【決算レポート】KLab、第3四半期(7~9月)は最終利益で2年ぶりの四半期黒字に 「ヒロアカ」タイトルとゲーム系IPタイトルが新作パイプラインに追加

柴田正之 編集部記者
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KLab<3656>の2022年12月期の第3四半期(7~9月)決算は、『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS』(『スクスタ』)の運営を他社に移管して運営タイトル数が減少した影響などにより、大幅な減収となった。

なお、経常利益と最終利益が黒字となっているのは、為替差益の計上によるもので、最終利益の黒字化は2020年12月期の第3四半期(7~9月)以来、2年ぶりとなる。

売上高41億5300万円(前年同期比34.8%減)
営業損益1億2300万円の赤字(前年同期1億1300万円の黒字)
経常利益8300万円(同3100万円の赤字)
最終利益3500万円(同6100万円の赤字)

運営タイトルの動向を見ると、『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』(『スクフェス』)は、売上トレンドが前年と同様のペースとなっており、安定的に推移した。また、『BLEACH Brave Souls』(『ブレソル』)は、7月に実施した周年キャンペーンが好調に推移した。

『キャプテン翼~たたかえドリームチーム~』(『キャプテン翼』)は、第2四半期に周年イベントがあった反動減もあり、引き続き軟調な推移となった。『うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live』(『シャニライ』)は、8月に周年イベントを実施したものの、第2四半期に実施した「サンリオキャラクターズ」とのコラボからの反動減が大きかった。

海外売上高については、前年同期比では『スクスタ』と『テイルズ オブ クレストリア』の寄与分がなくなったため、前年同期比では減少しているものの、『ブレソル』の海外売上高が伸長し、前四半期比では伸長した。

なお、この四半期は売上高の海外比率が50%に達する形となった。

新作のパイプラインを見てみると、新規開発が前四半期の2本から4本に増加し、運営型カジュアルゲームが2本、支援モデルは1本となった。新規開発は、Electronic Artsとの共同開発タイトルとなるスポーツシミュレーションゲームと、Aiming<3911>が配信担当に変更となったPCおよびモバイル向けに開発中の「ダンまち」を題材としたタイトルの2本がこれまでに開示されていたものとなっている。

そこに今回、僕のヒーローアカデミア製作委員会より、TVアニメ「僕のヒーローアカデミア」シリーズの中国大陸を除く全世界での新作オンラインゲーム化権を取得したタイトルと、大手ゲーム企業とともに開発中のゲーム系IPの新作タイトルの2本がこれまでのプロジェクト化見通しから進行中ステータスに加わった形となる。

また、運営型カジュアルゲームの2本は今回新たに開示されたものとなる。支援モデルについては、アニメ「天元突破グレンラガン」のタイトルと、東方Projectの国内向けタイトルがリリースされたことで、現在は「ジョジョの奇妙な冒険 黄金讃歌」を題材としたタイトルのみが進行中となっている。

子会社BLOCKSMITH&Co.が手掛けるブロックチェーンゲームは、2本が開発進行中となっている。うち1本は、Thirdverseグループとともに開発した第一作目のブロックチェーンゲーム『キャプテン翼 - RIVALS -』で、2022年内のワールドワイドローンチを予定している。

なお、2022年12月期通期の予想は引き続き非開示。合理的な業績予想の算出が困難であるため、としている。今後の進捗を踏まえ、算定が可能になった場合は速やかに開示する方針だ。

また、2024年度を最終年度とした中期経営計画については、変動要素が複数発生したため、数値目標を含めた見直しに着手しているという。

KLab株式会社
http://www.klab.com/jp/

会社情報

会社名
KLab株式会社
設立
2000年8月
代表者
代表取締役社長CEO 森田 英克/代表取締役副会長 五十嵐 洋介
決算期
12月
直近業績
売上高107億1700万円、営業損益11億2700万円の赤字、経常損益7億6100万円の赤字、最終損益17億2800万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3656
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