【決算レポ】MIXI、「モンスト」派生アプリ撤退によるコスト削減で第3四半期は24%の営業増益を達成 千葉ジェッツやFC東京、競輪関連も成長、収益貢献

MIXI<2121>の2025年3月期 第3四半期(24年10月~12月)の連結決算は、売上高が415億3200万円(前年同期比で0.7%増)、営業利益が82億8200万円(同24.3%増)、経常利益が77億1900万円(同74.8%増)、最終利益が51億8900万円(同114.7%増)と増収・増益となった。

・売上高:415億3200万円(同0.7%増)
・営業利益:82億8200万円(同24.3%増)
・経常利益:77億1900万円(同74.8%増)
・最終利益:51億8900万円(同114.7%増)

 

売上高については、『モンスターストライク(モンスト)』を展開するデジタルエンターテインメント事業(デジタルエンタメ事業)とライフスタイル事業が減収となったものの、スポーツ事業と投資事業が増収し、全体としては横ばいとなった。

利益面では、デジタルエンタメ中心に全事業のEBITDAが増益となったことで営業増益となった。経常利益と最終利益については、前年同期に計上された持分法適用会社ののれんの減損や事業撤退損失に相当するものがなかったため大きく伸びた。

 

セグメントで伸びたのはスポーツ事業だ。千葉ジェッツのチケット収入やTIPSTARの車券販売の伸びに「LaLa arena TOKYO-BAY」の収益が加わり、売上高は20.8%増の101億5700万円だった。EBITDAも3億9500万円と前年1600万円の赤字から黒字転換した。

   

▲B1リーグの通算⼊場者数が100万⼈を突破した。FC東京は、昨シーズン、ホームゲーム最多来場者数を5年ぶりに更新した。

 

全体で最も大きな収益を占めるデジタルエンタメ事業は、『モンスト』の減収に伴い5.1%の減収となったものの、EBITDAは14.0%の123億0300万円と増益だった。増益要因は、前年同期に展開していた事業からの撤退にによるコスト削減によるものだった。

 

同社は、撤退した事業とは、前期2024年3月期においては、『モンスト』IPを使ったシリーズタイトルとして『タワーオブスカイ』や『ミステリーレコード』など複数展開して「モンスト経済圏」の構築を目指していたが、期待通りの成果は上がらず、事業撤退となった。今期はこのコストに相当するものがなかった(関連記事)。

 

この事業の中心である『モンスト』の収益については社内計画を上回ったという。10周年施策を行った前年同期に比べてアクティブユーザーは減ったが、「ガンダム」シリーズや「五等分の花嫁」などIPコラボが好調に推移し、ARPU(客単価)は上昇した。

 

このほか、ライフスタイル事業は、売上高が3.1%減の59億4200万円だったが、EBITDAは34.9%増の10億0800万円と伸びた。年賀状サービスが苦戦したことで減収となったが、年賀状関連のコスト抑制と収益性の高い注力商材の増収で増益となった。

 

決算発表と同時に、25年3月通期の業績予想を以下のように上方修正を行った。

・売上高:1530億円(前回予想1470億円)
・営業利益:265億円(同185億円)
・経常利益:255億円(同175億円)
・最終利益:175億円(同120億円)
・EPS:252.65円(同170.67円)

【従来予想からの修正率】
・売上高:4.0%増
・営業利益:43.2%増
・経常利益:45.7%増
・最終利益:45.8%増

【前年実績との比較】
・売上高:4.1%増
・営業利益:12.7%増
・経常利益:32.9%増
・最終利益:11.6%増

 

スポーツ事業で各事業が期初予想を上回って軒並み好調だったことに加え、投資事業でタイミー株式の売却益を計上した、としている。デジタルエンタメ事業で想定以上のコスト効率化が進んだことも利益を押し上げた。

株式会社MIXI
https://mixi.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社MIXI
設立
1997年11月
代表者
代表取締役社長 木村 弘毅
決算期
3月
直近業績
売上高1548億4700万円、営業利益266億円、経常利益265億1100万円、最終利益176億100万円(2025年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2121
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