2022年の国内玩具市場は6.7%増の9525億円と過去最高 ポケモンやワンピ、遊戯王などTCGけん引 ガチャも合わせて初の1兆円規模に

 

日本玩具協会は、2022年度の日本国内における玩具市場について、上代価格(希望小売価格)ベースで前年比6.7%増の9525億円だった。カプセル玩具も合わせると初の1兆円超えとなる。玩具市場規模は、2021年度に現在の形で調査を始めた2001年度以来過去最高を記録したが、2022年度はその記録をさらに更新した。また、玩具の中核を占める10分野でも、2022年度は6348億円で、前年度比9.4%増と、こちらも過去最高を更新した。

 

2022年度で特に伸び率の大きかった商品分野は、(1)カードゲーム ・ トレーディングカード32.2%増、(2)ハイテク系トレンドトイ16.3%増、(3)ぬいぐるみ13.1%増、(4)ホビー8.8%増、(5)のりもの玩具4.8%増だった。

また中分類において、特に売上金額で伸びが大きかったのは、(1)プラモデル、(2)乗用、(3)フィギュア、(4)ミニカー、(5)ブロック、(6)鉄道模型、(7)サマー トイ・サマーグッズだった。

2022年度の玩具売り上げが過去最高を更新した最大の要因は、ここ数年にわたって市場拡大が著しいカードゲーム・トレーディングカードが前年よりさらに572億円伸ばして2349億円市場になったことと、ガンプラが牽引するプラモデル、並びにフィギュア、鉄道模型の好調によりホビー市場がさらに伸びたことによるもの。

伸び率では、立体パズル、コレクショントイ、木製玩具などの伸長も目立った。

 

なお、日本玩具協会では、この調査とは切り離してカプセル玩具の市場規模も別途調査しているが、2022年度のカプセル玩具市場は前年度比35.6%増の610億円で、これを合わせると日本国内の玩具市場規模は初めて1兆円を超えた。

ロングセラーブランドの2世代化、3世代化が進んでいることもあって、玩具の大人市場はより広がっており、少子化のなかでも玩具市場はさらなる拡大が可能であると考えている。

主要10分野とは、市場全体からベビーカー・チャイルドシート・三輪車などの乗用関連と、雑貨、ホビーを除いたものだ。

 

◎2022年度の商品動向

2022年度の玩具市場規模が、調査開始以来、過去最高を更新した最大の要因は、前年度比32.2%増、金額にして572億円伸ばしたカードゲーム・トレーディングカードの躍進。

特に「ポケモンカードゲーム」は、レアカードの高額取引が度々話題になることもあって、前年度に続いて2022年度も大きく伸びた。

また、新規参入の「ONE PIECEカードゲーム」が好調な滑り出しを見せており、この分が丸々上乗せになっている他、来年に発売25周年を迎える「遊戯王OCG」の売り上げも良好だった。

また、ハイテク系トレンドトイの伸びは、新“触感"液晶トイの「ぷにるんず ぷにぷらす」や、「Tamagotchi Smart」などのヒットによるものだ。

ぬいぐるみはポケットモンスター、スーパーマリオ、ジブリなどのキャラクターのぬいぐるみが好調だったことで売り上げを伸ばし、のりもの玩具は新シリーズの「トミカヒーローズ ジョブレイバー」が加わったトミカが好調だったことなどによるものだ。

ホビーは新作アニメ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」が加わったガンプラが牽引するプラモデル、並びにKATOが好調だった鉄道模型、さらに「ONE PIECE」や「初音ミク」、「アズールレーン」などのキャラクターに加え中国メーカーのブランドが人気を集めたフィギュアと、いずれも売り上げを伸ばした。

乗用が前年より伸びたのは、コロナ禍で落ち込んでいたベビーカーの需要が回復したことなどによるもので、ブロックは突出した伸びを見せたブランドはなかったものの主要各ブランドとも前年を上回った。

サマートイ・サマーグッズは猛暑が続いたことや、海水浴客がコロナ前の水準に戻った海岸も多かったことが大きなプラス要因となった。

この他、立体パズルではここ数年好調が続くルービックキューブが、コレクショントイでは大人の客層の拡大も顕著なシルバニアファミリーが市場を牽引し、木製玩具では書店などのルートでの販売が好調だった。