ドワンゴ、コメント表示機能に関する特許権訴訟でFC2の特許侵害を認める判決

ドワンゴは、この日(7月29日)、同社の保有するコメント表示機能に関する特許権に基づいて、FC2とホームページシステムを共同被告として提起した特許権侵害訴訟の控訴審において、2022年7月20日、知的財産高等裁判所が、FC2等による特許権侵害を認める判決を下したことを明らかにした。

【本判決の概要】
■判決のあった裁判所および年月日
【裁判所】知的財産高等裁判所
【判決日】2022年7月20日

■判決の概要
本判決は、同社の請求を棄却した原審の判断を変更し、コメント機能付き動画配信サービスである「FC2動画」、「ひまわり動画」(旧「FC2ひまわり動画」)「SayMove!」(旧「FC2SayMove!」)(以下「本件各サービス」)に関し、

①FC2等に対する連帯での1億円の損害賠償請求(一部請求)
②FC2等に対する「FC2動画」におけるコメント表示用プログラムの譲渡等の差止請求
③FC2等に対する本件各サービスにおけるコメント表示用プログラム
の抹消請求を認容した。

■訴訟の経緯
同社は、FC2等に対し、コメント機能付き動画配信サービスである本件各サービスにおいて、同社の保有するコメント表示機能に関する特許権が侵害されていることを理由として、各サービスにおけるコメント表示用プログラムの譲渡、生産、使用等の差止め及び損害賠償等を求めて、2016年11月15日に東京地方裁判所に提訴していた。

東京地方裁判所(原審)は、2018年9月19日、原判決において同社の請求をいずれも棄却したため、同社は、控訴を提起し、同社の請求の正当性を主張してきた。今回、知的財産高等裁判所は本判決において、原判決を変更し、同社の前述の各請求を認めた。

本判決は、本件各プログラムが日本国外のサーバから配信されていることを前提としつつも、数多くの有用なネットワーク関連発明が存在する現在のデジタル社会において、サーバ等の一部の設備を国外に移転するなどして容易に特許権侵害の責任を免れることを許容するのは著しく正義に反するとした。

その上で、本判決は、特許発明の実施行為につき、形式的にはその全ての要素が日本国の領域内で完結するものでないとしても、実質的かつ全体的にみて、それが日本国の領域内で行われたと評価し得るものであれば、日本の特許権の効力を及ぼし得ると判断した。

本判決は、以上を踏まえて、本件におけるFC2動画等のサービスの実態その他の諸般の事情を考慮して、本件各プログラムの配信は日本国内における特許権侵害に当たると判断したものであり、国外のサーバを利用して行われる特許権侵害行為に関して画期的な判断を下したものであると考えているという。

同社は、コメント表示機能に関する特許権を含む同社の知的財産権を同社の重要な資産であると捉えており、今後も知的財産権の侵害行為に対して毅然とした対応を行っていく、とした。

株式会社ドワンゴ
https://dwango.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ドワンゴ
設立
1997年8月
代表者
代表取締役社長 夏野 剛
決算期
9月
企業データを見る
株式会社KADOKAWA
http://www.kadokawa.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社KADOKAWA
設立
1954年4月
代表者
代表執行役社長CEO 夏野 剛/代表執行役CHRO兼CLMO 山下 直久
決算期
3月
直近業績
売上高2581億900万円、営業利益184億5400万円、経常利益202億3600万円、最終利益113億8400万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9468
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