【イベント】招待制大会『Shadowverse Invitational 2024』が開催! ランクマッチから参加権を獲得した期待のルーキ―・りざ選手が名立たるプロを倒して見事優勝!

32日~3日の2日間にかけてスマホカードゲーム『Shadowverse』の招待制大会『Shadowverse Invitational 2024』が開催された。

本大会は、プロ選手、RAGE、学生大会、ランクマッチなど、さまざまな分野から優秀な戦績を納めた選手を招待して行われる大会だ。DAY1では予選、DAY2では決勝トーナメントが実施された。優勝者にはトロフィーと純金製の“深緑の弓使い・アリサ”のカードが贈られる。

【参加選手一覧】 

出場する選手は以下のメンバーだ。(以下、敬称略)

・RAGE SHADOWVERSE PRO TOUR 23-24
AXIZ / RobAXIZ / RumoiAXIZ / TerarinaAXIZ / GemoLVS / Era53LVS / rikkaLVS / TatsunoOJA / さに、Nth / Forest

・RAGE Shadowverse
LVS / Ryu、hiromu、Thx|津島の塩、iDealTBT、しょーや、SGAMerceThx|さけまん、Winter

・Shadowverse University League
同志社大学|No.084、同志社大学|かなで

・全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2023 KAGOSHIMA
おいたく、空白

・Shadowverse Grand Master Finals 2024
綺羅星|リュカ、工藤、りざ

DAY1予選を勝ち抜いた8

初日はスイスドロー6回戦による予選が行われ、成績上位者8名が選出された。参加者全員が猛者というハードな戦いを勝ち抜いたのは、LVS / rikka選手 、AXIZ / Rumoi選手 、iDeal | TBT選手 、LVS / Ryu選手 、りざ選手 、Nth / Forest選手 、AXIZ / Gemo選手 、SGA | Merce選手の8名。予選での出場選手の使用デッキはカステルエルフ、バフドラゴン、融合ネクロがシェアを多く占めており、少数勢力としてマガチヨエルフ、U(アンダー)10ヴァンプの持ち込みも見られた。

カードプールにアディショナルカードが追加されたタイミングでの環境ということもあり、既に現環境の強いデッキは固まっている様子。特に今回は練度の高いプレイヤーが集まった大会ともあり、持ち込みのデッキリストが類似したミラーマッチも多数発生していた。

試合内容は予選からどの試合もハイレベル。お互いに正解のプレイをする前提で、先にミスをすると一気に不利になるような緊張感のある試合内容だった。

準々決勝 第1試合 LVS / rikka 選手 vs SGA | Merce 選手


LVS / rikka 選手


SGA | Merce選手

決勝トーナメント第1試合は、LVS / rikka 選手とSGA | Merce選手の対決。エルフ、ドラゴン、ネクロマンサーという王道のLVS / rikka 選手に対して、SGA | Merce選手はエルフ、ビショップ、ネメシスというオフメタに近い持ち込みとなった。

1戦目はLVS / rikka 選手がバフドラゴンを軽快な動きで回して勝利するが、2戦目はSGA | Merceがアーティファクトネメシスで1勝を返す展開に。3試合目には先行7ターン目でSGA | Merce 選手がマガチヨエルフによる勝利を収めた。

先に勝利への大手をかけたのはSGA | Merce 選手。3つ目のデッキは回復ビショップ。ここでも良い初手に恵まれたSGA | Merce 選手は、5ターン目に潜伏を利用して大きくバフされた“戒律の諜報員”を用意。LVS / rikka 選手はこの育ったフォロワーを処理できず、予想外にも最終戦はわずか6ターンでの決着となり、SGA | Merce 選手が準決勝へ駒を進めた。

 

準々決勝 第2試合 AXIZ / Rumoi 選手 vs  AXIZ / Gemo選手


AXIZ / Rumoi 選手


AXIZ / Gemo選手

準決勝はプロチームAXIZRumoi 選手とGemo選手の同門対決に。お互いに情報を共有して臨んだのか、使用デッキはエルフ、ドラゴン、ネクロマンサーで、デッキタイプも同じ。ほぼミラーマッチだが、カステルエルフの“使命の妖精姫・アリア”など僅かに採用カードに違いがあり、細かい部分にオリジナリティが見られる。

1回戦目はRumoi 選手のカステルエルフに対して融合ネクロで1本を選手。お互いにデッキの出し順も揃えているのかと思いきや、ここは結果的にRumoi 選手のデッキ出し順番の読み勝ちという形に。

2戦目はバフドラゴンミラーとなったが、ここでもRumoi 選手が先手を取り、手札の噛み合いと先手のリードをうまく活かして試合を優位に運ぶ。このミラーマッチは是が非でも取っておきたかったGemo選手だが打開には至らず、ここでも勝利の女神はRumoi選手に微笑んだ。

