【決算レポート】ドリコム、第2四半期の営業益は予想を88%上回る着地 「市場シェアの10%をとる大型タイトルが出ても影響を抑えることができた」(内藤社長)
ドリコム<3793>は、2022年3月期の第2四半期(7~9月)の連結決算を発表し、売上高25億2300万円(前四半期比5.1%減)、営業利益4億6300万円(同8.1%減)、経常利益4億4800万円(同8.9%減)、最終利益3億1100万円(同3.6%増)となった。
・売上高:25億2300万円(同5.1%減)
・営業利益:4億6300万円(同8.1%減)
・経常利益:4億4800万円(同8.9%減)
・最終利益:3億1100万円(同3.6%増)
前四半期との比較で減収減益となったものの、8月に発表した業績予想に対して、売上高で7.8%、営業利益で88.2%、経常利益で73.6%、最終利益55.5%上回る着地となった。
また、前年同期(7~9月)との比較でも、売上高で12.4%下回ったもののの、営業利益で8.1%増、経常利益で5.9%増となった。ただ、最終利益については13.1%減だった。
内藤裕紀社長は、「市場シェアの10%をとるような大型タイトル(『ウマ娘プリティーダービー』とみられる)の影響が心配されたが、既存のタイトルの頑張り、コストの抑制も含めて前年同期に近い数字を出すことができた」と振り返った。
前四半期との比較をしていくと、売上高は5.1%減の25億2300万円だった。前四半期では、『ワンピーストレジャークルーズ』や『アイドルマスターシャイニーカラーズ』が周年イベントを開催しており、反動減が出たようだ。
ただ、『ワンピーストレジャークルーズ』については9月に実施したイベントが好調だったとのこと。周年イベントに相当する水準で、その他のIPタイトルも当初予想を上回る着地だったという。
また、営業利益については、8.1%減の4億6300万円だった。減収の影響を受けたものの、新作の開発進展に伴い開発に関わる費用が資産として計上されたことで減収効果を相殺した。
なお、運用中の12タイトルの損益状況は以下のとおり。12タイトル中、2タイトルが不採算だった。そのうち1タイトルは、リリースしたばかりで費用先行だった。これは『D CIDE TRAUMEREI(ディーサイド トロイメライ)』とみられる。
■第3四半期の見通し
続く第3四半期(21年10~11月)の業績は、売上高28億1600万円(同11.6%増)、営業利益3億3300万円(同28.0%減)、経常利益3億6000万円(同19.6%減)、最終利益2億8900万円(同7%減)を見込む。
・売上高:28億1600万円(同11.6%増)
・営業利益:3億3300万円(同28.0%減)
・経常利益:3億6000万円(同19.6%減)
・最終利益:2億8900万円(同7%減)
2ケタの増収となるが、新作『D CIDE TRAUMEREI』の収益が寄与する。『D CIDE TRAUMEREI』については、子会社ブラストレイン社がほぼ受託で関わっており、その売上が計上されるそうだ。
また、営業利益は28%の減益となる見通し。こちらは『ミコノート』の広告宣伝費がリリース前で先行することが主な要因となる。
最後に内藤社長は、「上半期を振り返って、当初想定した形で足腰を強くすることができた。想定外の大きな競合タイトルが出ても数字がそれほど影響を受けなかったのはその証拠だ。今後はリスクのとり方が異なるタイトルを複数リリースするが、ポートフォリオを組んで着実に収益を上げるフェーズに入りたい」とまとめた。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ドリコム
- 設立
- 2001年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 内藤 裕紀
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高97億7900万円、営業利益9億300万円、経常利益7億9300万円、最終利益1億400万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3793