東映アニメ、AI技術によるアニメ制作効率化の取組をPFNと実施 実験映像『URVAN』の背景美術制作にScenifyを活用



東映アニメーション<4816>は、Preferred Networks(PFN)とAI技術を活用してアニメ制作を効率化するため、PFNの深層学習による画像変換技術、セグメンテーション技術などを映像制作に活用する実験的な取り組みを共同で行ったことを明らかにした。東映アニメの新規IP研究開発チーム「PEROs」が2月に公開した実験映像『URVAN』(ウルヴァン)の背景美術制作に、PFNが開発するアニメの背景美術制作支援ツールScenify(シーニファイ)を活用したという。

今回、東映アニメで、長年にわたり背景美術制作の技法を培ってきた製作部 美術課、AIの活用に取り組んできたデジタル映像部 テクノロジー開発推進室、そしてPEROsが連携し、約5分間の実験映像『URVAN』を制作するにあたり、PFNの画像変換およびセグメンテーション技術を応用して開発したScenifyを活用した。

同作品では、実在する佐世保の風景をアニメ調・サイバーパンク調の2つの画風で表現しており、現地で実際に撮影した風景写真からScenifyでアニメ調の背景素材に自動変換することで、美術クリエイターが画像の前処理工程に要する時間を従来の約1/6に大幅短縮することができた。Scenifyは、同作品で制作した背景美術の約2/3に使用されている。この技術の活用により、美術クリエイターは作業負担・工数を削減することができ、クリエイティブの自由度・振れ幅が大きいサイバーパンク調の背景制作により多くの時間を充てることが可能になった。

また、Scenifyの開発では、背景美術の制作に必須となる、背景画像からキャラクターに接する部分・手前にくる部分(BOOK)を自動的に切り出す「BOOK分け」機能、画像の一部を除去した後の空白を自然に塗りつぶす「スマート塗りつぶし」機能、さらに、Scenifyをクリエイターの制作ワークフローに組み込みやすくするためのプロトタイプUIの開発も行った。




実験映像作品『URVAN』におけるScenifyを利用した背景美術制作の例

▲素材写真


▲Scenifyによる変換結果(アニメ調)


▲東映アニメ美術スタッフによる最終レタッチ結果(サイバーパンク調)


今後は、東映アニメにおけるアニメ作品(TVアニメーション・アニメ映画)制作にScenifyを適用することを目指して、さらに機能開発を進めていく、としている。



(C)東映アニメーション
東映アニメーション株式会社
http://corp.toei-anim.co.jp/

会社情報

会社名
東映アニメーション株式会社
設立
1948年1月
代表者
代表取締役会長 森下 孝三/代表取締役社長 高木 勝裕
決算期
3月
直近業績
売上高671億1700万円、営業利益177億7200万円、経常利益203億円、最終利益145億9300万円(2024年3月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
4816
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