3戦目はRumoiのカステルエルフとGemo選手のバフドラゴン。先行に加えてキーカードであるバフ効果持ちのカードや“竜の託宣”を複数引くことに成功したGemo選手。ドラゴンの生命線とも言えるカードを引けたこともあり、なんとかマッチスコアを1-2にまで戻す。

4戦目はカステルエルフのミラーマッチ。先行かつ初手に恵まれなかったGemo選手は序盤からライフを詰めるプレイで勝ち筋を見出すが、半分近くライフを削ったところで守護かつ巨大スタッツの“神秘の妖精竜”が立ち塞がる。序盤にリソースを使ってしまったGemo選手は盤面を返すこと叶わず、AXIZ対決を制したのはRumoi選手となった。



準々決勝 第3試合 iDeal | TBT 選手 vs Nth / Forest 選手


▲iDeal | TBT 選手


▲Nth / Forest 選手

3試合はiDeal | TBT 選手とNth / Forest 選手の対決。お互いに持ち込みはエルフ、ドラゴン、ネクロマンサーの同リーダーミラーマッチとなった。

1戦目は9ターン目まで続くロングゲームとなったが、ロングゲーム強いNth / Forest 選手のバフドラゴンが制する。しかし、続く2試合目のカステルエルフと融合ネクロの試合は、iDeal | TBT 選手のカステルエルフが勝利。お互いに譲らない試合展開が続く。

3試合目のNth / Forest 選手は、カステルエルフでコンボ勝ちは難しいと判断して序盤からアグロプランを選択。この選択が功を成し、ギリギリのリソースながら6ターン目にiDeal | TBT 選手のライフを削り切ることに成功した。しかし、その後の4試合目はiDeal | TBT選手がネクロマンサーのミラーマッチで勝利し、試合は最終戦にまでもつれ込む。

最終戦はバフドラゴンと融合ネクロの対決。iDeal | TBT。お互いに理想的なスタートをするものの、お互いに良い動きをした結果、デッキ自体の最大値が高いバフドラゴンが優勢に。Nth / Forest 選手も良い手札とプレイで食らいつくも、勢いに乗ったバフドラゴンを止めるに至らず、iDeal | TBT 選手がマッチに勝利した。



準々決勝 第4試合 りざ 選手 vs LVS / Ryu 選手


▲りざ 選手


LVS / Ryu 選手

4試合はりざ 選手 とLVS / Ryu 選手の対戦。今回もお互いのリーダーはエルフ、ドラゴン、ネクロマンサーの持ち込みだ。1試合目のバフドラゴンとカステルエルフの試合では、お互いに良い動きを見せるも、りざ選手のカステルエルフがバフドラゴンの本領発揮直前のタイミングでリーサルコンボ圏内に到達。7ターン目に20点オーバーの打点を叩き込んだ。

2試合目はアグロネクロと融合ネクロのネクロ対決に。コンセプトの違いから序盤に試合を決めたいLVS / Ryu 選手だったが、りざ選手がうまく猛攻を凌ぐ。巨大な守護である“深淵の大佐”が着地すると、りざ選手の守りは鉄壁のものとなり、そのままネクロマンサー対決に勝利した。

3試合目はカステルエルフとバフドラゴンの戦い。リザ選手のバフドラゴンが先行に加えて1ターン目からバフを重ねていく理想的な動きで、あまりにも理想的な動きに対してLVS / Ryu 選手は思わず苦笑い。繰り出されるスタッツの大きいフォロワーの処理に手一杯なLVS / Ryu 選手に対して、りざ選手はリソースを稼ぎながら強力なフォロワーを出し続ける。そのリードは最後まで覆ることなく、りざ選手が3連勝でマッチに勝利した。



準決勝 第1試合 SGA | Merce 選手vsりざ選手



勝ち進んだ4名による準決勝がスタート。準決勝1試合目はSGA | Merce 選手とりざ選手の試合が行われた。1戦目はマガチヨエルフとカステルエルフの対決。お互いに下準備が必要になるが、それを先に整えたのはりざ選手。先にリーサルを整えて1勝を収める。

続いては融合ネクロとアーティファクトネメシスの戦い。意表を突くようなデッキチョイスをしたSGA | Merce 選手に対して、王道デッキ選択のりざ選手。ランクマッチ枠からの影響もあってか、BO5の仮想敵以外に対しても冷静な対応を見せる。デッキポテンシャルの差を見せつける形で、りざ選手が2勝を勝ち取る。

3戦目はりざ選手のバフドラゴンに対してSGA | Merce 選手がマガチヨエルフをぶつけることで1勝を勝ち取るが、その後に再び出したアーティファクトネメシスはまたもや苦しい展開に。ようやくデッキが回り始めると思ったタイミングには、既にライフも場もりざ選手が圧倒的にリードしており、時すでに遅し。3勝を勝ち取り、まずはりざ選手が決勝への切符を手にした。



