【決算レポート】ドリコム、22年3月期は新作2本が想定届かず減収減益 今期は『ウィザードリィ』など3本投入で増収増益へ 出版やWeb3投資も積極化

木村英彦 編集長
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ドリコム<3793>の2022年3月通期の連結決算は、売上高105億2800万円(前の期比11.1%減)、営業利益15億9100万円(同22.5%減)、経常利益15億4100万円(同23.6%減)、最終利益8億0700万円(同50.3%減)と減収減益だった。業績予想を下方修正したように、下振れての着地となった。

・売上高:105億2800万円(同11.1%減)
・営業利益:15億9100万円(同22.5%減)
・経常利益:15億4100万円(同23.6%減)
・最終利益:8億0700万円(同50.3%減)


 

売上高については、運用中のタイトルは、競合タイトルとの厳しい戦いを強いられる中でも堅調な推移を維持した。また、当期にリリースした新規タイトルによる貢献があったが、複数タイトルのクローズによる影響を補うに至らなかったという。

なお、新作については、

・『新日本プロレスSTRONG SPIRITS』
・『ミコノート はれときどきけがれ』

を第4四半期中にリリースしたものの、「思ったほどうまくいかなかった」(内藤社長)と想定を下回ったことを明かした。第4四半期の運用中のタイトルの一覧も示し、新作2タイトルは赤字となっているという。

 

将来収益の再評価を行い、減損損失を行ったことで一時的な損失が発生したとのこと。新作は早期の黒字転換を想定している、とコメントした。そしてこの見通しを示してからわずか10日後に『ミコノート』サービス終了のアナウンスがあったのはなかなか衝撃的だった。

また、営業利益については、不採算タイトルのクローズによる利益改善があったが、新規タイトルリリースに伴う広告宣伝費、運用費の増加の影響もあって減少した。

 

なお、収益のかなりの部分は、ゲーム事業が締めている状況にあるが、BtoBや出版など新規事業を行うメディア事業が伸びているという。ファンコミュニティ促進サービス『Rooot』が順調に事業規模を拡大し、収益に貢献した。

また、IPプロデュース力の強化を目的とし、IPの開発・獲得、育成、収益化チャンネルの多様化に注力するため、出版・映像事業、Web3事業というゲーム以外のエンターテインメント領域での新規事業立ち上げを行った。

売上高については、『Rooot』が順調にサービスを拡大している。利益については、積極的に新規事業領域への投資を行っており費用先行が継続しているとのこと。来期以降は伸びることで、ゲーム事業の相対的な比率が下がる見通し。

 

セグメント別の業績は以下のとおり。


■ゲーム事業
・売上高:103億5800万円(同11.9%減)
・営業利益:18億7100万円(同22.6%減)


■メディア事業
・売上高:1億6900万円(同99.8%増)
・営業損失:2億8000万円(前の期は3億6400万円の損失)


■2023年3月期の業績見通し
2023年3月期の業績は、売上高130億円(前期比23.5%増)、営業利益20億円(同25.7%増)、経常利益19億円(同23.2%増)、最終利益12億円(同48.6%増)、EPS42.20円と増収増益を見込む。

・売上高:130億円(同23.5%増)
・営業利益:20億円(同25.7%増)
・経常利益:19億円(同23.2%増)
・最終利益:12億円(同48.6%増)
・EPS:42.20円

 

自社パブリッシングタイトルとして、『Wizardry VA(仮)』など3本をリリースする予定で、下期からの収益貢献を見込んでいるそうだ。他方、新作リリースに関連して広告宣伝費のほか、新規事業であるWeb3事業の研究開発費も増える見通し。全体としては費用増を増収効果で吸収して増益となる想定だ。Web3事業に関しては費用のみを想定している。

 

株式会社ドリコム
http://www.drecom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ドリコム
設立
2001年11月
代表者
代表取締役社長 内藤 裕紀
決算期
3月
直近業績
売上高97億7900万円、営業利益9億300万円、経常利益7億9300万円、最終利益1億400万円(2024年3月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3793
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