【決算レポート】ガンホー、第2四半期(4~6月)は子会社Gravityの「Ragnarok」関連タイトルの好調で売上高62%増、営業益49%増に 海外売上比率は約70%に拡大

柴田正之 編集部記者
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ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>の2023年12月期の第2四半期(4~6月)の連結決算は、子会社Gravityの展開する「Ragnarok」関連タイトルの好調な推移が業績をけん引し、大幅な増収増益を達成した。

売上高369億4800万円(前年同期比62.9%増)
営業利益85億8000万円(同49.6%増)
経常利益93億500万円(同43.3%増)
最終利益50億2500万円(同30.1%増)

■QonQでも2ケタ超の大幅な増収を達成

前回2023年12月期の第1四半期(1~3月)の連結決算を振り返ってみると、『パズル&ドラゴンズ』(以下『パズドラ』)をはじめとする既存タイトルの安定した推移に加え、子会社Gravityの展開する「Ragnarok」関連タイトルの配信地域拡大で、増収増益を達成していた。

第2四半期は、Gravityが4月に東南アジアでリリースした『Ragnarok Origin』の貢献が大きく、四半期推移(QonQ)でも2ケタ超の大幅な増収を達成した。

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■『パズドラ』は周年の反動減で例年通りの傾向

主力の『パズドラ』は、新モンスターの追加などアップデートを実施したほか、様々なオリジナルイベント・コラボイベントを開催したものの、2月に11周年の特別イベントを実施した反動もあって売上高がQonQで減少した。ただ、この周年の反動は例年通りの傾向でもある。

また、6月25日に配信3周年を迎えたNintendo Switch向け対戦ニンジャガムアクションゲーム『ニンジャラ』は、記念大会を全世界同時開催するなどグローバルでの展開に注力した。

なお、新作パイプラインは5本と前四半期と同じだった。これはスマートフォン向けと家庭用ゲーム機向けを合算した数字となっており、現時点ではその内訳などは非開示となっている。ただ、追加の記載で“グローバル配信”を前提としたタイトルとしており、大型のタイトルが開発されている公算が高そうだ。

■子会社Gravityの躍進が業績のけん引役に 海外売上比率は約70%に到達

子会社Gravityの業績の躍進が、この第2四半期は大きく目を引くものとなっている。Gravityは、4月に東南アジアでリリースした『Ragnarok Origin』の貢献もあって、売上収益が前年同期比147.5%増の260億円、営業利益が同138.3%増の57億円となった。

なお、前述の『ニンジャラ』のグローバルでの展開も相まって、ガンホーの海外売上比率は約70%に到達した。2016年には10%台だったことを踏まえると、その収益構造は様変わりしている状況だ。

Gravityの下半期(7~12月)の新作動向は、9月にアクションRPGモバイルゲーム『Ragnarok 20 Heroes』を韓国でリリース予定であるほか、第4四半期(10~12月)に韓国で『Ragnarok Begins』、中南米などで『Ragnarok Origin』のサービスを開始する予定だ。引き続き業績を伸ばしてくるのか、その動向が大いに注目される。

■通期予想は引き続き非開示

なお、2023年12月期通期の連結業績見通しは引き続き非開示。同社はコンテンツ関連の新規性の高い事業を展開しており、短期的な事業環境の変化が激しいことなどから、業績の見通しについては適正かつ合理的な数値の算出が困難であるため、としている。

ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
http://www.gungho.co.jp/

会社情報

会社名
ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
設立
1998年7月
代表者
代表取締役社長CEO 森下 一喜
決算期
12月
直近業績
売上高1253億1500万円、営業利益278億8000万円、経常利益293億800万円、最終利益164億3300万円(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3765
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