者
- 代表取締役会長 襟川 恵子/代表取締役社長 襟川 陽一
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高845億8400万円、営業利益284億9400万円、経常利益457億4100万円、最終利益337億9200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3635