準決勝 第1試合 AXIZ / Rumoi 選手 iDeal | TBT 選手




準決勝第2試合は、AXIZ / Rumoi 選手 とiDeal | TBT 選手の対決。1試合目のバフドラゴンとカステルエルフの試合は、完璧とも言える動きで7ターン目にOTKを決めてiDeal | TBT 選手が先に1勝を勝ち取る。

2試合目は逆にAXIZ / Rumoi 選手がカステルエルフで勝利を勝ち取る。iDeal | TBT 選手のバフドラゴンの動きが芳しくないところを、しっかりと落ち着いて盤面を作って勝ち筋を作る落ち着いたプレイをみせた。

3試合目のバフドラゴン対決。先手後手が大きく影響するこのミラーマッチにおいて、先手を収めたのはAXIZ / Rumoi 選手。しかし、バフは行えたものの手札のリソースを補充に手間取ってしまい、徐々にリソースで有利な後手を取ったiDeal | TBT 選手が追い上げを見せる。最終的には盤面をiDeal | TBT 選手が制圧し、後手という不利を背負いながらも2勝を決めて決勝進出へ王手をかける。

追いつめられたiDeal | TBT 選手だったが、あと1敗で終了という展開でも動じることなく最後バフドラゴンで挑戦。iDeal | TBT 選手は残った融合ネクロを出したが、後半のドローに恵まれず、AXIZ / Rumoi 選手のドラゴンのパワーで押し切られてしまう。

準決勝の結果を決めるのは融合ネクロのミラーマッチとなった。先手を取ったのはiDeal | TBT 選手だったが、逆に先に盤面を展開したことにより、先手のAXIZ / Rumoi 選手にオウム返しの形で盤面の有利を取られてしまう。お互いにスーパーアクションで盤面を返し合う展開となったが、先手のリードを渡さないAXIZ / Rumoi 選手の試合運びの上手さが光る。最終的には6ターン目の盤面をiDeal | TBT 選手が返すことができず、AXIZ / Rumoi 選手が逆転決勝進出を決めた。



決勝 りざ選手vs AXIZ / Rumoi 選手




決勝戦はりざ選手とAXIZ / Rumoi 選手の試合。ここでの勝利者が本大会の優勝者となる。れまで本作の競技シーンを引っ張ってきたAXIZ / Rumoi 選手に対して、ランクマッチという狭き門から本大会にまで勝ち進んだりざ選手。下馬評通りにAXIZ / Rumoi 選手が勝つのか、それともりざ選手のジャイアントキリングになるのだろうか。



1試合目はカステルエルフのミラーマッチ。AXIZ / Rumoi 選手は初手に恵まれない中、本来であればリソースを確保したいところだったが、りざ選手の動きを見てリソースよりも盤面の対抗を選択。その選択が功を成し、結果的に中盤はイーブンの状態が続く。しかし、先に動いたのはAXIZ / Rumoi 選手。相手の盤面を返しつつ、いっきにリーサルダメージを叩き出して1勝を先に勝ち取る。

しかし、続いてはりざ選手のカステルエルフが火を吹く。先行7ターン目に18点を叩き出す最高の動きを披露して、マッチカウントを11にまで戻す。

3試合目はバフドラゴンのミラーマッチ。お互いに着々とバフを進めていくが、AXIZ / Rumoi 選手はフィニッシュの鍵である“熱血の竜教師・ジョー”を引くことができない。手札の質が劣っていたが、ドローカードを回して先にキーカードである育ちきった“熱血の竜教師・ジョー”を引いたのはりざ。1枚で相手の体力を12点削り一気に試合を畳んだ。これでりざが2勝にたどり着く。

4試合目はAXIZ / Rumoi 選手は継続してバフドラゴンを出し、りざ選手は融合ネクロを出す。中盤のライフへの圧でAXIZ / Rumoi 選手はりざ選手の体力を12まで落とし込み“熱血の竜教師・ジョー”のリーサル圏内へ持ち込むが、そこでリザ選手がラストワードでライフ回復を持つ“深淵の大佐”の体力をあえて下げることでギリギリリーサル圏内から逃れる神判断を披露。その後も徹底的に体力の低い“深淵の大佐”を出すことで、常にライフを回復しながら場を作っていく。

トレードを続けている間にりざの場には15/15の“全死の裁定者”が残ってしまい、AXIZ / Rumoi 選手はこれを処理できず。りず選手はそのままライフを削り切り、決勝戦を3-1のスコアで勝利した。

 


AXIZ / Rumoi 選手は先日にプロ引退を発表しており、この試合が事実上のプロでの最終試合となる。彼が決勝に進んだのを見て多くの人が彼の優勝を予想した。しかし、りざ選手はランクマッチポイント上位の参加枠という途方もない道を走り切り、アウェーの空気感にも負けることなく冷静なプレイで勝利を掴み取った。彼こそまさに『Shadowverse』の新たな王者に相応しいと言えるだろう。

りざ選手へのインタビュー 秘訣は“諦めないで努力し続けた結果”

最後に、決勝戦を終えたあとのりざ選手への囲みインタビューの模様をお届けする。



――優勝おめでとうございます。ここまで辿りつけると最初から予想されていましたか?

