KaKa Creation、1億6000万円の資金調達…AIやゲームエンジンを活用した高品質AIアニメ制作事業・プロデュース事業を始動
KaKa Creationは、「AIの力で、創造する人に力を。もっと、世界をつなぐクリエイションを。」というミッションの元、Partners Fundなどより1億6000万円の資金調達を完了し、様々なAI やゲームエンジン「Unreal Engine」を駆使したアニメ制作・アニメ制作プロデュース事業を本格始動することを明らかにした。
同社では、同社独自のAIアニメーション構築フローの開発も行いながら、縦型アニメを中心とした様々なアニメコンテンツを世界に向けて展開していく。第一弾として、AIを本格的に導入したアニメTikToker「ひなひま」をリリースした。
■事業内容(一部)
・AIアニメ制作事業
アニメコンテンツに関する各工程に対して、様々なAI ツールを駆使したアニメ制作事業を展開している。主に、TikTokやYouTube Short などのプラットフォームを中心に縦型ショートアニメの制作を行っている。
プロジェクト第一弾として、アニメTikToker「ひなひま」をリリースした。キャラクターデザインは「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」などのキャラクターデザインを担当した横田拓己氏が担当。
Netflix作品やテレビアニメシリーズ携わるプロデューサーやCGアニメーターなどで構成したアニメーションチームによって、キャラクター開発から機械学習モデル開発まで同社独自で行い、高いクオリティのアニメを作ることを目指し、人的制作とAI機能活用の新しいワークフローの確立を行いながら、権利的にもクリーンな体制で高品質なアニメーション制作を実現した。
現在、その他にも多数のプロジェクトが進行しており、グローバルマーケットに対して高品質なアニメーションを持続可能性をもって供給していく。
【アニメTikToker「ひなひま」プロジェクトについて】
・TikTok:
https://www.tiktok.com/@hinahimaa
・YouTube:
https://www.youtube.com/@hinahimaaa
・X:
https://twitter.com/hinahimaa
アニメTiktoker「ひなひま」では、主にCGソフトとAIソフトの2つを使用してアニメ制作を行っている。今回、3DアニメをStable Diffusionでセルアニメに変換するというアイディアをベースにした同社独自のワークフローを構築したという。
現状のStable Diffusionの仕様ではそれ単体でのアニメ制作は現実性に乏しかったため、そのサブツールとしてCGソフトを採用している。具体的には、Autodesk社のMayaと、Epic Games社のゲームエンジン・Unreal Engine5などを駆使して作成したCG映像を、AIがアニメ生成をする際の参照元データと設定し、最終的にStable Diffusionでアニメを制作している。
■KaKa Creationが構築した独自のワークフローのポイント
1.生成AIを活用した動画コンテンツにおける最大の問題である「チラツキ」を、CGソフトを活用することで大幅に削減
現状世の中に出ているAIの動画コンテンツは、いずれもフレームごとの一貫性のなさから生じる「チラツキ」が大きな障壁となり、エンタメとして楽しむには厳しいクオリティとなっていた。そこで同社は、AIアニメを作成する際のベースとしてCGキャラクターによる映像を作成し、アニメを生成する際にそのベースとなるCGキャラクターの動きをフレームごとに参照させることで「チラツキ」を大幅に軽減させることに成功した。これにより、誰でも楽しめるアニメコンテンツのクオリティに到達できたとしている。
2.アニメ制作現場がまだ上手く導入できていないゲームエンジンを、AIを活用することでアニメの制作ワークフローの中に取り入れることに部分的に成功
ゲームエンジンは、自動シミュレーションやライティングといった魅力的な機能を持ちつつも、オブジェクトが別のオブジェクトに貫通する「めりこみ」が多発するといった問題点などにより、アニメの制作現場では導入することが難しい状況が続いている。通常、「めりこみ」が発生してしまった場合は、手作業によってその「めりこみ」を回避させなくてはならない。しかしAIによる補正機能を活用し「めりこみ」問題を解消することで、アニメのワークフローに最新のゲームエンジン Unreal Engine5を導入することに成功した。
これにより、大量の「めりこみ」修正作業を回避しつつ、ゲームエンジンが持っている強みである自動シミュレーション機能をアニメに取り入れることが可能となった。そのため同社の制作したアニメでは、髪の毛やスカートといった揺れもののリッチな表現が楽しめるようになっているという。
3.Stable Diffusion内で使用できる、特定のキャラクターを記憶させる学習モデル「LoRA」を独自開発
通常のLoRAモデルの開発では、学習データの数の限界などもあり、クオリティに限界があった。しかし今回作成したLoRAモデルは、描き下ろしの手描きイラストに加えて、CGモデルのレンダリング画像を使用するという方法を導入することで、500枚以上の学習データセットを用意することができ、非常に高い精度のLoRAモデルを開発することに成功した。これにより、生成AI文脈で問題視される著作権についても、自社開発したキャラクターの再現性を限りなく高めることに成功したため、権利的にもクリーンな制作体制を構築することに成功したとのこと。
■投資家よりコメント
・Partners Fund 代表パートナー 山田優大氏
この度KaKa Creationの設立と竹原さんの描くクリエイティブの未来を一緒に実現するために参画させていただきました。
私自身、父は映画プロデューサー、祖父は脚本家とずっとクリエイティブ家系で生まれ育ち、いずれスタジオジブリのような日本を代表する会社を作りたいとずっと思っていました。そしてAI時代における制作会社として、クリエイティブとエンジニアリングを尊重しつつ、ビジネスとのバランスをしっかり成立させられる起業家が求められると思っていました。
そんな中、知人の紹介で竹原さんとお会いし、将来の構想と事業プランを共に語り合う中で「この人だ」と確信を持ち、創業投資をさせていただきました。
AIを表現の可能性を広げる「サポートツール」と捉え、進化していく未来のものづくりのあり方を一緒に探求していきたいと思います。
・KaKa Creation代表取締役CEO 竹原康友氏
この度は弊社にご興味を持っていただいて有難うございます。
2003年にサイバーエージェントに入社。入社後20年間、広告営業の経験を経て、ソーシャルゲームのプロデューサー、動画事業の立ち上げ運用、アニメグッズ・フィギュア事業の立ち上げ運用など様々なコンテンツ事業の経験をさせて頂きました。
その経験の中でコンテンツを創り上げることの難しさといま存在する問題点、そして最も重要な「コンテンツに携わることの楽しさ」を学ばせていただき、コンテンツに携わることで頂いた沢山の恩を、この会社を通して少しでもエンターテイメント業界に返していきたいと思い、様々な思いで株式会社KaKa Creationを立ち上げました。
日本が持つコンテンツを生み出す素晴らしい力が、もっと世界で輝きを放つように。「人間の創造力」と「AIの可能性」を掛け合わせ、まだこの世にない感動を人の手で創り、世界を代表する企業を目指してまいります。今後のKaKa Creationにご期待ください。
■会社概要
・会社名:KaKa Creation
・代表者名:竹原康友
・所在地:〒153-0042東京都目黒区青葉台3丁目18-3THE WORKS414
・設立:2023年6月5日
・事業概要:AIを活用したアニメ制作事業 / コンテンツサービス開発事業
・企業サイト
https://kakacreation.co.jp/
会社情報
- 会社名
- 株式会社KaKa Creation
- 設立
- 2023年6月
- 代表者
- 竹原康友
- 直近業績
- 事業概要:AIを活用したアニメ制作事業 / コンテンツサービス開発事業
- 上場区分
- 未上場