【決算レポート】マーベラス、22年3月期は家庭用ゲームと『ポケモンメザスタ』好調で増収増益 AM事業は独立したセグメントに「昇格」

マーベラス<7844>の2022年3月通期の連結決算は、売上高257億2800万円(前の期比0.8%増)、営業利益46億円(同4.2%増)、経常利益50億5400万円(同10.9%増)、最終利益38億1700万円(同16.9%増)だった。

・売上高:257億2800万円(同0.8%増)
・営業利益:46億円(同4.2%増)
・経常利益:50億5400万円(同10.9%増)
・最終利益:38億1700万円(同16.9%増)

 

ゲームソフトやアミューズメントゲームを展開するコンシューマ事業が引き続き伸びたことが主な要因。スマホゲームや舞台公演の苦戦をカバーした。

 
■オンライン事業
・売上高:62億2100万円(同17.0%減)
・営業利益:6億0100万円(同55.7%減)

既存の長期運営タイトルの売上が減少したほか、新規に投入した新作タイトルも期待に届かなかった。既存タイトルの『シノビマスター 閃乱カグラ NEW LINK』、『剣と魔法のログレス いにしえの女神』、『ブラウザ三国志』といった長期運営タイトルが経年や競争激化により売上が減少した。

また、新作タイトル『千銃士:Rhodoknight(ロードナイト)』は、期待値を大きく下回る結果となった。期末時点では、初期開発費の回収が困難であると判断し、ソフトウェア資産の一部評価減を実施したという。5月には、大きなプロモーションを実施し、ユーザー数拡大を図っていく。

 
■コンシューマ事業
・売上高:154億9000万円(同7.0%増)
・営業利益:50億9600万円(同22.6%増)

新作の『ルーンファクトリー5』や旧作ゲームソフトの販売が国内外で好調に推移したほか、アミューズメントの『ポケモンメザスタ』が非常に好調な売上を記録した。

タイトルの状況といたしましては、2021 年5月に日本国内で発売した『ルーンファクトリー5』の北米・欧州版を3月に発売し、3月末時点での世界累計出荷本数が 50 万本を突破いたしました。

アミューズメント事業では、2020年9月からサービスを開始したアミューズメントマシン『ポケモンメザスタ』が非常に好調な売上推移で、通年で大きく収益貢献した。

 
■音楽映像事業
・売上高:40億2000万円(同13.2%増)
・営業利益:5億0100万円(同7.2%減)

舞台公演が前期から引き続き、新型コロナの影響で一部公演が中止になるなど、苦しい状況が続いたものの、第4四半期に発売したアニメのパッケージ商品の販売が好調で、第4四半期は収益の改善が見られた。

音楽映像制作部門では、テレビアニメ「プリキュア」の新シリーズ『『デリシャスパーティ♡プリキュア』』が2月6日に放送開始となったほか、『トロピカル~ジュ!プリキュア感謝祭』を2月19日と20日に開催した。

また、パッケージ商品では、TV アニメ『吸血鬼すぐ死ぬ』全3巻を1月から3月に発売したほか、「遊☆戯☆王」25周年を記念して製作した『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ ミレニアムシーンズ』を3月に発売し、好調なセールスとなった。

ステージ部門では、新規タイトル「歌劇『桜蘭高校ホスト部』」や人気シリーズ「ミュージカル『新テニスの王子様』の最新作の公演を行った。

 
■2023年3月期の業績予想
2023年3月期の業績予想は非開示。引き続き新型コロナの収束が見えない中、事業への影響度において不透明な部分も多く、現時点では開示することができない、としている。開示が可能になった段階で、速やかに公表する予定だ。

同時に事業セグメント区分を再編し、オンラインゲームと家庭用ゲームソフトを統合するとともに、アミューズメントゲームを独立したセグメントに昇格することを明らかにした。アミューズメントゲームは、これまでコンシューマ事業の一部門だった。

 
■アミューズメントゲームを独立したセグメントに昇格
タカラトミーアーツと共同展開している『ポケモンメザスタ』が「非常に好調な売上を記録」とするなど業績にインパクトを与えている。20年9月より稼働を開始したが、21年12月に累計プレイ回数1億回を突破した。

『ポケモンメザスタ』については、2023年3月期に入っても好調を持続しているそうだ。4月21日より新弾「スーパータッグ5弾」を稼動開始しており、ユーザーからも好評だという。

このほか、新コンセプトによる小型プライズマシン『TRYDECK(トライデッキ)』を、2021年11月より全国のアミューズメント施設にて順次稼働開始したとのこと。

また、海外での事業展開も行っており、その主力は『ポケモンガオーレ』だ。同社によると、新型コロナウイルスの感染者数が拡大している一部の稼動地域において、影響が出ているものの、収束後の見据えて、今後も海外展開を継続したい、としている。

 
■デジタルコンテンツ事業
完全新作のゾンビサバイバル・アクションゲーム『DEADCRAFT(デッドクラフト)』をこの5月にマルチプラットフォームで全世界同時配信を予定している。同じく完全新作となるジュブナイル RPG『LOOP8(ループエイト)』を2022年の発売予定としている。

さらに、2021年に Nintendo Switch 向けに発売した『牧場物語オリーブタウンと希望の大地』のPlayStation4版を7月に発売する予定だ。

オンラインゲームでは、「閃乱カグラ」シリーズ等を展開する「HONEY PARADE GAMES」ブランドより、新規オリジナル IP のスマートフォン向けゲームアプリを2022年度に配信開始する予定で鋭意開発を進めている。

 
■音楽映像制作部門
TV アニメ『遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!』が4月3日より、TV アニメ『アオアシ』が4月9日より放送開始となった。5月からはアニメ『刀剣乱舞-花丸-』シリーズの最新作「特『刀剣乱舞-花丸-』~雪月華~」を3部作連続で劇場公開予定となっている。

ステージ部門では、「舞台『刀剣乱舞』」の新作公演を3月19日から5月15日までの予定で公演中であり、また、「ミュージカル『薄桜鬼真改』」の新作公演を4月22日から5月5日まで公演を行った。今後も「ミュージカル『テニスの王子様』」や「舞台『弱虫ペダル』」、『ワールドトリガー the Stage』といった人気タイトルの新作公演を予定している。

 

株式会社マーベラス
https://www.marv.jp/

会社情報

会社名
株式会社マーベラス
設立
1997年6月
代表者
代表取締役社長 執行役員 兼 デジタルコンテンツ事業本部長 佐藤 澄宣
決算期
3月
直近業績
売上高294億9300万円、営業利益24億1500万円、経常利益30億200万円、最終損益5億1700万円の赤字(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7844
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