【STEPN】歩くだけでお金が稼げる? 初期投資13万円から始めるNFTシューズ育成ゲーとその運営企業とは


『STEPN』(ステップン)というアプリをご存知だろうか。スマートフォンを持って歩くだけで稼げる(Move to Earn)が謳い文句の運動系ゲームアプリだ。「そんな馬鹿な話があるんかいな」と思うのは恐らく正しい。筆者としても正直「ちょっと何を言ってるのかわからない」のである。未だに狐につままれたような気持ちでスマートフォンを片手に町を徘徊しているのだ。

実際にゲームを始めるには、13万円程となったNFTスニーカーを購入する必要がある。

2022年5月12日10時50分追記

記事公開した5月10日以降、暗号資産全体が大幅に下落。今回利用したSolanaは、5月5日に12000円ほどだったものの、一時価格が5700円(5月12日)まで急降下したため、最低価格は8万円前後となっている。


▲CoinMarketCapより

ここまで


5月9日の18時の段階ではスニーカーの最低価格帯は13SOLを上回る値段となっている。1SOLANA(SOL)が9800円ほどなので、円換算すると13万円弱だ。驚くべき値段である。「グッチ」のスニーカーか。そんな歩いて稼ぐゲームが一体どのような仕組みとなっているのか、運営するFind Satoshi Labはどのような会社なのか解説していこう。


■はじめの一歩のハードルはとても高い。
『STEPN』は3月より招待制となっているため、既にプレイしているユーザーから招待を受ける必要がある。周りにプレイしている人がいなければ、公式のDiscord*で配布していることもあるのでチェックしよう。またアプリ自体の利用は無課金でプレイ可能であるものの、NFTスニーカーがないと肝心の稼ぎが0なのだ。

*Discordの参加者が50万人に到達したので現在新規で入れない可能性がある

このNFTスニーカーを購入する際には必要なのがSOLANA(SOL)、あるいはバイナンスコイン(BNB)という暗号資産(仮想通貨)が必要になる。そのためスニーカーの購入にあたっては、該当の暗号資産を扱っている暗号資産取引所を利用する。後述するが暗号資産同士の交換を経る、また得た収入の額によっては課税対象になるため注意したい。状況によっては確定申告が必要になる。

上記の暗号資産が手に入ったら、「STEPN」内の暗号資産ウォレットに送金をする。これでスニーカーの購入が可能になる。


■『STEPN』はスニーカー育成ゲー。
SOLANAが『STEPN』内のウォレットに入ったら、いよいよNFTスニーカーが購入できる。手に汗握る瞬間だ。アプリ内ではNFTのスニーカーを購入して移動することで、ゲーム内の暗号資産(仮想通貨)の「GST」が手に入る。また「GMT」という暗号資産(仮想通貨)も用意している。


▲「GST」は5月9日18時の段階で570円ほどだ。(CoinMarketCapより)

NFTスニーカーにはそれぞれのレア度とパラメーターを持っている。

レア度には、Legendary>Epic>Rare>UnCommon>Commonがある。レア度が高いほどエネルギーが高くなり、移動して稼げる時間が増えてくる。

また移動速度を決めるこの4つのカテゴリーも重要な要素だ。『STEPN』での移動測定はGPSで行うが、スニーカーに合った速度で移動する必要があり、その範囲から外れるとGSTが手に入りにくくなる。

自身が毎日どういうシチュエーションで『STEPN』するか、よく考えておきたい。なにせ13万円からのお買い物だ。利用は計画的にいきたいところ。

ではそのスニーカーの種類を簡単に紹介しておこう。

▲公式サイトより。

・WALKER (1〜6kmで移動。1エネルギーあたりのGST取得量はベースで4)

・JOGGER (4〜10kmで移動。1エネルギーあたりのGST取得量はベースで5)

・RUNNER (8〜20kmで移動。1エネルギーあたりのGST取得量はベースで6)

・TRAINER (1〜6kmで移動。1エネルギーあたりのGST取得量はベースで4〜6)

