hotarubiは、書籍のアニメーション制作の時間とコストを大幅削減できるシステムとして「うごく漫画」のサービス提供を開始すると発表した。Ai技術を活用することで、より多くの漫画をスピーディに且つ低コストで「うごく化」することができる、としている。
▼制作手法
漫画原稿をベースとし、背景、キャラクター、セリフの吹き出しなどを同社独自のAiシステムにより、第一工程としてパーツ毎に切り抜くことで書き加えが必要になる描画を自動的に補完した形で分割を行う。
第二工程としてそのパーツに動きや声などのアクションを半自動的に加えてアニメーション動画にすることで、従来のアニメーション制作期間とコストを大幅に抑える。
この第二工程を完全自動化ではなく、「うごく化」における要所毎にノウハウを持つ専任スタッフが調整を加えることで従来以上のクオリティを実現するとのこと。
この手法により、従来の制作手法ではコスト的理由で「うごく化」が難しかった多くの作品や、原画のタッチを活かしたい作品なども、容易に「うごく化」することが可能となる。
▼うごく漫画システムの特徴
1.独自Aiシステム(特許出願中)による大幅なコストカット
従来の制作工程における背景・キャラ・吹き出しなどの分割作業で発生する労働集約的な人的作業をAiシステムにより自動で実行する。
また、従来工程と分割した後に発生する書き加えが必要となる部分の自動補完も同時に行う。
その他必要に応じ、キャラクターの性格を加味した抑揚のつく自動音声機能や吹き出しのセリフを多言語に翻訳対応する機能なども備えている。
この仕組みにより、1話(20ページ)あたりの制作期間は従来と160時間程度のところ、本システムを使うことで16時間程度となり、従来比(同社比)10分の1程度に低減することが可能となっている。
2.半自動化(Ai+人)による高クオリティの担保
全ての漫画には同じジャンルであっても1作品1作品に個性がある。同社の「うごく漫画」は全工程をあえて完全自動化ではなく、要所を専任スタッフが行う半自動化とすることで各作品の個性を最大限引き出すクオリティを実現する。
▼今後の展望
現在の漫画業界では、web toonとしてのデジタル展開が主流となっておりデジタル技術を活用した縦スクロール化や多言語化などの展開が加速している。hotarubiは「うごく漫画」により静止画としてのweb toonとは別の漫画の新たなデジタルアプローチを出版社、漫画プラットフォーマーと協業し実現していく。またコミックだけでなく図鑑や歴史漫画、さらには絵本などの知育教育分野への普及も同時に進めたいと考えているそうだ。
会社情報
- 会社名
- 株式会社hotarubi
- 設立
- 2014年4月
- 代表者
- 代表取締役 太田 匡都史