APAC地域のモバイルゲーム市場は回復傾向に…Tencent傘下のゲームがけん引 『キノコ伝説』は日本、韓国のモバイルRPGの人気下降に歯止めをかける Sensor Tower調査

Sensor Towerは、本日(6月7日)「[レポート]APAC地域のモバイルゲーム市場に関するインサイト」を公開したことを発表した。

2024年第1四半期、中国本土、日本、韓国、東南アジアなど主なAPAC地域のモバイルゲーム市場はいずれもわずかに回復した。中でもTencent傘下のゲームの回復が著しく、中国(iOSのみ)のモバイルゲーム収益・ダウンロード数ランキングの上位を占めている。『ラストウォー:サバイバル』などのモバイルストラテジーゲームと『ロイヤルマッチ』などのモバイルパズルゲームは日本と韓国市場を活気づけ、『キノコ伝説:勇者と魔法のランプ』は日韓両市場におけるモバイルRPGの人気下降傾向に歯止めをかけた。

本レポートでは、2024年の中国、日本、韓国、東南アジアなどAPAC地域市場における人気モバイルゲームの収益とダウンロード数推移、カテゴリ別モバイルゲーム収益の変化、2024年第1四半期のトップモバイルゲームの実績を分析している。また、ケーススタディとして、『キノコ伝説:勇者と魔法のランプ』のAPAC地域市場進出を成功させた戦略を解析する。

※本レポートではApp StoreおよびGoogle Play収益のIAP推定値のみを集計しており、広告収入およびサードパーティのAndroidマーケットでの収益は含まれていない。

■Tencentのモバイルゲームが勢いよく成長し、中国(iOSのみ)におけるモバイルゲーム収益・ダウンロード数ランキングの上位に

Tencent傘下の『Honor of Kings』『和平精英』『TFT: Teamfight Tactics』『CrossFire: Legends』『League of Legends: Wild Rift』『元梦之星』などのゲームは成長が著しく、中国(iOSのみ)のモバイルゲーム収益・ダウンロード数ランキングの上位に位置している。『Honor of Kings』の収益は16%上昇して収益ランキングのトップとなり、『CrossFire: Legends』の収益は3倍以上増加し、収益ランキングで4位となった。

Tencent『元梦之星』のリリースとNetEaseの『Eggy Party』の春節期間中の顕著な伸びによって、2024年1月~4月の中国市場(iOSのみ)のモバイルアーケードゲームのダウンロード数と収益は前期比でそれぞれ12%と13%成長した。『元梦之星』はリリース初日に中国(iOSのみ)におけるダウンロード数ランキングのトップとなり、数週間にわたってその座を維持した結果、モバイルゲームダウンロード数ランキングでトップとなっている。『Eggy Party』の収益は優れた実績を示し、すでに5四半期連続で中国市場(iOSのみ)のモバイルアーケードゲーム収益のトップを占めている。

INFOLDのインタラクティブストーリーニューゲーム『恋と深空』は、リリース後すぐに中国(iOSのみ)におけるモバイルゲームダウンロードランキング数のトップに躍り出た。2024年4月末現在、同作の世界収益は1億ドルを突破、中国市場(iOSのみ)は収益シェア65%を占め、モバイルライフスタイルゲーム収益とダウンロード数はそれぞれ167%と85%増加した。

■ストラテジーとパズルゲームが日本のモバイルゲーム市場の小幅な回復をサポート

2024年第1四半期、日本市場のモバイルゲームダウンロード数と収益は、前期比でそれぞれ6%と2%増加した。『ホワイトアウト・サバイバル』『ラストウォー:サバイバル』などのモバイルストラテジーゲームと、『ぽちゃガチョ!』『ロイヤルマッチ』などのモバイルパズルゲームの成長によって収益は29億ドルにまで回復した。

Joy Net Gamesのモバイル放置RPG『キノコ伝説:勇者と魔法のランプ』は2024年2月に日本市場で展開が始まり、リリース後すぐに日本のApp StoreとGoogle Playダウンロード数ランキングのトップに躍り出た。日本市場でのリリースから2ヵ月余りで収益は8000万ドルに迫り、日本において最も収益成長率が高いモバイルゲームとなった。収益ランキングで7位、ダウンロード数ランキングで2位に入っている。

■『キノコ伝説:勇者と魔法のランプ』はオーソドックスなモバイルRPGを抑え、韓国におけるモバイルゲーム収益・ダウンロード数ランキングのトップに

韓国市場におけるモバイルRPG収益とダウンロード数が減少傾向にある中、モバイル放置RPG『キノコ伝説:勇者と魔法のランプ』は成長を見せ、2024年1月~4月のIAP収益は1億ドルに迫った。『リネージュM』『オーディン:ヴァルハラ・ライジング』などのオーソドックスなRPGを抑え、韓国におけるモバイルゲーム収益・ダウンロード数ランキングで二冠を達成した。

2024年1月~4月の韓国におけるモバイルストラテジーゲームの収益は前期比で40%上昇した。これにはFirstFunの4Xストラテジーゲーム『ラストウォー:サバイバル』の貢献が大きく、同作の韓国での収益は前期比で約13倍増え、収益・ダウンロード数ランキングのトップに躍り出た。

■『Free Fire』が東南アジアのモバイルゲームダウンロード数ランキングでトップ、インドネシア市場で著しい成長

インドネシア市場の急激な成長で、東南アジア市場における『Free Fire』のダウンロード数は前期比70%増と急増した。この結果、モバイルシューティングゲームのダウンロード数を20%増加させた。

2024年4月現在、Shanghai Moonton Technologyの『モバイル・レジェンド:Bang Bang』の世界収益は18億ドルに迫っている。このうち、東南アジア市場は47%の収益シェアと67%のダウンロード数シェアとなった。2024年1月~4月、『モバイル・レジェンド:Bang Bang』は東南アジア市場で4,500万ドルの収益を記録し、収益ランキングのトップになった。

■『キノコ伝説:勇者と魔法のランプ』の世界IAP収益は2.7億ドルに達し、韓国と日本市場の収益シェアが70%近くに

2023年11月から、『キノコ伝説:勇者と魔法のランプ』は台湾、香港、マカオ、韓国、日本、中国本土、東南アジア、ヨーロッパ市場で続々とリリースされている。気軽で楽しい放置プレイ、かわいくて多彩なキノコのキャラクターなどで、台湾、韓国、日本、ベトナムなど数多くの市場におけるiOSモバイルゲームダウンロード数ランキングのトップを占めた。

2024年4月現在、『キノコ伝説:勇者と魔法のランプ』の世界累計IAP収益は2.7億ドルに達し、韓国市場が39.4%、日本市場が30%の収益シェアを占める。韓国と日本市場でモバイルRPGが縮小傾向にある中、ローカルゲームを抑えて収益トップを獲得した。

韓国と日本市場では、『キノコ伝説:勇者と魔法のランプ』のユーザーは男性が多く、80%以上を占めている。コアゲーマーはこのゲームの主なユーザーグループであり、同時にかわいいグラフィックと放置プレイによってハイパーカジュアルとカジュアルゲーマーを引きつけている。

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