またスニーカーにも、

・Efficient(GSTの取得力)

・Luck、(ミステリーボックスの取得力)

・Comfort(GSTの追加取得力)

・Resilience(靴の回復コスト)

のパラメータがあり、レベルを上げることでポイントを使って強化できる。

他にもレベルアップすることで、一日取得できるGSTの最大量も追加できる。なおレベルアップにはGSTが必要だ。レベル高ければ高いほど、多くのGSTを求められる。また一定の以上のレベルを上げる際にはGSTに加えGMTを求められるようになる。

なお『STEPN』内で一日に取得できるGSTの量が決まっている上に、1日に歩ける時間もエネルギーによって制限がある。

エネルギーは6時間毎に最大値の25%が回復する。その最大値を決めるのは、所持しているスニーカーの数とレア度が関係してくる。例えばcommonのスニーカー1つだと最大エネルギーは2で10分の移動が可能になるといった具合だ。用途に応じて複数使い分けたいところだが、いかんせん、スニーカーの値段はお高い。非常に手が出にくい。

また歩くことでスニーカーは消耗するので回復することも忘れないように。回復にはGSTを消費する。

その他にもスニーカー同士をかけ合わせてレア度の高いスニーカーを獲得できる(かもしれない)機能も備わっている。10万円オーバーのスニーカーを悪魔合体させるには、なかなかどうかして、非常にギャンブル性も強い。

なお稼いたGSTはやSOLANAや、USDCというドルベースのステーブルコインへと換金できる。ここでさらに円にするか、この円安時代をUSDCで保持するかはあなた次第だ。


■プレイすることで発生する税。酷税と揶揄される日本の税制の阿鼻叫喚

続いては少しだけ税金の話をしよう。書いてるだけでも気が重くなる内容だが避けては通れない。なお筆者は税理士でも税務署の人間でもないので、あくまでも参考ベースにとどめておいてほしい。

現在ブロックチェーンゲームに関しては、税制上明確ではないものの、取得した報酬は利益として考えたほうが無難な状況だ。

『STEPN』で言えば、獲得したGSTなどは利益として申告したほうが良さそうだ。なおGSTは価格が常に変動するため、その日獲得したGSTの量x終値など同条件のものと記録を取っておくこと必要がある。4月の日本国内のAMAにおいては、日本のユーザー向けにCSVないしは運営の問い合わせることでデータをもらえるようにするといった発言がされていたが、実際にはまだ実現していない。また直接運営の利益にかかわらない部分でもあるので、本当に実現するかも未知数だ。

なおNFTについても資産という扱いで雑所得に分類されるというのが最近のトレンドになっている。STEPN内のスニーカーがNFTであることを考え得ると資産として雑所得として考えたほうが良さそうだ。

またNFTスニーカーには耐久値があるため、その修繕を行う際には、利用したGSTは費用になるのか、レベルアップの際のGSTは費用になるのか、はたまたレベルアップしたため資産性が上がるとして価値が増加したと考えるべきかなど、非常に複雑だ。

この税金にまつわる全ての内容においては、税務署や税理士に相談することをおすすめする。


■『STEPN』を運営するFINDSATOSHI LAB、22年1Qの利益は33億円
Find Satoshi Labは、オーストラリア・南オーストラリア州のアデレードを拠点としている。『STEPN』の開発には、身体を動かす機会が減少している現代人の健康問題やメンタルの改善にあったようだ。特にここ2年はコロナでそれがより加速してしまった傾向にある。そこで『STEPN』は、人々が家のドアを開けるために必要な最後の一押しにしたかったいう。そのためのインセンティブとして登場したのが、暗号資産やトークンの利用だったそうだ。

同社の発表によれば2022年の第1四半期の利益ははおよそ33億円だという。同社の売上は

・マーケットプレイスの手数料 2%

・マーケットプレイスのロイヤリティ 4%

・NFTスニーカーのミント手数料 6%

・スニーカーのレンタル手数料 8%(今後実装予定の機能)

