【決算まとめ①】ゲーム関連企業の2023年10~12月期は巣ごもり需要の沈静化で減収減益企業が目立つ結果に DeNAはゲーム事業が苦戦 CAは新作2本のヒットが貢献

柴田正之 編集部記者
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主要モバイルゲーム企業の2023年10~12月期の決算を振り返りたい。この四半期は新型コロナウイルス感染症が「5類感染症」に移行して2四半期目ということで、すっかりと日常が戻ったといえるような環境となった。

そうした状況下において、コロナ禍で盛り上がった巣ごもり需要は沈静化する形となっており、ゲーム関連企業にとってはやや逆風と言える事業環境となった。この四半期はそうした状況を映した厳しい業績内容となった企業も目立っている。

さて、今回も前回までの形と同じく、テーマごとに少し切り分け、この記事では10~12月期の決算シーズンの主要モバイルゲーム企業の決算の概略をまとめてみたい。これまでの記事とデータの連続性も踏まえ、エイチーム<3662>とgumi<3903>、アピリッツ<4174>、coly<4175>などの決算は8~10月期の数字を使用している。

なお、これまでと同様にサイバーエージェント<4751>(表中はCA)は、ゲーム事業の数字のみを取り上げている。また、表中では各企業の四半期推移(QonQ)での増収率・減収率で各企業を並べている。

■『モンスト』と『キンラン』寄与でケイブが大幅増収増益に

四半期推移(QonQ)での増収増益率が最も高かったのは、ケイブ<3760>だ。この四半期はでらゲーの運営する『モンスターストライク』と『キングダム 乱』の貢献が大きく、QonQで売上高36.2%増、営業利益635.8%増となった。ただ、これは『モンスト』が季節要因で前四半期に沈んでいた反動という側面も大きそうだ。

ちなみにMIXI<2121>は、『モンスト』で10月に開催した10周年イベントなどが奏功し、QonQで売上高18.6%増、営業利益325.5%増と好調だった。でらげー経由で『モンスト』の影響を受けるケイブは決算期の違いからでらげーの10~12月決算が次の12~2月決算の連結対象となるだけに、次の四半期も良好な業績となることが期待されるところだ。

一方、売上の落ち込みが目立ったのはアカツキ<3932>だ。新作『レスレリアーナのアトリエ ~忘れられた錬金術と極夜の解放者~』(配信はコーエーテクモゲームス)はこの四半期からフル寄与したものの、前四半期は『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』で世界同時キャンペーンが大きく盛り上がった反動もあり、売上高はQonQで33.7%の減収となっている。

■ゲーム事業苦戦のDeNA、新作2本が寄与のサイバーエージェント

この四半期決算では、集計対象企業37社中の17社が増収、20社が減収となり、減収となった企業が多かった。また、営業利益については、14社が増益(赤字幅の縮小を含む)、23社が減益と苦戦が目立った企業が多かった。

主力企業ではDeNA<2432>の苦戦が目立っている。特にゲーム事業は日本と中国の拠点で開発していた大型タイトルの減損を行うとともに、中国事業についても抜本的に見直して大幅な損失を計上した。今後は日本を中心に開発を行い、大規模開発のリスク低減も図るとしており、その立て直しがどう進んでいくのか注目される。

半面、サイバーエージェント<4751>のゲーム事業は、QonQで売上高6.5%増、営業利益42.4%増と好転した。これは新作『呪術廻戦ファントムパレード』と『ファイナルファンタジーVII エバークライシス』の貢献によるものが大きい。ただ、両タイトルとも他社IPの共同運営という形での提供であり、自社IPタイトルの『ウマ娘 プリティーダービー』のような爆発的な規模の業績寄与までは期待しづらいところだ。

なお、37社を売上高と営業利益の増減別に分けると、以下のようになる(並びはコード順)。

増収増益…MIXI<2121>、ボルテージ<3639>、アエリア<3758>、ケイブ<3760>、モバイルファクトリー<3912>、マイネット<3928>、アピリッツ<4174>、coly<4175>、バンク・オブ・イノベーション(BOI)<4393>、サイバーエージェント<4751>、カプコン<9697>
、コナミグループ<9766>
増収減益…gumi<3903>、カヤック<3904>、イマジニア<4644>、セガサミーHD<6460>、マーベラス<7844>
減収増益…コーエーテクモHD<3635>、スクエニHD<9684>
減収減益…ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>、グリー<3632>、KLab<3656>、ネクソン<3659>、エイチーム<3662>、モブキャストHD<3664>、enish<3667>、コロプラ<3668>、オルトプラス<3672>、ガンホー<3765>、ドリコム<3793>、Aiming<3911>、アカツキ<3932>、ワンダープラネット<4199>、ギークス<7060>、東京通信グループ<7359>、ブシロード<7803>、バンダイナムコHD<7832>

株式会社ケイブ
http://www.cave.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ケイブ
設立
1994年6月
代表者
代表取締役社長 秋田 英好/代表取締役CFO 伊藤 裕章
決算期
5月
直近業績
売上高122億7400万円、営業利益18億7000万円、経常利益19億4300万円、最終利益14億4100万円(2024年5月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3760
企業データを見る
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
https://dena.com/jp/

会社情報

会社名
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
設立
1999年3月
代表者
代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
決算期
3月
直近業績
売上収益1367億3300万円、営業損益282億7000万円の赤字、税引前損益281億3000万円の赤字、最終損益286億8200万円の赤字(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2432
企業データを見る
株式会社サイバーエージェント
http://www.cyberagent.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社サイバーエージェント
設立
1998年3月
代表者
代表取締役 藤田 晋
決算期
9月
直近業績
売上高7202億0700万円、営業利益245億5700万円、経常利益249億1500万円、最終利益53億3200万円(2023年9月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
4751
企業データを見る
株式会社アカツキ
http://aktsk.jp/

会社情報

会社名
株式会社アカツキ
設立
2010年6月
代表者
代表取締役CEO 香田 哲朗
決算期
3月
直近業績
売上高239億7200万円、営業利益26億7600万円、経常利益28億3400万円、最終利益12億8800万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3932
企業データを見る