シロシ、小野美由紀さんの短編SF小説『ピュア』をNFTとして販売開始 2人の異なる翻訳者による未公開英語翻訳版NFTもリリース



シロシは、11月8日、 SF小説家の小野美由紀さんと共同して、 短編SF小説『ピュア』をNFTとして販売開始した。また同時に2人の異なる翻訳者による未公開英語翻訳版NFTもリリースしている。

■小説NFTプロジェクトの概要
今回の小説NFTプロジェクトは、 早川書房から出版されている『ピュア』(小野美由紀著 2020.4.16)掲載の短編SF小説『ピュア』をNFTオリジナル版として創り直し、 OpenSeaというNFTマーケットプレイスで販売するものとなる。

”もしも、 女性がセックス後に男性を食べないと妊娠できない世界になったら?”を描いた本小説『ピュア』は、 早川書房のnoteに全文掲載されるや否やSNSで大きな話題を呼び、 20万PV超を獲得していたほか、 アップルBOOKが「2020年ベストSF」にも選ばれた作品。

また、 合わせて、 短編SF小説『ピュア』の世界未公開の英訳版、 それぞれ翻訳者の異なる2バージョンもOpenSeaにてNFTオリジナル版として販売する。

プライマリーマーケットでの販売はもちろんのこと、 セカンダリーマーケットでの販売時にも著作者である小野美由紀氏だけでなく、 翻訳を手がけたプロの翻訳者である「カラウ・アルモニー」「ローレル・テイラー」の両名にも収益が入り続ける仕組みを導入している。

OpenSea上のサイト
https://opensea.io/assets/0x495f947276749ce646f68ac8c248420045cb7b5e/6196940242523705499438148883301156771530315874967172529019421680733199007745/


■小説NFTプロジェクトの意義
小説NFTプロジェクトは、 新しい日本文芸・文学の翻訳のあり方を提示し、 ひいては日本文芸・文学の翻訳文化の後押しとなることを目指しているという。

日本文芸・文学は、 現在世界的なブームにあると言っても良い状況です。 柳美里氏の作品が全米図書賞を受賞するなど、 そうしたブームが顕在化し始めている。一方で、 日本の文芸・文学が「日本語」という壁を超え、 海外で翻訳されることは未だ十分とは言えません。 日本の小説に限れば、 毎年約13,000点出版されるのに際し、 翻訳されるものは、 例えばアメリカでの出版だけをとってみてもほんの僅かに留まる状況。

このような状況になっているのは、 日本文学・文芸の翻訳という仕事が、 お金になりにくい構造。

こういった構造的に日本の文芸・文学が海外に出ていきづらい状況を変えるために、 今回の小説NFTプロジェクトでは、 最初の販売時はもちろんのこと、 その後本作品が転売されるたびに翻訳者にも収益が入る仕組みを導入した。

今回の出品にとどまらず、 今後も、 NFTを通じて文芸翻訳の可能性を広げてゆくようなプロジェクトを続けてゆく予定。この仕組みによって、 優れた翻訳者が、 出版社からの収入だけに依存する事なく活動を続けられ、 積極的に日本の文芸・文学を翻訳していく世界にしていけたらと思っている。

■プロジェクトへの想い

小野 美由紀
本作品と、 2つの異なるプロの翻訳家による英訳版を同時発売する本プロジェクトの目的は、 文芸翻訳の新たな形態の可能性を広げ、 日本文芸の翻訳家が出版社からの収益だけに依存せず、 活躍の機会を広げ、 ひいては日本文芸の翻訳文化の発展に寄与する流れを作ることです。

※日本語版ステートメント全文はこちらをご覧ください。
https://note.com/onomiyuki/n/ncab648dc0f6e