デジタルハーツHD、第2四半期(4~9月)決算は売上高6%増、営業益46%減に 海外子会社の粗利率悪化や子会社AGESTのスピンオフ上場準備の一時的費用発生で減益に
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デジタルハーツホールディングス<7860>は、11月9日、2024年3月期の第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表、成長市場での積極投資で売上を伸ばしたものの、海外子会社の粗利率の悪化や子会社AGESTのスピンオフ上場準備の一時的費用が発生したことで利益率が低下した。
なお、最終損益が赤字となっているのは、コロナ禍以降の回復が遅れていた米国テスト子会社の体制・事業計画を見直したことで減損を計上したことも影響している。
売上高186億6900万円(前年同期比6.3%増)
営業利益7億2900万円(同46.8%減)
経常利益7億9200万円(同47.8%減)
最終損益4億3600万円の赤字(前年同期9億4500万円の黒字)各セグメントごとの状況は以下のとおり。
①エンタープライズ事業 売上高94億2900万円(前年同期比23.8%増)、セグメント利益3500万円(同66.5%減)
中核子会社であるAGESTを中心に、“テック”ブランドを活かした積極的なエンジニア採用活動を継続したほか、AGESTの認知度向上に向けたプロモーション活動などを推進した。また、開発の最終工程におけるテストの実施だけではなく、開発の上流工程から品質を支える“シフトレフト”に対応した高付加価値型ソリューション“QA for Development”の確立に向け、コード解析やコードリスクアセスメントなどのサービスの拡充に努めた。また、海外子会社におけるガバナンス体制の強化やAGESTを中心とするグループ連携促進に向けた取り組みも進めた。具体的には、海外における事業拡大や収益性改善に向け、LOGIGEAR CORPORATIONをはじめとする海外子会社のマネジメント体制を刷新したほか、ベトナムのエンジニアリソースを日本市場向けに活用するオフショア開発やテストなどのサービス強化に向けた体制を構築した。
さらに、AGESTのスピンオフ上場に向け、AGEST独自の本社機能の構築や本社移転、グループ組織再編等の準備を進めた。
②エンターテインメント事業 売上高92億9900万円(同7.2%減)、セグメント利益16億1800万円(同26.2%減)
国内デバッグサービスでは、前期絶好調だったコンソールゲーム向けデバッグの反動があるなか、顧客企業における最適なQCD(Quality/ Cost/ Delivery)を実現する独自の品質管理メソッドであるDHQ(Digital Hearts Quality)を推進しサービスの付加価値向上に努めることで、圧倒的シェアの維持・拡大に努めた。また、物価高騰等を背景に、2023年4月よりテスターの時給引き上げを実施するなど、従業員満足度の向上および優秀な人材の確保に努めた。一方、グローバルおよびその他のサービスでは、中国ゲーム市場の先行きが依然として不透明な部分が残るなか、グループ連携を強化することで、ゲームの翻訳・LQA等の新規案件を着実に獲得した。さらに、スペインのゲームローカライゼーション企業であるLocalsoftと戦略的業務提携契約を締結し、欧州や中東を含むグローバル市場でのサービスを強化したほか、AI自動翻訳に強みを持つ株式会社ロゼッタとエンターテインメントコンテンツ向けAI翻訳エンジンの共同開発を開始するなど、新規市場や新領域における事業拡大に向けた取り組みを推進した。
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■通期業績予想を下方修正
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2024年3月期通期の業績予想については、期初の業績予想を下方修正しており、以下のとおり。
売上高407億5000万円→400億円(増減率1.8%減、前期比9.5%増)
営業利益31億2000万円→25億円(同19.9%減、同16.7%減)
経常利益31億6000万円→25億6000万円(同19.0%減、同18.8%減)
最終利益21億円→5億5000万円(同73.8%減、同31.2%減)売上高は、エンターテインメント事業において、前期好調だった国内ゲーム市場の反動や中国ゲーム市場でのコロナや規制等の影響を受けたことに加え、エンタープライズ事業においても、海外子会社におけるコロナ禍以降の新規案件獲得が遅れたことにより、期初計画をやや下回る見込みとなった。
また、利益面については、両事業の売上高未達の影響のほか、ゲーム業界向け翻訳・LQA、マーケティング支援といったグローバル事業強化に伴う先行投資のコスト増による上期における営業利益・経常利益への影響に加え、LGUSをはじめとする子会社ののれんなどの減損損失を第2四半期に特別損失として計上したことにより、最終利益も期初計画を下回る見込みとなった。
会社情報
- 会社名
- 株式会社デジタルハーツホールディングス
- 設立
- 2013年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 宮澤 栄一/代表取締役社長CEO 筑紫 敏矢
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高365億1700万円、営業利益30億円、経常利益31億5200万円、最終利益7億9900万円(2023年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3676