サイバーエージェント、第2四半期のメディア事業は売上高38%増の273億円、営業損失19億円と大幅増収・赤字縮小 広告と課金、周辺事業が成長 「W杯は最高の視聴体験を提供したい」
サイバーエージェント<4751>は、この日(4月27日)、第2四半期(22年1~3月)におけるメディア事業の業績は、売上高が前年同期比37.9%増の273億円、営業損失が19億円(前年同期は34億円の損失計上)と大幅増収・赤字幅縮小となった。広告と課金売上、周辺事業とバランスよく売上が伸びている。藤田晋社長は、「収益化局面に入っていないため、今後も先行投資を続けていく」と述べたが、利用者数、売上ともに着実の伸ばせていると評価した。
ABEMAのWAU(週次アクティブユーザー数)についても1100万人を安定して超えるなどコロナ禍で伸びた2020年の水準を維持した。「大きなイベントがあったわけではなかったが、高い水準を維持できている」(藤田晋社長)という。配信番組では、アニメ『鬼滅の刃 遊郭編』や、オリジナルドラマ『私たち結婚しました2』、宮城県・福島県の地震に関するニュース番組が多く視聴されたそうだ。
今後の取組として、昨年から生中継を行いABEMAの成長を支えた米国メジャーリーグベースボール(MLB)は今年も配信する。4月から開幕したが、昨シーズン比で1.7倍と好調な滑り出しとなっているという。また、那須川天心選手と武尊選手の格闘技界のドリームマッチをPPVで完全生中継を6月19日に行う。こちらは課金売上にプラスに働きそうだ。
各所で注目を集めたが、FIFAサッカーワールドカップの無料中継も行う。「サッカーワールドカップは世界一のコンテンツであり、ABEMAの知名度アップと飛躍につなげていきたい。中継の画質をBSを見るくらいの画質に引き上げるだけでなく、マルチアングル、見逃し配信、安定した視聴など最高の視聴体験を提供したい。ABEMAを見ていただいた方に素晴らしいものと理解してもらえるようにしたい」。
このほか、「Nintendo Switch」に続いて、「Amazon Fire TV」シリーズのリモコンにABEMAボタンの搭載も行った。リーチが増えることが期待される。藤田氏によると、現在発売されているほとんどのテレビのリモコンにABEMAのボタンが入っているとのことで、ABEMAの利用者拡大が期待されるところである。
なお、売上の中で特に伸びが目立っているのは公営ギャンブルのネット投票「WINTICKET(ウインチケット)」だ。ABEMAで競輪チャンネルを放送しており、連動して売上を伸ばしているという。競輪の市場規模が前年比1.3倍と大きく伸びるなか、「ウインチケット」はかなりの後発ながらもシェアを19%から31%に伸ばしている。藤田氏は、「ウインチケットのABEMAとの連動の相性の良さ、技術力と運用力が証明できたのではないか」と述べた。
会社情報
- 会社名
- 株式会社サイバーエージェント
- 設立
- 1998年3月
- 代表者
- 代表取締役 藤田 晋
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高7202億0700万円、営業利益245億5700万円、経常利益249億1500万円、最終利益53億3200万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 4751