大日本印刷(DNP)<7912>は、この日(6月7日)、実空間と仮想空間を組み合わせて没入感の高い体験価値を提供するスタートアップ企業のアルファコードと資本業務提携を5月に行ったことを明らかにした。双方の出資の有無などについては一切開示されていない。協業を進めることで、DNPのXR(Extended Reality)コミュニケーションや決済・EC、企業の販促支援等の事業において、アルファコードの有する映像配信やバーチャル空間開発の技術を活用して、リアルとバーチャルとの連動したさまざまなサービスを提供する、としている。
DNPは、リアルとバーチャルの双方の空間の行き来を可能にすることで、新しい体験と経済圏を創出する「XRコミュニケーション事業」を推進している。自治体や企業とのコラボレーションを進めて、展示会やイベントの開催、店舗の設置・運営、コンテンツ作品の展示・販売などを、リアルと連動したバーチャル空間で展開している。また、セキュアな環境で個人の認証やカード発行、企業の販促活動との連動などをトータルで行う「決済ソリューション」、ECサイトの構築から配送・在庫管理まで一貫して行う「EC支援サービス」、本物のような商品の質感や空間の雰囲気を体験できる「DNPバーチャルエクスペリエンス」など、各種ソリューションを開発・提供している。
一方、アルファコードは、3次元の実写映像をリアルタイム配信できるプラットフォーム「Blinky(ブリンキー)」を提供している。このプラットフォームは、複数のカメラで撮影した画像の中から利用者が好きな視点を選べるマルチアングル機能、ライブコマースに対応したEC連携機能など、豊富な機能を備えている。また、専門家ではなくとも、比較的低コストで容易にバーチャル空間を構築できる開発用システムを提供している。
両社は今回の資本業務提携を通じて、DNPが展開するXRコミュニケーション事業や決済・EC等のソリューションと、アルファコードの実写映像配信やバーチャル空間構築の技術を掛け合わせ、展示会・購買・観光・エンタメなどの幅広い用途で最適なサービスを共同開発していく。リアルとバーチャルとの連動によって、体験価値を高めていくビジネスの創出に取り組んでいく。