東証、上場企業の決算短信のHTML形式で開示できるようにする実証実験

東京証券取引所は、TDnetリプレースにあわせて、上場会社などの決算短信について、HTML形式で開示可能とする実証実験を宝印刷、プロネクサスと共同で開始した。従来どおりPDF形式及びXBRL形式のみでの開示も可能で、上場会社等の参加、HTML形式での開示は任意となる。また、投資家・情報ベンダーにも、HTML形式のファイルを活用してほしいと呼びかけた。

今回、東証は、決算短信等のうちXBRL化されていない「経営成績等の概況」、「継続企業の前提に関する注記」、「セグメント情報」、「1株当たり情報」及び「重要な後発事象」といった定性的情報等の記載について、次期TDnetにおいて従来のPDF形式に加えHTML形式での開示を可能とする。

HTML形式のメリットは、PDF形式に比べ、テキスト化がしやすく機械的な処理も容易になるなどメリットが大きい。PDFファイルでは、文字認識ができない又はテキストコピーができない場合があるが、HTMLファイルではそれらが可能となるので、情報利用者がテキスト抽出・テキスト分析で活用することができる。

また、テキストコピーできることで、海外投資家が日本語から英語への機械翻訳をスムーズに実施できるほか、機械翻訳エンジンを開発している会社がHTMLファイルを利用することで、IR文書に特化した翻訳サービスを開発しやすくなる可能性がある。上場会社等及び海外も含めた多様な投資家にHTMLファイルを利用して開発した翻訳サービスを利用することで、一層決算短信を活用することが期待されるという。