パズルゲームはなぜ世界中で愛されるのか…モバイルパズルジャンルの変遷と収益性における特徴に迫る(提供:Pangle)

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TikTok For Businessが展開しているモバイル広告プラットフォームPangleは、9月28日、ゲーム市場のインサイトと分析をおこなうNewzooと共同制作した最新レポート「パズルゲーム:欧米とアジア市場の比較」を公開した。

本レポートは、米国、イギリス、日本、韓国を中心とした欧米およびアジアのパズルゲーム市場について解析されており、ゲームディベロッパーやパブリッシャーにとって、欧米とアジア市場の主な違いの理解につながる情報も掲載されているそうだ。


本稿では、そんな「パズルゲーム:欧米とアジア市場の比較」から提供されている情報を一部を紹介していく。モバイルパズルジャンルの変遷やなぜ世界的に市場が大きく形成されているかに迫ってみた。

 

モバイルパズルゲームの市場規模は69億ドル − その歴史とは

資料によると、グローバルでのモバイルパズルゲームの市場規模は69億ドルに至るという。パズルジャンルの歴史は長く、ビデオゲーム黎明期から親しまれたジャンルとなる。ビデオゲームの黎明期においては、そのほとんどが『Hangman』や『テトリス』などの文字やタイルをマッチングさせるパズルジャンルであった。

スマートフォンゲームにおいても、パズルジャンルは早々に人気を博すことになる。世界的にみれば、『アングリーバード』、『キャンディークラッシュ』などがリリースされ、世界各所にて影響を与えたと言えよう。

日本においても、3マッチパズルに育成要素なども加えた『パズル&ドラゴンズ』が一大ブームを起こしたと言えるのではないだろうか。

そんなパズルジャンルのゲームは今現在においても存在感は大きい。地域や世代に問わず親しみやすいモデルが親しまれる要因だったと考えられよう。資料では、2020年のグローバルモバイルゲーム収益における8%がパズルジャンルで占められており、その市場規模は69億ドル(約7.6兆円)に至っている。



地域のTOP3はアメリカ、日本、中国となり、60%近くがこの地域からの収益となっている。国内のゲーム会社においてもパズルジャンルというのは、今後も注目していくべきジャンルとなるだろう。


世界でパズルゲームが親しまれるその理由

 では、なぜモバイルパズルゲームがここまでの市場規模までに成長できたのであろうか。その理由はソーシャルエンゲージメントやライブオペレーションとの親和性にあるという。

ソーシャルエンゲージメントとは、フレンドや他プレイヤーとの関わりを維持するツールやシステムを指す。例えば、ランキングシステムやリーダーボード(※他プレイヤーのスコアが表示される仕様)だ。

▲ランキングの他、フレンドのサポートを受けられるシステムも多く採用されている。
(画像はKing社『Candy Crush Soda Saga』のリリース画像より)


他にも、新スコアを獲得した際に、フレンドに通知を送るシステムを採用しているプラットフォームやゲームもある。

このように、瞬間的に他プレイヤーを意識することができるツールはプレイヤーがゲームに戻ってくる動機を作りやすく、パズルはゲームシステム上採用しやすいジャンルとなっている。

そして、ライブオペレーションとは、期間限定のイベントやミニチャレンジを行う施策などを指すが、こちらもパズルジャンルとの相性が良い。基本的には、”プレイヤーの問題解決スキルの試行”が楽しみの根底にあるため、RPGやアドベンチャーゲームのようにシナリオなどの要素とのコンフリクトを考慮せずに採用することが容易となっている。


 

マネタイズモデルハイブリッド化によって更なる成長余地

モバイルパズルゲームは様々な収益モデルが採用しやすいゲーム性も、世界各地域にて収益が立っている要因と言える。

▲レポートでは各国で配信されているパズルゲームの特徴についても分析されている。


『Brain Wars』や『Puzzrama』などグローバルにて様々なゲームを配信しているtranslimit社の安中氏も資料内では、LTVを維持しながらアプリ内広告とアプリ内購入のハイブリッド式の収益化を実現しやすいと述べている。

その他にも、サブスクリプションモデルとも相性が良く、実際に『ホームスケイプ』や『アングリーバードブラスト』にもバトルパスが導入された。

また、資料では世界の様々な市場にてユーザーを獲得する方法やマネタイズについてのインタビューも掲載されている。ここでは、そのインタビューの一部も紹介する。

――:アプリ内広告(IAA)とアプリ内購入(IAP)では、どちらの収益が多いですか?市場による違いはありますか?

弊社の場合、4対1でアプリ内広告の収益が高くなっています。しかし、市場の違いはありますね。アメリカのユーザーは広告をたくさん流しても気にすることはありません。その反面、アプリ内購入はなかなか増えていきません。そのため、アメリカにおける収益化戦略は、アプリ内広告に重点を置く傾向にあります。

日本は、アメリカに比べて広告の量は半分です。しかし、日本のユーザーはアプリ内購入には積極的で、多くのユーザーが課金してくれます。そのため、日本でも利益をあげることができるのです。

例えば、『Puzzrama』では「コンテスト」という機能があり、ユーザーが作成したオリジナルのモデルに投票を行い、優秀作品が毎日お披露目されていますが、日本のプレイヤーは特別な編集機能や作品に彩りを加えるオプションを購入しているため、ランキングのトップに入ることが多いと思います。海外プレイヤーはゲーム内のパズルを楽しんでおり、コンテストにはあまり参加していません。


ゲームビジネスにおいて、収益化モデルを幅広く採用できるパズルゲームは有力なジャンルであり、今後も成長の余地はまだまだありそうだ。

レポートでは、クリエイティブ制作におけるヒントやアメリカでのユーザー獲得事例なども紹介されている。他にも、各国のユーザー動向レポートも紹介されているので気になる人は以下のリンクより資料をダウンロードしてみてはいかがだろうか。

▲資料では、ライフスタイルなども比較した各国におけるユーザー属性も掲載されている。