コナミグループ、第1四半期の決算は事業利益22%増の171億円と増益達成 主力のゲーム事業の採算改善、カジノ関連拡大 スポーツとアミューズメントも復調
コナミグループ<9766>は、本日8月3日、2024年3月期 第1四半期(23年4月~23年6月)の連結決算(IFRS)を発表し、売上高726億3300万円(前年同期比1.0%増)、事業利益171億6100万円(同21.7%増)、営業利益171億5100万円(同22.2%増)、最終利益133億7500万円(同17.0%増)と増収増益だった。
・売上高:726億3300万円(同1.0%増)
・事業利益:171億6100万円(同21.7%増)
・営業利益:171億5100万円(同22.2%増)
・最終利益:133億7500万円(同17.0%増)
※事業利益は、国内会計基準の営業利益に近い概念。
主にデジタルエンタテインメント事業の主力コンテンツの利益率が改善したことやゲーミング&システム事業の業績が堅調に推移したことなどにより増収増益となった。売上高については、円安の影響もあり、第1四半期における過去最高を更新した。
■デジタルエンタテインメント事業
第1四半期累計の売上高は481億3000万円(同5.3%減)、事業利益は151億100万円(同13.0%増)となった。
「パワフルプロ野球」シリーズでは、およそ9年ぶりのモバイル野球タイトルとなる新作「パワフルプロ野球 栄冠ナイン クロスロード」を発表した。モバイル版配信後に家庭用ゲームでの配信も予定しており、シリーズとして初めてクロスプラットフォームで楽しめる。
「メタルギア」シリーズでは、2004年に発売され、シリーズの中で最も愛されている作品のひとつであり“スネーク"の原点「メタルギア ソリッド3スネークイーター」のストーリーやキャラクター、ゲームデザインを忠実に再現し、現代の最新グラフィックに進化させた「メタルギア ソリッド デルタ: スネークイーター」を制作中であることを発表し、大きな反響があった。加えて、シリーズ35周年の軌跡となるコレクション第1弾「メタルギア ソリッド: マスターコレクション Vol.1」の発売を決定し、予約を開始した。
国民的ボードゲームシリーズ「桃太郎電鉄」の最新作「桃太郎電鉄ワールド ~地球は希望でまわってる!~」については、2023年11月に発売予定であることを発表し、各店舗でパッケージ版の予約を順次開始している。
継続した取り組みとしては、「プロ野球スピリッツA(エース)」では、「2023 World Baseball Classic」以降も様々な施策を展開し、多くのユーザーに楽しまれている。また、「eFootball2023」では、モバイル版の配信開始6周年を記念したキャンペーンを実施し、引き続き好調な推移となった。さらに、カードゲームでは、遊戯王カードゲーム25周年記念プロジェクトを展開しており、記念グッズの製作やキャンペーンを実施するなど、盛り上げを図っている。
eスポーツでは、国際オリンピック委員会(IOC)主催の「オリンピックeスポーツシリーズ2023」の競技タイトルである「WBSC eBASEBALLパワフルプロ野球」の決勝大会がシンガポールで開催され、白熱した戦いが繰り広げられた。また、欧州プロサッカークラブと契約するeスポーツプロ選手による「eFootball Championship Pro2023」は3年ぶりのオフライン開催が実現し、欧州ビッグクラブの頂点を決める決勝戦が行われた。
■アミューズメント事業
売上高は34億400万円(同16.2%増)、事業利益は1億9300万円(同81.9%増)となった。
メダルゲームにおいては、市場での高稼働を受け、前期に発売したメダルプッシャーゲーム「桃太郎電鉄 ~メダルゲームも定番!~」の追加受注を得ている。アミューズメント施設向けビデオゲームでは、「サウンドボルテックス エクシードギア」と人気アニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」のコラボイベントを開催するなど、様々な施策を行った。
また、プロ麻雀リーグ「Mリーグ2022-23シーズン」において、アーケードゲーム「麻雀格闘倶楽部」の商品名をチーム名に冠した「KONAMI麻雀格闘倶楽部」が、2018年のリーグ創設以降最高となる2位となり、これに関連した施策を展開することでユーザー層の拡大に努めた。さらに、PCやスマートフォンで遊べるオンラインプライズゲーム「コナプラ KONAMI ONLINE PRIZE GAME」のサービスを開始した。コナプラでしか入手できないKONAMIオリジナルアイテムを景品として獲得できることなどから好評を得ている。
