AbemaTV、23年9月期決算はW杯関連費用で営業損失161億円と前年113億円から赤字拡大　1278億円の債務超過　周辺事業込では黒字化も視野に

AbemaTVの2023年9月期(第9期)の決算は、売上高449億1400万円(前の期比23.0%増)、営業損失161億1500万円(前の期は113億1700万円)、経常損失166億0700万円(同116億6800万円)、最終損失167億6600万円(同118億3200万円)だった。また、貸借対照表を見ると、1278億8600万円の債務超過となっている。

・売上高:449億1400万円(同23.0%増)
・営業損失:161億1500万円(同113億1700万円)
・経常損失:166億0700万円(同116億6800万円)
・最終損失:167億6600万円(同118億3200万円)

同社は、サイバーエージェント<4751>とテレビ朝日の合弁会社で、インターネットテレビ局「ABEMA」を運営している。引き続き番組制作を中心に先行投資を行った。

2022年の決算説明会で藤田晋社長が「損失改善フェーズに入った」とコメントしたにもかかわらず、赤字が拡大したが、主にサッカーW杯関連の一時費用がかさんだため。一時費用は外部に発表できないため、どの程度の規模だったのかは不明だが、この影響を除くと収益は改善しているそうだ。

気になるのは、AbemaTVの黒字化の時期だが、今年11月に掲載された決算説明会において、藤田社長は「もう少し先になりそう」と述べていた。ただ広告収入やWinTicketなど周辺事業の拡大、そして買収した子会社の貢献などで、メディア事業としての黒字化が視野に入ってきたともコメントしている。実際、2023年7～9月の決算では、メディア事業の赤字幅は6000万円まで減っており、四半期ベースで初の黒字化を期待させる状況となっている。