【レポート】HYBE IMがゲーム事業に本格参入! 挑戦と進化を繰り返すアクションRPG『星になれ ヴェーダの騎士たち』をお披露目!


HYBE IM
は、227日、都内某所にて「HYBE IM ゲーム事業説明会」を開催した。

当日は、同社代表のチョン・ウヨンが来日し、エンターテインメント業界におけるゲームビジネスの重要性やHYBE での立ち位置、日本市場での事業戦略と展望などを説明。また、HYBE の本質である音楽とアーティスト、エンターテインメント要素とゲーム事業のシナジーについても話を展開した。

さらに、ゲームパブリッシング事業の参入第 1 作目として、2024 年春にリリース予定のPC および スマートフォン向け新作RPG『星になれ ヴェーダの騎士たち』の魅力や特徴を紹介。豪華声優陣による日本版のイメージムービーをお披露目したほか、今後のプロモーション施策についての説明も行った。

本稿では、その模様をレポートしていく。

HYBE IMがゲーム事業を本格化!

まずは、HYBE IM 代表の チョン・ウヨン氏が登壇。HYBE IMにおけるゲーム事業の概要と2024年の戦略・展望の説明を行った。


▲チョン氏は、2021年よりHYBE IMの代表取締役としてゲーム開発やパブリッシング事業を手掛けている。

そもそもHYBE IMは、BTS SEVENTEENNewJeans など世界的アーティストが所属するレーベルを擁するエンターテインメントライフスタイルプラットフォーム企業 HYBEのゲーム事業部門である。


HYBEの事業は「レーベル」「プラットフォーム」「ソリューション」に分かれており、HYBE IMはソリューション事業に位置付けられている。HYBEでは、3つの事業が連携することで大きな相乗効果が生まれることを目指しているという。

その中でチョン氏は、HYBE IMは“新しいチャレンジを実現する企業”であり、様々なジャンルのゲーム制作および世界中のゲームユーザーを対象としたグローバルパブリッシング事業を展開していると説明。また、HYBEのグローバルアーティストIPおよび音楽エンターテインメント制作ノウハウと革新的なデジタルインタラクティブ技術を融合し、前例のない新しい経験をかなえる音楽とレベルの高いエンターテインメントの楽しさを提供できるよう力を尽くしていると紹介した。

ただ、K-POPで有名なHYBEがゲーム事業に乗り出すことに疑問を感じる人もいるのではないかとチョン氏は話す。HYBEの創業者である パン・シヒョク氏は「総合的なエンターテインメントビジネスを営んでいるHYBEから見たときに、ゲームはエンターテインメントと関連した全ての要素が含まれている魅力的なコンテンツであり、HYBE IMを通じて総合エンターテインメント企業としての“永続性”と“競争力”を強化していく」と語ったという。さらに、夢を語るという意味では音楽とゲームに差はないとチョン氏は話した。


HYBE IMは、よりクオリティの高い作品を制作するため、ゲームだけでなく映画やアニメ、音楽など様々な業界を経験したメンバーが集結している。


▲また、HYBEに所属する世界的アーティストのIPを活用した独自のゲーム開発を行うことができる。

上記の強みをフルに活かしながら、HYBE IMNew Techと音楽を融合させたTech-tainmentという新たな分野を開拓している。そこからさらに歩みを進め、2024年にゲームパブリッシング事業に本格参入するのだとチョン氏は経緯を説明した。

次に、HYBE IM初のパブリッシングタイトル『星になれ ヴェーダの騎士たち』を動画で紹介した。


▲『星になれ ヴェーダの騎士たち』は、FLINTの開発力とHYBE IMのサービス力を融合させて高品質な作品を提供できるよう準備しているという。

また、HYBEの強みである音楽面でのアプローチや、所属アーティストとのコラボも積極的に試みていくとのこと。

そのほか、チョン氏は新作アクションRPG『ダンジョンストーカーズ』のパブリッシング契約を締結したことも発表した。



HYBE IMは、ゲームポートフォリオの強化およびパブリッシング事業を本格派しており、最高レベルの外部開発スタジオに戦略的に投資することで、ポートフォリオの拡大を図っている。自社開発だけでなく、パブリッシングまでバリューチェーンを確保して夢を語れる総合ゲーム会社として成長していきたいとして話の締めとした。

最後にチョン氏は、質疑応答に応えてくれた。

Q.HYBEは、グローバルで人気のアーティストが多数所属するレーベルを抱えていることが強みだが、音楽をはじめとしたエンターテインメント事業とゲーム事業のシナジーについて方針や具体的に決まっていることはありますか?

