カヤック<3904>は、5月13日、2021年12月期の第1四半期(21年1~3月)の連結決算を発表するとともに、決算説明資料を公開した。売上高28億2100万円(前年同期比17.5%増)、営業利益3億6800万円(同191.6%増)、経常利益4億1200万円(同242.9%増)、最終利益3億1800万円(同263.1%増)と大幅増益を達成した。四半期ベースで過去最高の売上高、営業利益になったとのこと。
・売上高:28億2100万円(前年同期比17.5%増)
・営業利益:3億6800万円(同191.6%増)
・経常利益:4億1200万円(同242.9%増)
・最終利益:3億1800万円(同263.1%増)
同社では、クライアントワーク(受託)とゲームコミュニティの増収が寄与したことに加えて、販売管理費などコストの伸びを抑制したことが利益拡大につながった、としている。昨年11月に買収したSANKOグループと、ゲームコミュニティの事業成長が増収要因になった。
サービス別の状況は以下のとおり。
① クライアントワーク
売上高は8億1800万円(前年同期比38.0%増)だった。同社の企画力、技術力をもとにクライアントの新製品開発を支援する領域での大型案件の獲得に加えて、2020年11月に子会社化したSANKOとマンガデザイナーズラボが連結に加わったことで大幅な増収となった。
トピックスとしては、カヤックが開発に関わったユーザー共創型ゲーム「スーパー野田ゲーPARTY」が4月29日にNintendo SwitchのDL用ソフトとして販売され、1週間で5万本を販売するなどヒットしたことがああげられる。
② ゲーム
売上高は9億8600万円(同5.2%減)となった。「ぼくらの甲子園!ポケット」や「キン肉マン マッスルショット」、ハイパーカジュアルゲーム、カヤックアキバスタジオでの受託ゲーム開発が売上高の大部分を占めている。ハイパーカジュアルゲームの売上は横ばいだった。
ハイパーカジュアルゲームについては、新作「Type Spin」を正式にリリースしたが、既存タイトルの一部にピークアウトの傾向が出ており、ダウンロード数は直前四半期比8.5%減の4552万件となった。他方、カヤックアキバスタジオでの受託事業は拡大基調にある。
このほか、ハイパーカジュアルゲーム第6弾として4月28日に「Ball Run 2048」の配信を開始した。全米のApp Store無料ゲームランキングで5位およびカジュアルゲームカテゴリで1位を獲得するなど好調な滑り出しとなった。
③ ゲームコミュニティ
売上高は6億円(同48.3%増)だった。ゲームファンに向けた一連のコミュニティサービスを展開しており、ウェルプレイド・ライゼストのeスポーツ事業、スマートフォンゲームに特化したコミュニティの「Lobi」、トーナメントプラットフォームの「Tonamel」が売上高の大部分を占めている。
ウェルプレイド・ライゼストでは、子会社化したRIZeSTの寄与や、大型のeスポーツ大会の運営の受託案件が第1四半期累計の増収に寄与した。また、対戦形式の拡充等が追い風となり、2021年第1四半期におけるTonamelの大会開催数は直前四半期比9.6%増の1924件となった。
④ ちいき資本主義
売上高は1億8700万円(同38.2%増)となった。地方公共団体や地域企業に対して、まちづくりに関するコンテンツの開発とサービスの提供を行っている。移住プラットフォームサービスの「SMOUT」、コミュニティ通貨サービスの「まちのコイン」、地域プロモーションの受託、鎌倉市内で展開するまちづくり事業などのサービスが売上高の大部分を占めている。
「SMOUT」における有料掲載の積み上げに加えて、「まちのコイン」の導入地域の増加が増収に寄与した。「まちのコイン」の導入地域数は2021年第1四半期に6箇所増加し、累計で10箇所となった。
⑤ その他サービス
売上高は、2億2800万円(同0.9%増)となり、コロナ禍以前の水準に回復した。ブライダルプラットフォーム「プラコレWedding」は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、2020年上半期に業績が悪化した後、緩やかな回復基調にある。また、湘南地域への移住ニーズが追い風となり、子会社で展開する不動産仲介業が堅調に推移している。
会社情報
- 会社名
- 株式会社カヤック
- 設立
- 2005年1月
- 代表者
- 代表取締役CEO 柳澤 大輔/代表取締役CTO 貝畑 政徳/代表取締役CBO 久場 智喜
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高174億6700万円、営業利益10億2100万円、経常利益10億3800万円、最終利益5億1100万円(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3904