3月23日、ミクシィによるオンラインセミナー「THE METHOD #3 『~モンストのキャンペーン施策について「サーバ編」~』」が行われた。
本セミナーは、プロダクトにおいて実践されている「ものづくりの方法論」の共有を目的としている。第4回目となる本セミナーでは、ミクシィグループのヒットタイトル『モンスターストライク(以下、モンスト)』のサーバーサイド開発を担当している浅野大我氏が登壇。
『モンスト』において、ユーザーに楽しく遊んでもらうための「キャンペーン」施策をどのように作っているか、実際に例を挙げながら説明が行われた。本稿では、セミナーの内容についてレポートをお届けしていく。
【登壇者紹介】
〇浅野 大我氏(アサノ タイガ)
2018年夏にインターンで『モンスターストライク』のサーバーサイドを経験し、その後2019年に内定者アルバイトとして『モンスターストライク』のSRE、グループウォレットアプリ『6gram』のサーバーサイドを担当。2020年に新卒として入社し、『モンスターストライク』のサーバーサイド開発を担当している。
高レアリティのキャラクター排出率がアップするガチャや、桜など季節に応じた柄入りのフレームが利用できる施策、人気作品とのコラボなど、数多くの魅力的なキャンペーンを展開している『モンスト』。
本作のサーバーサイド開発を担当している浅野氏によると、キャンペーンの開発は大きく「企画」、「開発」、「統合テスト(QA)」、「リリース」の4つに分けられ、全体で2か月ほどの期間を必要としているという。
期間内にキャンペーンを実装させるため、企画・プロモーション施策をリリースの2ヶ月前から決定。アサイン後には開発の関係者同士でキックオフミーティングを行い、マスターデータの管理や必要なUI、APIを選定していく。機能を実装する際には、作業コストに関して念入りな調査を行っているそうだ。
ちなみに、サーバ構成についてはデータベースの分割、大量のキャッシュサーバ、非同期処理の運用を行っていると説明。サーバ負荷への対策は徹底して行っていると続けた。
実際にコードを書く時には、影響範囲の調査やデータの統計、APIの設計などを特に重視しているという浅野氏。4月2日~5月2日の期間に実施された「使って、もらえる!オーブキャンペーン」では、オーブの消費に影響がないようテストを書いたり、ユーザー用の既存のテーブルを利用するといった対策を行ったと説明する。
また、『モンスト』のサーバーサイドでは、APIの開発だけでなく、サーバの挙動やデータを一時的に変更するアプリの作成や、要望に応じてメンテナンスも実施しているとも紹介した。
最後に、浅野氏が「施策に対するサーバーへの負荷を常に考え、コードの設計をした上で他のチームと連携して開発に取り組んでいます。また、機能の開発だけでなく、開発を円滑に進めるためのツールも開発していることを覚えていただければと思います」とまとめ、セミナーは終了の時間を迎えた。
次回の「TheMethod」の内容は、近日中に公開される予定だ。ソーシャルゲームインフォでは、これまでに行われた「TheMethod」についてレポート記事を掲載しているので、興味のある方はこちらもチェックしてみてほしい。
●「The Method #0 ~モンストのギミック開発フロー紹介~」
https://gamebiz.jp/?p=288758
●「The Method #1 『~モンストのキャラクターどう作られているか~』」
https://gamebiz.jp/?p=290699
●「THE METHOD #2 『~モンストのステージ制作について~』」
https://gamebiz.jp/?p=293495
会社情報
- 会社名
- 株式会社MIXI
- 設立
- 1997年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 木村 弘毅
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1468億6800万円、営業利益:191億7700万円、経常利益156億6900万円、最終利益70億8200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2121