C&R社、3Qは2ケタの増収増益 電子書籍やYouTube等のライツ事業が好調に推移 通期下方修正も過去最高の業績見込み

クリーク&リバー社<4763>は、1月8日、2021年2月期の第3四半期累計(3~11月)の連結決算を発表、2ケタの増収増益となった。

増収は同社グループの中核を担うクリエイティブ分野(日本)を中心に、プロフェッショナル領域におけるエージェンシー事業及び、電子書籍やYouTube等のライツ事業が好調に推移したことによるもの。また、増益は役職員の働き方の見直しや徹底的な無駄の排除による販売費及び一般管理費の効率化が影響した。

業績は以下の通り。

・売上高275億5700万円(前年同期比12.3%増)
・営業利益19億900万円(同15.3%増)
・経常利益19億3800万円(同16.7%増)
・最終利益12億6300万円(同22.9%増)



では、セグメント別の状況を見てみよう。

※第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更、以下の前年同期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較している。

① クリエイティブ分野(日本)
出版分野で、Amazon Kindleをはじめとした複数の電子書店に対し当社が取次を行なう電子書籍取次において、新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴う外出自粛要請による巣籠り需要も手伝い、配信数、ダウンロード数が順調に増加した。また自社開発のスマートフォン向けゲーム「パレットパレード」への投資が減少したことで、収益が大幅に改善した。

・売上高189億8700万円(前年同期比105.4%)
・セグメント利益12億2200万円(前年同期比149.8%)

② クリエイティブ分野(韓国)
CREEK & RIVER KOREA Co.,Ltd.では、韓国の人気ゲームを全世界で配信するライツマネジメント事業を展開しているものの、新型コロナウイルスの影響もあり、各国での配信計画に遅れが生じた。

・売上高24億5500万円(前年同期は5100万円)
・セグメント損失4600万円(前年同期は5400万円のセグメント損失)


③ 医療分野
医師の紹介事業については、全国各地での慢性的な人材不足、地域的偏在を背景に医師へのニーズは引き続き高水準で推移した。また全国各地での慢性的な医師不足、地域的偏在を背景に、医師へのニーズは引き続き高く、前年の売上高、営業利益を上回って推移した。

・売上高31億2500万円(前年同期比92.7%)
・セグメント利益7億3600万円(前年同期比90.9%)


④ 会計・法曹分野
会計・法曹両領域とも、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、クライアントの採用選考における著しい遅延並びに管理部門を中心に採用計画の見直し等が生じたことにより、当第3四半期連結累計期間における売上高及びセグメント利益は、前年同四半期を下回って推移した。

・売上高14億8300万円(前年同期比92.6%)
・セグメント利益7500万円(前年同期比39.0%)


⑤ その他の事業
IT分野におけるエージェンシー事業は順調に伸長したものの、ファッション分野やVR事業において新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響を受けたこと等により、前年同四半期を若干下回る結果となった。ただしその一方で、AI等の新規事業分野において事業基盤の構築が進展したこと等により、利益面では前年より改善した。

・売上高16億400万円(前年同期比99.3%)
・セグメント損失8000万円(セグメント損失1億700万円)


なお、2021年2月期通期の連結業績予想については下方修正を行った。その理由として、新型コロナウイルスの感染拡大によって、医療分野のイベント中止、ファッション・食領域への需要減、VR機材の中国サプライチェーンの停止に伴う注文キャンセル、会計法曹の選考遅延と採用計画の見直しなどがあったため、と説明している。ただし、期初の予想は下回ったものの、プロフェショナル領域における、エージェンシー事業とライツマネジメント事業が予想を上回る推移であり、経費の効率化とあわせて、グループとして過去最高の業績の達成を見込んでいるとのこと。

2021年2月期通期の連結業績予想は以下の通り。

・売上高367億円(前回予想400億円)
・営業利益23億円(同26億円)
・経常利益23億円(同26億円) 
・最終利益14億円(同16億円)

となっている。




 
株式会社クリーク・アンド・リバー社
http://www.cri.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社クリーク・アンド・リバー社
設立
1990年3月
代表者
代表取締役会長CEO 井川 幸広/代表取締役社長COO 黒崎 淳
決算期
2月
直近業績
売上高497億9900万円、営業利益41億300万円、経常利益41億3700万円、最終利益26億5800万円(2024年2月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
4763
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