いえ、全く予想していませんでした。何なら決勝トーナメントも1回戦で負けるかもと思っていたくらいです。夢にも思っていませんでした。まだ実感が湧きません。

――印象に残っている試合はありましたか?

最後の試合は緊張しすぎてしまっていて、そういう意味では思い出に残る試合になりました。

――決勝戦はトッププロのAXIZ / Rumoi 選手でした。対戦が決まった際の心境はいかがでしたか?

Rumoi選手は勝ち上がってくるだろうなとトーナメント表を見たときから予想していて、やはり決勝まで登ってきていましたね。この大会がRumoiの引退試合ということで、今回の大会はRumoiさんのためにあるような大会なのではないかと感じていました(笑)。

――やはりそのシチュエーションでのプレッシャーはありましたか?

Rumoi選手のプロとしての最後の相手が自分になるのか、と意識する部分はありました。

――試合中は苦悶の表情を浮かべる場面が多かったように見えますが、あの時はどのようなことを考えていたのでしょうか?

全体を通して良くないプレイミスがありまして、それをずっと引きずってしまっていました。

――DAY2はエルフ、ドラゴン、ネクロのミラーマッチが多かったですが、心がけていたことはありましたか?

予選からミラーマッチが多かったですね。その3つの中ではドラゴンが最初に投げやすいというのは世間の評価でしたが、自分はエルフに自信があったので先にエルフを投げるようにしていました。ドラゴンがネクロマンサーに若干苦しいイメージだったので、エルフを出すことでマッチアップをできるだけ避けるようなデッキの出し順を意識していました。

――アディショナルカードも追加された環境ですが、その中でもこの3つのデッキ選択になった理由は?

アディショナルに出てきたデッキがU10ヴァンパイア、アーティファクトネメシス、アグロネクロで、U10ヴァンパイア、アグロネクロは自分でも使ったのですが、使用した3つのデッキと比較して競技シーンで勝てるイメージが湧かなかったので持ち込みませんでした。アーティファクトネメシスはそこまで評価してなかったのですが、Merce 選手が実際に使って勝ち進んでいたのが印象的でした。

――対戦するのを楽しみにしていた選手はいましたか。

やはり引退してしまうRumoi選手とは最後に対戦したいと思っていました。学生大会も出ていて、その枠では権利を獲得できなかったので、今回の学生大会枠で出場した同志社大学のNo.084選手、かなで選手は、この場で対戦してリベンジしたいと思っていました。

――今回の配信を見てりざ選手のデッキを使ってみようという方もいると思いますが、オススメのデッキはありますか?

これから触り始めるのであればバフドラゴンがオススメだと思います。

――ミスをしたとおっしゃっていましたが、それでも冷静なプレイが多く見られました。試合中のメンタルコントロールはどのように行っていまいしたか?

最後の試合でやった “熱血の竜教師・ジョー”のリーサルのケアは常に考えていました。逆に、融合による手札管理のミスで山札を燃やしてしまう場面もあったのですが、勝敗に直接関わるその部分はとにかくケアすることを意識していました。“深淵の大佐”の体力をあえて減らすプレイは練習でもあった場面なので、そこは練習の成果が活きた部分かなと思います。

――試合中に正しいプレイを選択するコツは?

自分でも合っていると思っているプレイでも間違っていることがあります。今回だと、緊張の影響もありますが、エルフで引き次第ではまずい展開になるプレイを選択してしまって、結果よくない方向になった場面もありました。プレイは経験から来るものが多いので、練習段階で何度もやっていた部分を手なりで動かせるようにして、他の部分に考えを回す意識は必要だと思います。

――りざ選手は大学生大会も出場して、最終的にはランクマッチのグランドマスターランキング枠という狭き門から優勝までたどり着きました。同じように大会で勝つことを目指している人に向けて、自身の経験からアドバイスをいただいても良いでしょうか。

自分はすごく強いチームに入っているわけでもなく、ランクマッチも1人でやる個人戦に近い形でした。僕のように少人数のコミュニティからでも、諦めずに練習を積み重ねればこういう場に立てる、ということを伝えたいですね。努力し続けることが大事だと思います。