A.現在、サービス中の『BTS Island:インザソム』や『Rhythm Hive』のように直接アーティストと繋がっているゲームのみならず、ゲーム性によって多様性のある音楽やアーティストとのコラボを実施することを検討している。また、HYBEがグローバルエンターテインメント企業として成長してきた過程の中で得られたノウハウをゲーム事業の現場に適応させるために努力している。

Q.日本のゲーム市場に参入した意図・展望を教えてください。

A.グローバルで見ても高い位置にある日本のゲームマーケットに進出することは全世界にあるゲーム会社の目標であり、夢なのではないかと考えている。

Q. 『星になれ ヴェーダの騎士たち』はスマホおよびPCに対応しているゲームだが、コンソール機への参入も検討していますか?

A.コンソール機でのローンチも検討しているが、現在はモバイル・PCでのクロスプラットフォームでの展開に集中して準備している。モバイルとPCの区分なく楽しめるよう、場所やデバイスに捉われず最上の体験を提供できるよう努力していく。

 

■新作RPG『星になれ ヴェーダの騎士たち』を紹介



ここからは、HYBE JAPAN ゲーム事業室 室長の中西 啓太氏が登壇。『星になれ ヴェーダの騎士たち』の魅力や特徴を伝えた。


HYBE JAPAN ゲーム事業室 室長の中西 啓太氏。

まず中西氏は本作の座組を紹介。『星になれ ヴェーダの騎士たち』は、FLINTがゲーム開発を担当、HYBE IMがグローバルパブリッシャーとして全体の進行を統括し、HYBE JAPANが日本向けにマーケティングやローカライズなどのパブリッシングを行っていく。

本プロジェクトの始動は2022年。韓国で行われたゲームショウ「G-STAR」内でパブリッシング契約を締結することが発表された。以下は『星になれ ヴェーダの騎士たち』のゲーム概要になる。

▲女神に助けられヴェーダの騎士として蘇った主人公が、本に宿した力を頼りに冒険を繰り広げていく。開発はストーリーへの没入度を意識して進められているという。


▲声優陣も非常に豪華で、悠木碧さんや榎木淳弥さんが参加している。キャラクターや声優の情報については、公式X@Hoshininare_JP)にて随時発信しているとのこと。

また、現在はβテストを経て得た意見を参考に、戦闘がより爽快なものになるようにキャラクターの動作などを大幅に改善。ダッシュや回避を行ったときの反応速度を見直すなど、戦闘時の没入感が高められるようにしていると開発状況を明かした。

さらに、プレイがより快適になるよう周回コンテンツにオート機能を実装したり、ドロップアイテムの回収方法を再検討するなどしているという。

そのほか、より刺激的で多様な戦闘スタイルを実現するためにマップ全体のレベルデザインを再構築。モンスターのAIを改善し、緊張感の高い戦闘を与えられるようアップデートしている。

そんな本作は35日より事前登録を開始。公式サイトからメールアドレスを登録、公式X(旧Twitter)や各ストアで登録可能となる。



なお、中西氏は本作の特徴について以下のように説明した。

本作は、過去の自分を越えなければ勝ち進むことができない。自分の手の中で、自分の成長が体験できるようになっている。ソウルライクや懐かしいベルトスクロールアクションを彷彿とさせるバトル性で、繰り返し敵に立ち向かうことでクリアを目指せる。また、課金に頼った攻略ではなく、自分のプレイで戦況を大きく変化させられる。自分の手で勝利を掴むことによって、大きな達成感を引き出せるようになっている。



話の後半には、今後のプロモーション展開についても言及。

本作は、初のパブリッシングタイトルとして、様々なエンターテインメントとのコラボレーションを実現させ、新しい挑戦をしていく。そこで今回、スペシャルメインテーマとして「絶望の女神」を描き下ろしたことが発表された。作曲およびプロデュースは、アニメ「鬼滅の刃」や『ゴッドイーター』シリーズの楽曲を手掛けたことで知られる椎名豪さん、作詞は、歌手としても活躍しているバイリンガルのKanonさんが担当している。



本楽曲を歌うのは、アーティストの平手友梨奈さん。『星になれ ヴェーダの騎士たち』のグローバルモデルとして起用され、TVCMへの出演や、SNSでのプレゼントキャンペーンも実施することが発表された。


35日には「絶望の女神」の一部が先行公開されるとのこと。

最後に、中西氏の質疑応答に関してもお伝えしていく。

Q.2023年下半期リリース予定からスケジュールを変更した理由は?

A.βテストを行ったことでたくさんの意見が集まり、よりサービスの品質を上げるためにリリースを後ろ倒しにした。ユーザーからの意見を積極的に取り入れている。

Q.日本のユーザー向けに意識した点やローカライズされている点があれば教えてください。

A.グローバルローンチを予定しているので日本向けにシステムが変わっているということはない。ただ、翻訳は違和感が出ないよう意識して行っている。

Q.日本・韓国以外での展開を教えてください。

A.中国を除く世界中で同時サービス開始の準備をしている。続報をお待ちいただきたい。

そのほか、ビジネスモデルはシーズナルパスのほか、キャラや武器がガチャで手に入る仕様になっていることも明かされた。ただし、課金しなければクリアできないということはなく、プレイの幅を増やすための課金モデルになっているとの説明があった。

HYBE IMでは、売り上げに寄った考えより、まずは良いサービスをユーザーに提供することで同社のファンを獲得していくことを目標にしているとの話で締められた。

(取材・文 編集部:山岡広樹)


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