【決算レポート】グリー、『ヘブバン』大ヒットで第3四半期は久々の売上200億円・営業利益30億円超え 広告宣伝強化など先行投資こなして大幅増益

木村英彦 編集長
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グリー<3632>の第3四半期(22年1月~22年3月)の連結決算は、売上高208億4700万円(前四半期比[QonQ]で6.9%増)、営業利益35億7800万円(同41.8%増)、経常利益42億7100万円(同55.5%増)、最終利益29億5200万円(同65.8%増)と大幅増益を達成した。久々に売上高200億円、営業利益30億円台突破となった。

新作『ヘブンバーンズレッド』がセールスランキング1位を複数回獲得するなど好調な立ち上がりで業績拡大に貢献した。中長期の収益貢献を向けて、追加で広告宣伝など大きな先行投資を行ったほか、オフィスの移転費用など一時費用が発生したものの、ガイダンスを上回る収益となったという。投資事業も安定的に貢献した。

・売上高:208億4700万円(同6.9%増)
・営業利益:35億7800万円(同41.8%増)
・経常利益:42億7100万円(同55.5%増)
・最終利益:29億5200万円(同65.8%増)

 

▲営業利益の増減分析。ゲーム事業の増収効果が営業利益に最も大きなインパクトを与えた。セールスミックスの変化でロイヤリティが減少した。


セグメント別の状況は以下の通り。


■インターネット・エンタメ事業
・売上高:200億8000万円(同4.9%増)
・営業利益:31億5000万円(同27.5%増)

ゲーム事業を中心とするインターネット・エンタメ事業は、増収増益となった。前四半期にリリースした『転生したらスライムだった件 魔王と竜の建国譚(まおりゅう)』が好調なスタートを見せたことで大きく売上を伸ばしたが、『ヘブンバーンズレッド』の大ヒットでさらに伸ばした格好となった。

『ヘブンバーンズレッド』は、2月10日よりリリースしたタイトルだが、App Storeセールスランキングで首位を獲得するなど、好調な立ち上がりを見せている。中長期収益最大化を目指すため、テレビCMや屋外広告プロモーションなどの先行投資も増やしたが、増収効果で吸収、大幅な増益を達成した。

 
■投資・インキュベーション事業
・売上高:7億7000万円(同108.1%増)
・営業利益:4億3000万円(同760.0%増)

四半期ごとに変動はあるものの安定的に利益貢献した、としている。運用総額は45億円増やして714億円になった。投資状況については、日米12件のVCファンド、CVCを通じて5件のスタートアップへの投資を行った。

 
■費用
目立って伸びたのは広告宣伝費で、8億8000万円増えて18億7000万円となった。これは前述のように『ヘブンバーンズレッド』の広告宣伝費を積極的に増やしたため。その他も5億1000万円増の41億2000万円となったが、これは主にオフィス移転に伴う費用が発生したとのこと。

他方では、『ヘブンバーンズレッド』が売上を伸ばす一方で、既存の他社IPタイトルの売上が低下したことに伴い、ロイヤリティなどの支払いが減少した。こちらは増益要因となったそうだ。

 
■第4四半期の見通し
2022年6月通期の業績見通しは非開示とした。ただ、第4四半期(2022年4月~6月)におけるインターネット・エンタメ事業の営業利益の見通しについては、20億円台中盤から後半となる見通しとした。第3四半期の36億円からは減益となる見通し。

同社では、『ヘブンバーンズレッド』がリリース初期の盛り上がりから落ち着くと想定しているためだ。スクウェア・エニックスと共同で『聖剣伝説 ECHOES of MANA』をリリースしたが、新作の状況次第では変動する可能性があると見ているという。

 

グリー株式会社
http://www.gree.co.jp/

会社情報

会社名
グリー株式会社
設立
2004年12月
代表者
代表取締役会長兼社長 田中 良和
決算期
6月
直近業績
売上高567億6600万円、営業利益53億7800万円、経常利益110億9800万円、最終利益135億2600万円(2021年6月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3632
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