eスポーツでは、音楽とeスポーツを融合させたプロリーグ「BEMANI PRO LEAGUE -SEASON 2-」において、新たな競技タイトルである「DanceDanceRevolution」の初代王者を決める熱い戦いが繰り広げられた。また、「BEMANI PRO LEAGUE -SEASON 3-」において、「beatmania IIDX」のドラフト会議が実施され、32名の選手が決定した。
■ゲーミング&システム事業
売上高は99億9700万円(同29.9%増)、事業利益は19億7100万円(同139.5%増)となった。
スロットマシンでは、北米市場、豪州市場において、複数の賞を受賞している「DIMENSION」シリーズの展開を進めている。スロットマシン販売においては、「DIMENSION49」が市場で高稼働を維持している。また、パーティシペーション(レベニューシェア)では、75インチの湾曲したモニターが特徴の「DIMENSION75C」を継続して展開している。
ゲーミングコンテンツでは、「All Aboard」が引き続き業界トップクラスの稼働を記録している。また、モニターに映し出したアニメーションをタッチパネルで操作できる「Ocean Spin」や色とりどりのドラゴンによる演出を楽しむことができる「Dragon's Law」などのタイトルも市場から高評価を得ているほか、1台の筐体で複数のタイトルからユーザーが好きなコンテンツを選ぶことができる「SeleXion」も市場への展開が拡大している。
カジノマネジメントシステムでは、キャッシュレスカジノを実現する「Money Klip(」など、多彩な機能を充実させることにより、ユーザーから好評を得ている。
■スポーツ事業
売上高は116億9700万円(同6.5%増)、事業利益は7億2300万円(同61.3%増)だった。
スポーツクラブ運営では、引き続き、施設利用とオンラインレッスンの両方のサービスを充実させることで、より多くのユーザーへ運動機会を提供した。また、施設内で運動前や運動後にいつでも手軽にプロテインなどの飲料を摂取できるサプリメントサーバーの設置を開始するなど、会員への健康づくりのサポートを向上させる取り組みを推進した。
こども向け運動スクール「運動塾」では、スポーツを通して体の成長を促するため、スイミング、体操、ダンスなど子供に合った様々な種目を展開しており、新たに渋谷、武蔵小杉(神奈川県川崎市)、たまプラーザ、希望が丘(神奈川県横浜市)、本山南(兵庫県神戸市)の5施設でスイミングスクールを開講した。また、映像とAIを活用して練習効果を向上させる「運動塾デジタルノート」と、コナミスポーツクラブインストラクターの指導技術との相乗効果により、より楽しく学び続けられるスイミングスクールの展開を推進した。
天井にミラーを設置したピラティススタジオ「Pilates Mirror(ピラティスミラー)」は、4月に「Pilates Mirror 中目黒」、「Pilates Mirror 学芸大学」、6月に「Pilates Mirror 溝の口」、「Pilates Mirror 宮崎台」(神奈川県川崎市)をオープンした。「Pilates Mirror」は入会待ちになる施設があるなど好評だ。
資産を持たない形でネットワークを拡大するビジネス形態である受託事業では、これまで培った運営・指導のノウハウや実績を活かして事業を推進しており、新たに青森県つがる市、埼玉県さいたま市、千葉県旭市、東京都豊島区、岐阜県岐阜市のスポーツ施設の業務受託運営を開始した。
学校水泳授業の受託では、学校側のニーズがより高まっており、日本全国で多くの小中学校に水泳指導業務を提供し、好評を得ている。
■2024年3月期の業績見通し
続く2024年3月期の業績は、売上高3280億円(前期比4.4%増)、事業利益630億円(同11.3%増)、営業利益600億円(同29.9%増)、最終利益410億円(同17.5%増)、EPS302.45円を見込む。従来予想から変更はなし。
・売上高:3280億円(同4.4%増)
・事業利益:630億円(同11.3%増)
・営業利益:600億円(同29.9%増)
・最終利益:410億円(同17.5%増)
・EPS:302.45円
計画に対する進捗率は、売上高22.1%、事業利益27.2%、営業利益28.6%、最終利益32.6%となっている。
・売上高:22.1%
・事業利益:27.2%
・営業利益:28.6%
・最終利益:32.6%
会社情報
- 会社名
- コナミグループ株式会社
- 設立
- 1973年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 上月 景正/代表取締役社長 東尾 公彦
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3603億1400万円、営業利益802億6200万円、最終利益591億7100万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム(ロンドン証券取引所にも上場)
- 証券コード
- 9766