【セミナー】UU数・クエストプレイ回数をアップさせるためのイベント実装法。『モンスト』プランナーが企画立案・実装について実例を挙げ解説


2月22日、『モンスターストライク』(以下、モンスト)を運営するミクシィ主催のオンラインセミナーTHE METHOD#8『モンストのゲーム内イベント、どう生み出されている?』が行われた。

本セミナーは、プロダクトにおいて実践されている「ものづくりの方法論」の発信・共有を目的としている。第9回目となる本セミナーのテーマは、ゲーム内「イベント」の企画立案・実装について。

ゲームプランナーの大沼 純平氏が登壇し、リリースされたイベントがどのようなプロセスで誕生したのか、実例を交えながら説明が行われた。本稿では、セミナーの内容についてレポートをお届けしていく。

【登壇者紹介】大沼 純平
2018年に新卒でミクシィに入社し、入社以降現在まで一貫してモンストのゲームプランナーとして従事している。ゲームの運用業務から、ゲーム内の様々な機能の企画・開発ディレクション、コラボイベント内容や演出などの企画も経験。現在はゲーム内のイベントやコンテンツなど、「遊べるもの」を中心に企画を担当しており、モンストのゲームプランニングには幅広く携わっている。


約1か月~2か月おきの頻度でアップデートが実施される『モンスト』。大沼氏によると、企画立案はプランナーだけでなく、エンジニアやデザイナーなど他部署からもできる仕組みとなっており、アップデートごとに100以上の企画書が集まってくるという。

企画採用後は担当者とともに仕様決めを行い、キックオフにて開発に関わるエンジニアとデザイナー、QAに対して企画内容と仕様を説明。指示書の作成では、主にデザイナーが画面デザイン込みの仕様書を作成していく。

デザイナー作成の仕様書を元に、クライアントとサーバーエンジニアが開発をスタート。開発完了後は、動作確認とバグのチェックを行い、問題がなければリリースを行うという流れになっているとのことだ。



続いて、大沼氏より企画と仕様決めについて、『モンスト』の「決戦クエスト」の事例を交えての紹介が行われた。「決戦クエスト」とは、クリアするごとに特定の敵に対するダメージが増加し、攻略を有利に進めることができるというイベント。

決戦クエストの実装について大沼氏は、「ユーザーが新キャラクターを獲得するメリットが薄い」といった理由を挙げる。『モンスト』は8年以上続く長期運営ゲームであり、多くのキャラを既に所持しているユーザーが多い。そんなユーザーに対して新キャラクターを追加するとしても、よっぽど性能が高いキャラでなければ、好意的に受け取ってもらうことは難しいだろう。

実際のデータを見ても、クエストをプレイしてくれるユーザー数、プレイ回数は共に減少傾向にあったそうだ。そういった状況を打開するべく、大沼氏は「キャラ獲得以外でユーザーにクエストクリアまでのモチベーションを与えたい」という考えに至ったとのこと。




仕様決めの際には、①ゴールに到達するための方法を複数用意すること、②ゴールに到達するための方法を強制しないことを意識し、ユーザーがゲームをプレイする際にネガティブな印象を抱かせないようにしたという。




具体的には、「ユーザーが自分自身の選択によりゴールに到達できた」という感覚を与えるために、難易度を上げ過ぎないように調整を行ったとのこと。決戦クエストを実装した結果、プレイUU数と各クエストの1人当たりのプレイ回数が上昇。SNS等での評判も良く、施策として成功だったと大沼氏は振り返った。



UU数・プレイ回数を上昇させるために、新キャラクターを実装するだけでなく、ユーザーにクリアまでのモチベーションを与えるためのイベントを実装するというのは、長期運営ゲームならではのアプローチの仕方だろう。

また、単純に高難易度のクエストを実装せず、あくまでもプレイヤーに爽快感を与えるための施策を実施した方がUUやプレイ回数の上昇に繋がるというのも、特筆すべきポイントだ。

長期運営タイトルならではの企画・開発のディレクションについて、よく分かるセミナーとなった。


●質疑応答セミナー
後半では、大沼氏が視聴者からの質疑応答に対応する時間が設けられており、視聴者から数多くの質問が寄せられた。以下では、質疑応答の模様についてお伝えする。

──:ゲームプランナーの業務内容についてお聞かせください。

名前:ゲームプランナーとしての業務は、企画立案と運用業務の2軸があります。企画立案についてはセミナーで説明した通りで、運用業務ではクエストやバナーの発注、キャラクター設定、ガチャ運用など多岐に渡っています。例えばガチャ運用であれば、ピックアップするキャラクターを選んだり、出現率などのデータを設定していますね。

──:『モンスト』のような長期運用ゲームに新機能を追加するにあたって、気をつけている点はありますか。

大沼氏:新機能を追加することで、ゲームに本来備わっていた機能に悪影響を与えることが無いよう気を付けています。そのため、『モンスト』の仕様について、常に把握しておくように心掛けています。

──:クエスト中の難易度について、どのように調整されていますでしょうか。

大沼氏:基本的にはクエストの難易度についてはQEにチェックをして頂く体制になっています。ただし、今回セミナーにて紹介した「決戦クエスト」など、自分で企画したイベントについては、実際にプレイしながら確認を行うようにしています。

──:ゲームプランナーとして、普段から心掛けていることはありますか。

大沼氏:日常生活で何か楽しさを感じたときに、「それは何故楽しいと感じたのだろう」と構造を分析し、可能であればゲームに取り入れるようにしています。

──:ソーシャルゲームならではの企画立案時の苦労などありますか。

大沼氏:ユーザーの皆様に継続して遊んでいただくには、どのようなイベントを実装すれば良いのかを、常に考えるようにしています。イベントを実装する際には長期タイトルならではの難しさや苦労もありますが、そこにやりがいを感じつつ、日々開発に取り組んでおります。

株式会社ミクシィ
http://mixi.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ミクシィ
設立
1997年11月
代表者
代表取締役社長 木村 弘毅
決算期
3月
直近業績
売上高1180億9900万円、営業利益160億6900万円、経常利益170億2600万円、最終利益102億6200万円(2022年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2121
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