ヤフー<4689>は、商品の多視点画像(以下、マルチビュー画像)を誰でも簡単に撮影できる「マルチビュー機能」を、AR(拡張現実)技術などを応用して独自開発し、インターネットオークションサービス「ヤフオク!」アプリ(iOS版、Android版)にて、1月14日より提供開始した。
インターネットオークションやフリマサービスでの商品画像は、落札や購入を検討するユーザーにとって重要な情報。「ヤフオク!」ではこれまで、スニーカーやフィギュア、家具などの商品の特徴を、より分かりやすく紹介したいという出品者の声や、商品をさまざまな角度から見て入札を検討したいという落札者の声があった。
Yahoo! JAPANは、コンピュータによる視覚の実現を研究する分野であるコンピュータビジョンの技術や、スマートフォンのOS各社が提供するAR技術のフレームワークを活用し、ターンテーブルや専用カメラなど特殊な機材を使用せず、立体的な商品を多視点で撮影できる「マルチビュー機能」を開発した。
今回、本機能を、Yahoo! JAPAN内サービスで初めて「ヤフオク!」にて実用化。これにより、出品者は「ヤフオク!」アプリ上のガイドに沿って、簡単に商品のマルチビュー画像を撮影し出品画像として掲載できる。
さまざまな角度から商品の特徴や状態を伝えられるため、入札検討者が商品理解を深められることが期待できる。入札検討者は、マルチビュー画像をスワイプすることで左右に回転させながら商品の特徴や状態を把握でき、より安心して入札できる。
<マルチビュー機能 使い方説明動画 (「ヤフオク!」公式YouTube)>
https://youtu.be/EbNNWWt2CA0
<マルチビューカメラの使い方>
<マルチビュー画像の表示方法>
■技術の特徴
1)マルチビュー画像撮影:
ARアプリ開発フレームワークであるApple社のARKit(iOS)、Google社のARCore(Android)を応用し、カメラの位置と向きを推定、3Dモデルを用いた撮影アシストを実現した。ターンテーブルや専用カメラなど特殊な機材を使用せず、簡単に多視点の画像を撮影できる。
2)リアルタイムな画像処理:
本来、多視点の画像の生成にはカメラキャリブレーション(※1)という技術が必要となり膨大な手間と計算リソースがかかるが、AR(拡張現実)アプリ開発フレームワークを用いることで大幅なコスト削減を実現。また、スマートフォン搭載のGPU(※2)を活用し、CPU(※3)のみの処理と比較して、多視点の画像を生成するまでの時間を約400分の1に短縮した。
Yahoo! JAPANは今後も、さまざまなサービスを支える先進的な技術を開発し、ユーザーや社会の課題解決に取り組んでいく。
※1:カメラの位置や向きを画像から推定する技術
※2:3Dグラフィックスなどの画像描写に必要な演算処理を行う装置
※3:CPUがコンピュータの主力の処理を行う中心的な演算処理装置であるのに対し、GPUは画像処理に特化した演算処理装置
■開発者による技術解説(Yahoo! JAPAN Tech Blog)
https://techblog.yahoo.co.jp/entry/2021011430061938/
会社情報
- 会社名
- ヤフー株式会社
- 設立
- 2019年10月
- 代表者
- 代表取締役社長 小澤 隆生
- 決算期
- 3月