【決算まとめ②】ゲーム関連企業37社の2023年7~9月の営業赤字企業数は前四半期比1社減の10社に アエリアが赤字転落 先行投資でgumiの赤字幅が拡大
主要モバイルゲーム企業の2023年7~9月期の決算を引き続き振り返ってみたい。今回は、この四半期の営業赤字計上企業についてを取り上げたい。
この四半期に営業赤字を計上した企業は、データ集計対象の37社中、10社となった。10社まで減少したのは2021年10~12月期以来となる。前四半期から黒字転換を果たした企業は2社、赤字転落した企業が1社となっており、9社が前四半期から赤字を継続する状況となっている。
黒字転換を果たしたのはアカツキ<3932>とサイバーエージェント<4751>のゲーム事業だ。ともに前四半期は新作リリース直前の投資先行のタイミングだったこともあり、V字形に近い利益回復の動きとなっている。なお、アカツキは『レスレリアーナのアトリエ ~忘れられた錬金術と極夜の解放者~』(配信はコーエーテクモゲームス)、サイバーエージェントは『FINAL FANTASY VII EVER CRISIS』(配信はスクウェア・エニックス)と『呪術廻戦 ファントムパレード』が直近のリリースタイトルとなり、ともに次の四半期もその業績寄与が大いに期待される。
一方、赤字転落となったのはアエリア<3758>だ。アエリアは、既存コンテンツの売上の減少と新規コンテンツの開発費の増加でコンテンツ事業が落ち込む形になっている。子会社リベル・エンタテインメント、サイバードの両社ともに女性向けゲームコンテンツに強みを持っているが、女性向けゲームコンテンツ市場全体が大型タイトルの終了などが続く環境となっているだけにやや苦しい状況にあると言えそうだ。
赤字幅の拡大で懸念されるのはgumi<3903>だろう。新作『アスタータタリクス』とブロックチェーンゲームへの先行投資が膨らんでいる形だが、その新作『アスタータタリクス』はリリース後に期待に届いていない状況となっている。2024年初旬のリリースに向けて事前登録を開始したブロックチェーンゲーム『ファントム オブ キル -オルタナティブ・イミテーション-』が浮上のきっかけとなるのか、その動向が今後の注目のポイントとなってきそうだ。
会社情報
- 会社名
- 株式会社gumi
- 設立
- 2007年6月
- 代表者
- 川本 寛之
- 決算期
- 4月
- 直近業績
- 売上高120億6600万、営業損益50億4000万円の赤字、経常損益45億1400万円の赤字、最終損益59億3400万円の赤字(2024年4月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3903
会社情報
- 会社名
- 株式会社アエリア
- 設立
- 2002年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 長嶋 貴之/代表取締役社長 小林 祐介
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高226億7100万円、営業利益4億7300万円、経常利益7億5200万円、最終利益4億8000万円(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3758
会社情報
- 会社名
- 株式会社サイバーエージェント
- 設立
- 1998年3月
- 代表者
- 代表取締役 藤田 晋
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高7202億0700万円、営業利益245億5700万円、経常利益249億1500万円、最終利益53億3200万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 4751
会社情報
- 会社名
- 株式会社アカツキ
- 設立
- 2010年6月
- 代表者
- 代表取締役CEO 香田 哲朗
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高239億7200万円、営業利益26億7600万円、経常利益28億3400万円、最終利益12億8800万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3932