となっており、ユーザーへの報酬の原資にもなっていると見られる

その歴史は非常に浅く

・2021年8月 アイディアを思いつく

・2021年10月 Solana Ignition Hackathonで4位入賞

・2021年12月 パブリックベータを開始

・2022年1月 Sequoia Capital、Folius Venturesらから500万ドル(632億円)の資金調達

・2022年4月 DAU(デイリーアクティブユーザー)20万人、1Qの利益33億円を達成。バイナンスからの出資と同社の暗号資産BNBへの対応、アシックスとのコラボ。Openseaでのアカウント公開

・2022年5月 DAU53万人を達成

と創業から1年も経っていない。2021年の8月のアイディアからその年の12月にベータ版を公開し、ベータ版リリースから3ヶ月で33億円モノ利益を上げている。

もちろんその成長速度ゆえの歪がないわけではない。4月上旬のアップデートでは様々な不具合が起こった。

例えば

・移動してもGSTが貯まらない

・ログインできない(こちらは不具合というより、アクセス集中の可能性がある)

・スニーカーの耐久値が著しく低下する

・エネルギーが減っている

その他、4月のある日にはSOLANAの遅延の影響か、購入したNFTスニーカーが届かないといったコメントも見られた。

既に修正は行っているものの、たまたまアップグレードでアカウント削除機能を追加したこともあり、大混乱が起こったのだ。あまりの問い合わせが多かったため一旦届いた内容を削除し、落ち着いたら再度連絡するようユーザーに求めるといったスクランブルも実施している。


■直感的でわかりやすいが、初期投資の高さ、暗号資産の価格の不安定さ、日本国内の税的な面の煩雑さは厳しい



日本での動きも活発で、4月に有志がTwitterのスペース上で行ったAMAではFind Sastoshi Labの設立者がYawn Rong氏が登場するなど国内の市場の影響力の高さが伺える状況だ。

同社によると今後は、バックグラウンドモード、マラソンモード、クエストシステム、スニーカーのレンタルシステム(貸し主とのレベニューシェア)などの機能を実装していくという。

Find Satoshi Labの運営の評判の良さ、イベントなどの施策やレベルアップ時の仕様変更などで調整に関しての肯定的な意見もまま見られる。

ただし先にも述べたように、日本の暗号資産にまつわる税金の計算の煩雑さは相当な難易度だ。またこれまでのWebのお作法とは大きく異なる。暗号資産のウォレット管理に関しては、せっかく稼いだ報酬が、送信アドレスの間違えで取り戻せないなんて可能性もある。

さらにだ。GSTも価格を維持できず二束三文になる可能性もある。最初に買ったスニーカーの原資さえ回収できず、さらに税金が加わるというのはゾッとする話だ。こちらも可能性で言えば0ではない。おまけに『STEPN』はiOSやAndroid上で動いている。プラットフォームに手数料が入る形で金銭が動いていないように見えるのだが、ある日規約が改定されブロックチェーンゲーム全体が禁止になったら?国内での法改正がされプレイできなくなったら?などの不安点もある。

初期投資額の高さ、ゲームの体験として楽しんだ程度に満足できる額が戻るのかなどは、天のみぞ知るというところだ。最近では類似アプリや『Aglet』という強力なライバルとして存在感を示し始めた。

『STEPN』自体は、洗練されたUIであり非常に直感的にプレイできるものの、そこにたどり着くまでの難易度の高さ、確定申告するケースや、Web3.0としてのお作法が既存のものと大きく異なり理解するまでの難易度が非常に高い。いわゆるX to Earn(Xして稼ぐ)アプリでは最も注目を集めていることは間違いない。筆者は実際に休日に外に出る頻度が圧倒的に増えている。

ただし高額な初期投資に見合う内容なのか、始めるにあたって日本の税制を考慮しているのかなど、全ては自己責任のもとプレイする必要がある。


■関連サイト

Find Satoshi Lab

会社情報

会社名
Find Satoshi Lab
企業データを見る