
Aiming<3911>は、2025年12月期通期決算説明会を開催し、足元の業績動向と今後の成長戦略について説明した。大型タイトルの損失を経て進めてきた収益体質の立て直しは一定の成果を上げており、同社は「黒字を維持しながら再成長を目指すフェーズ」に入った。
■第4四半期は減収・小幅赤字
2025年12月期第4四半期(10~12月)の業績は、
・売上高:31億8600万円(前四半期比12.7%減)
・営業損失:1800万円(前四半期は2億5400万円の利益計上)
・経常損失:7400万円(同3億6800万円の利益計上)
・最終損失:8800万円(同3億4700万円の利益計上)
となった。



前四半期の『ドラゴンクエストタクト』の5周年イベントや『リリステ』1周年イベントなどの反動による減収が響いた格好だ。

営業損失1億6300万円、経常損失2億8700万円、最終損失2億7900万円とする業績予想を上回る着地となったが、外注費の抑制やプラットフォーム手数料の削減、アニメ出資配当などが寄与したとのこと。

なお、前年同期比では大きな減収に見えるが、前年のこの時期は『WIND BREAKER』関連の開発受託売上が一括計上されていた特殊要因があるそうだ。直前の第3四半期との比較では周年施策の反動減が影響した。
■現預金54億円、投資規模は「適正化」へ
2025年12月末時点の現預金は54.98億円。第4四半期には金融機関から1億円の借入も実行した。
かつては1プロジェクトあたり30~40億円規模の投資を行うケースもあったが、市場環境を踏まえ、現在はプロジェクト規模を適正化。無理に大型ヒットを狙うのではなく、利益を積み上げながら機会を待つ体制へと転換している。

■通期は営業黒字転換、立て直し完了を明確化
2025年12月期通期の業績は、
・売上高:158億2600万円(前の期比7.4%減)
・営業利益:20億7900万円(前の期は5億5200万円の損失)
・経常利益:14億1100万円(同1億5000万円の損失)
・最終利益:10億8600万円(同3億4100万円の損失)
と、営業・経常・最終いずれも黒字転換を果たした。

売上は減少したものの、プロジェクト規模の適正化、人件費・外注費の抑制、プラットフォーム手数料の改善などが寄与し、第3四半期まで4四半期連続で営業黒字を確保しており、通期でも黒字転換を達成。収益改善が鮮明となり、立て直しは完了したと評価できる。
■IP戦略は多様化、コンソール発IPにも展開
同社はこれまでアニメ製作委員会に出資し、その関連ゲームを展開するモデルに積極的に取り組んできた。『カゲマス』や『リリステ』などがその代表例である。その一方で、今回の質疑応答ではアニメ系新規プロジェクト「G」をパイプラインから削除したことが明らかになった。2年以上進捗がなかったことが理由で、今後の扱いは未定とする。
これはアニメIPへの出資・ゲーム化にあたって投資先をより慎重に選別する姿勢へとシフトしていることを示す。「現在は無理な投資で"当てにいく"のではなく、しっかりと継続的に利益を出しながら開発会社としてのチャンスを狙う方針に切り替えています」(椎葉社長)。リスク管理を強化しながらIP戦略を再構築している段階といえる。

その象徴がレベルファイブと協業する『イナズマイレブン クロス』だろう。クローズドβテストでは「サービス開始時にプレイしたい」との回答が85%を超えるなど、非常に高い評価を得た。近年の苦戦タイトルに共通していた「初動の新規ユーザー獲得不足」への懸念を払拭できる感触だという。アニメ起点のIP展開に加え、コンソールゲームIPのモバイル展開に本格的に取り組むことで、IP戦略は明らかに多様化している。

■主力タイトルは堅調、非ゲーム事業も育成
既存タイトルは以下の通り。
・『剣と魔法のログレス』:13年目に入り堅調推移
・『ドラゴンクエストタクト』:経年劣化を抑え想定を上回る運営成績
・『カゲマス』:3周年を迎え、映画化も控える
・『銀河英雄伝説 Die Neue Saga』:低コスト体制で安定


また、競輪ネット投票サービス「Betimo」はストック型で会員を積み上げるモデルを採用。後発サービスながら将来的な安定収益源として育成を進める。

■AI活用で開発効率向上へ
AI導入も本格化する。コード生成支援を中心に活用を進め、開発効率の向上を図る。最終品質は人材の経験とセンスが不可欠とし、AIと熟練スタッフの融合を目指す。
■26年1Qは黒字予想、成長再挑戦へ
2026年12月期第1四半期は前四半期比で黒字転換を見込んでいる。『ドラゴンクエストタクト』の5.5周年施策が寄与する見通しだ。
・売上高:34億0900万円(前四半期比7.0%増)
・営業利益:1億2900万円(前四半期は1800万円の損失計上)
・経常利益:5400万円(同7400万円の損失計上)
・最終利益:4200万円(同8800万円の損失計上)


Aimingは、守りを固めたうえで次の成長局面に踏み出そうとしている。2026年は『イナズマイレブン クロス』の成否が、その転換点となりそうだ。

会社情報
- 会社名
- 株式会社Aiming
- 設立
- 2011年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 椎葉 忠志
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高170億8600万円、営業損益5億5200万円の赤字、経常損益1億5000万円の赤字、最終損益3億4100万円の赤字(2024年12月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3911