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トーセ<4728>は、10月12日、2023年8月期の連結決算を発表、ゲームソフト関連において大型の開発案件を中心に複数の開発を進めたことで増収を確保した。
一方、利益面については、前々期に着手し開発が本格化していた案件の中止や、受注を想定していた案件の見直しの影響で一時期稼働の低下が発生したものの、開発業務の採算改善に取り組んだ効果もあり、増益での着地となった。
売上高57億8300万円(前々期比2.1%増)
営業利益4億8800万円(同4.0%増)
経常利益5億3100万円(同5.0%増)
最終利益4億9900万円(同61.0%増)各セグメントごとの状況は以下のとおり。
①デジタルエンタテインメント事業 売上高54億1900万円(前々期比2.3%増)、営業利益4億2300万円(同9.3%増)
ゲームソフト関連については、12月1日に顧客より発売が予定されている『ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅』の開発や、VRゲーム機向けのソフト開発など、複数の大型開発案件が進行した。ほかにも、開発品質が高く評価されたことで対価が増額され、収益及び利益の増加に大きく貢献するケースも発生した。一方で、開発が本格化していた海外顧客向けの大型案件が期中に中止となり、次の案件への切り替えに想定以上に時間を要したため、下期以降、一時的に一部の職種の稼働が低下する事態となったが、上期での増収が寄与し、売上高は前々期比7.1%増となった。
モバイルコンテンツ関連のうち、継続して取り組んでいる運営業務は、有名IPとコラボした商材や新規商材を投入したり、周年イベントを開催したりするなど、戦略的な運営により堅調に推移した。国内のスマートフォンゲーム市場は競争が激しく、新規コンテンツを投入して成功させることが非常に難しい状況が継続しているが、既存のゲームユーザーとは異なる層を対象とするような新規性のある企画などで、新規コンテンツの開発案件も複数進行した。しかし、前々期に中止となった開発案件の規模が大きく、その反動減をカバーするには及ばなかったことで、売上高は同5.3%減となった。
②その他事業 売上高3億6300万円(同0.5%減)、営業利益6400万円(同21.2%減)
家庭用カラオケ楽曲配信事業は、コロナ禍の巣ごもり需要で前々期まで大きく売上を伸ばしてきたが、外出機会が増加したことなどから売上高は前々期比微減となった。微減ではあるものの、Nintendo Switch本体のシェアの伸長や、“家庭でカラオケを楽しむ”ことの定着により、コロナ禍前に比べると、売上高は高い水準となっている。SI事業では、前々期に社内の業務システムの開発に割いていたリソースを戻し、社外からの案件に振り向けていたが、当初想定していた案件の受注が一部遅れたことが影響し、売上高は前々期を下回った。
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■今期は増収・営業増益を見込む
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2024年8月期通期の連結業績予想は、以下のとおり。
なお、最終利益が減益の予想となっているのは、前期に投資有価証券の売却益1億4700万円を特別利益として計上しているためとなる。
売上高60億円(前期比3.8%増)
営業利益5億5000万円(同12.6%増)
経常利益5億5400万円(同4.3%増)
最終利益3億7000万円(同25.9%減)
会社情報
- 会社名
- 株式会社トーセ
- 設立
- 1979年11月
- 代表者
- 代表取締役会長 齋藤 茂/代表取締役社長 渡辺 康人
- 決算期
- 8月
- 直近業績
- 売上高46億1500万円、営業損益5億2200万円の赤字、経常損益5億100万円の赤字、最終損益2億6000万円の赤字(2024年8月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 4728