【決算レポート】ガンホー、第1四半期(1~3月)は2四半期連続の売上高300億円超に 子会社Gravityの「Ragnarok」関連タイトルの配信エリア拡大が寄与

柴田正之 編集部記者
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ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>の2023年12月期の第1四半期(1~3月)の連結決算は、『パズル&ドラゴンズ』(以下『パズドラ』)をはじめとする既存タイトルの安定した推移に加え、子会社Gravityの展開する「Ragnarok」関連タイトルの配信地域拡大で、増収増益を達成した。

売上高307億2200万円(前年同期比28.3%増)
営業利益84億8300万円(同13.2%増)
経常利益88億2800万円(同11.6%増)
最終利益51億5000万円(同6.8%増)
EPS(1株当たり利益)83.78円(前年同期76.17円)

■2四半期連続の売上高300億円台乗せに

前回2022年12月期の第4四半期(10~12月)の連結決算を振り返ってみると、Gravityの展開する「Ragnarok」関連タイトルのグローバル配信による増収が業績をけん引し、四半期ベースの連結売上高は8四半期ぶりに300億円台に乗せていた。

この第1四半期もQonQでは減収となっているものの、2四半期連続の売上高300億円台乗せを示現したことになる。

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■主力の『パズドラ』は安定した推移に

主力の『パズドラ』は、2月に11周年の特別イベントを実施したほか、ガンダムコラボなど新たなコラボイベントも実施した。なお、第1四半期のMAU(月次アクティブユーザー数)は、ほぼ横ばいの安定した推移となっている。

順調な推移となっているのは、Nintendo Switch向け対戦ニンジャガムアクションゲーム『ニンジャラ』だ。コラボレーションイベントやオンライン大会の実施、テレビアニメの放送、幅広いクロスメディア展開に引き続き取り組み、2月14日には世界累計1000万ダウンロードを突破した。

■新作パイプラインは5本と変化なし

新作パイプラインは5本となっており、前四半期から変化がなかった。なお、これはスマートフォン向けと家庭用ゲーム機向けを合算した数字となっており、現時点ではその内訳や、どのようなタイトルが予定されているのかは非開示となっている。

■東南アジアで『Ragnarok Origin』が好発進

子会社Gravityの展開する「Ragnarok」関連タイトルは、『Ragnarok X』を1月に韓国でモバイル向けにサービス開始した。なお、4月6日には『Ragnarok Origin』の東南アジア地域での配信を開始しており、こちらは足元で非常に好調に推移しているという。次の第2四半期(4~6月)には、この東南アジア地域での『Ragnarok Origin』の展開が収益に大きく貢献してくることが予想される。

さらに『Ragnarok: The Lost Memories』を5月に台湾・香港・マカオで配信開始予定であるなど、アジア地域での配信を積極的に進めていくことが当面の戦略となっているようだ。

■通期予想は引き続き非開示

なお、2023年12月期通期の連結業績見通しは引き続き非開示。同社はコンテンツ関連の新規性の高い事業を展開しており、短期的な事業環境の変化が激しいことなどから、業績の見通しについては適正かつ合理的な数値の算出が困難であるため、としている

ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
http://www.gungho.co.jp/

会社情報

会社名
ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
設立
1998年7月
代表者
代表取締役社長CEO 森下 一喜
決算期
12月
直近業績
売上高1253億1500万円、営業利益278億8000万円、経常利益293億800万円、最終利益164億3300万円(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3765
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