タカラトミー、第3四半期決算は営業益32%増の172億円 「トミカ」や「BEYBLADE X」、ガチャ、AMゲーム好調 キデイランドもインバウンドで活況
タカラトミー<7867>は、2月6日、2024年3月期 第3四半期累計(23年4月~23年12月)の連結決算を発表し、売上高1602億5100万円(前年同期比7.7%増)、営業利益172億6700万円(同32.3%増)、経常利益165億7900万円(同36.3%増)、最終利益90億3600万円(同11.1%増)だった。
・売上高:1602億5100万円(同7.7%増)
・営業利益:172億6700万円(同32.3%増)
・経常利益:165億7900万円(同36.3%増)
・最終利益:90億3600万円(同11.1%増)
■売上高
子どもだけでなく大人に対しても魅力ある商品の企画開発と販売強化に取り組んでおり、「トミカ」では大人にも人気のある「トミカプレミアム」「ドリームトミカ」が好調に推移した。また、7月には第4世代となる「BEYBLADE X(ベイブレードエックス)」を発売し、10月からはテレビアニメがスタートしたこともあり人気が拡大した。
デジタル事業においては、カードゲームアプリ「デュエル・マスターズ プレイス」や10月に発売したロンがちゃグセラー盤ゲーム「人生ゲーム」のNintendo Switch専用ソフトが好評を博した。
小売事業キデイランドでは、インバウンドの影響やキャラクター玩具の販売が伸長するとともに、タカラトミーアーツが展開するガチャ及びアミューズメントマシンの人気により売上が増加した。
また、中国においては、前期第1四半期に行われていたロックダウンの反動もあり販売が復調するとともに、北米ではTOMY Internationalのベビー用品の販売が好調に推移した。
■利益面
売上高の増加及び輸送費の落ち着き等による原価率の改善から売上総利益が伸長するとともに、販売費及び一般管理費における物流費の減少等から、営業利益は172億6700万円(前年同期比32.3%増)、経常利益については165億7900万円(前年同期比36.3%増)となった。
また、同社連結子会社であるFat Brain Holdingsに係る減損損失等を特別損失として計上したこともあり、最終利益については90億3600万円(前年同期比11.1%増)となった。
■地域セグメント別の業績
地域セグメント別の状況は以下のとおり。売上と利益で日本が大半を占めている。
■日本
子どもだけでなく大人に対しても魅力ある商品の企画開発と販売強化に取り組んでおり、「トミカ」では幅広いターゲット層に人気のあるコンテンツを取り入れた「ドリームトミカ」シリーズに加え、「トミカプレミアム」シリーズが好調に推移した。
「プラレール」においても、これまでの子ども向けの商品に加え、大人向けに「プラレール リアルクラス」の展開を6月にスタートさせるなど、年齢軸の拡大に努めた。
現代版ベーゴマ「ベイブレード」の第4世代となる「BEYBLADE X」では、7月に玩具シリーズを発売し、子どもだけでなく大人からも注目を集めた。また、10月からはテレビアニメの放送を開始するとともに、世界的メタバースプラットフォーム「Roblox」に公式メタバースワールド『BEYBLADE PARK』をオープンするなど、デジタル連動を図った。「トランスフォーマー」においては、新作映画公開に伴い関連玩具を新たに発売したものの、厳しい海外玩具市場の影響等から輸出が期待値には届かなかった。
テレビ・WebでのIP展開としては、今期発売10周年を迎えた動物フィギュア「アニア」において、4月よりテレビアニメ『冒険大陸 アニアキングダム』の放送を開始した。また、「トミカ」「プラレール」「アニア」から生まれたアニメ『ゴー!ゴー!びーくるずー』ではタカラトミー公式YouTubeチャンネルに加えて、4月からテレビ放送をスタートさせた。
さらに、「トランスフォーマー」においては、2022年秋に全米で放送したテレビアニメ『トランスフォーマー アーススパーク』の放送を10月より始めるなど、IPの積極展開に取り組んだ。
イベント事業においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から開催を中止していた「トミカ博」「プラレール博」など各種イベントをゴールデンウィークより再開し好評を博した。また、小売事業キデイランドでは、訪日外国人観光客を含めた人流の大幅な回復の影響やキャラクター玩具の販売が伸長した。
タカラトミーアーツが展開するガチャ事業では、大型ガチャ売場の設置拡大とヒットコンテンツを使った大人向け商品の拡大等により売上が引き続き伸長した。アミューズメントマシンでは「ポケモンメザスタ」の人気が継続した。
デジタル事業においては、カードゲームアプリ「デュエル・マスターズ プレイス」が人気キャラクターとのコラボ等によりビジネスを拡大させるとともに、10月にはロングセラー盤ゲーム「人生ゲーム」のNintendo Switch専用ソフトを発売し好評を博すなど、自社IPのデジタル展開を進めた。
■アジア
「トミカ」や「ポケモン」関連商品等が好調に推移したことに加え、タカラトミーアーツのアミューズメントマシン「ポケモンガオーレ」の好調が継続した。また、中国においては、前期第1四半期に行われていたロックダウンの反動もあり販売が復調した。
さらに、香港・台湾では「BEYBLADE X」の販売を日本と同時期の7月にスタートさせるとともに、11月以降に韓国・中国等アジア地域において販売を拡大させた。
一方で、生産子会社であるTOMY(Hong Kong)Ltd.における欧米向け出荷が減少したことが響き減収減益となった。
■2024年3月期の業績見通し
2024年3月期の業績は、売上高2000億円(前期比6.8%増)、営業利益170億円(同29.6%増)、経常利益165億円(同37.0%増)、最終利益90億円(同8.2%増)、EPS98.77円を見込む。
・売上高:2000億円(同6.8%増)
・営業利益:170億円(同29.6%増)
・経常利益:165億円(同37.0%増)
・最終利益:90億円(同8.2%増)
・EPS:98.77円
計画に対する進捗率は、売上高80.1%、営業利益101.6%、経常利益100.5%、最終利益100.4%となっている。
・売上高:80.1%
・営業利益:101.6%
・経常利益:100.5%
・最終利益:100.4%
会社情報
- 会社名
- 株式会社タカラトミー
- 設立
- 1953年1月
- 代表者
- 代表取締役会長CEO 富山 幹太郎/代表取締役社長COO 小島 一洋
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高2083億2600万円、営業利益188億1800万円、経常利益178億700万円、最終利益98億800万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7867