GENDA、高難易度の買収企業のPMIをいかに成功させたか…GiGOなど有力企業との連携・協業で売上拡大、費用削減を実現

GENDA<9166>は、この日(6月11日)、第1四半期(24年2~4月)決算で増収増益となった要因のひとつとして、PMI(ポスト・マージャー・インテグレーション、買収後の統合プロセス)が想定以上に利益貢献したことをあげた。買収後に行うPMIについては慎重に行ったものの、期待したような成果を出せなかったというケースが少なくない。同社では、どういった取り組みを行ったのか。

まず、キャラクターMD領域で事業展開するフクヤとアレスカンパニーについての取り組みを紹介した。フクヤは、クレーンゲームなどの「プライズ(景品)」の企画を行っており、アレスについてはプライズの卸売りを行っている。

売上については、GENDAグループへの商品販売、グループの同業との取引先の紹介やクロスセルによる増収効果が挙げられる。そしてグループに販売することを前提とした製造数量の増加と単価の削減、GENDAグループに入ったことによる信用拡大に伴う版権許諾の加速や間接機能の集約、キャラクターMD各社との仕入れの共通化などのコスト削減を実現した。

なお、売上拡大については、これ以外にも様々な施策を用意しているようだ。GiGOの知見を活かしてプライズや店舗の共同開発、カラオケBanBanや海外店舗網への販売などを行っているとのこと。これらは仕掛中であり、今後、売上拡大に寄与してくることになる。

 

こうした取組の結果、第1四半期のフクヤの業績は、売上高は前年同期比で110%増の13億9400万円、消却前営業利益は142%増の2億4200万円と大きく伸びた。同様に、アレスも6ヶ月(23年11月~24年4月)の業績は売上が35%増の15億3400万円、消却前営業利益が305%増の7900万円と大幅に伸びた。

 

同様にカラオケBanBanの展開するカラオケ領域でも、一部店舗での価格の最適化やGiGOグループとの販促連携、GiGoの取引網を活用したIPコラボの増加といった売上拡大策に加え、不採算店舗の閉鎖、グループとの消耗品の共同購買、販促物の製作のグループ内完結など費用削減も行った。

 

こうした施策が奏功し、カラオケBanBanの業績も大きく伸びた。第1四半期の業績は、売上高が同12%増の51億7200万円、消却前営業利益が同85%増の6億7700万円となった。

 

同社では、グループに入ったことによって、GiGOなどグループ企業との協業や連携を積極的に行い、売上やコスト面でのメリットを追求していったようだ。未実施の施策もあるため、さらに伸びる余地は大きい。ゲームセンターも含めて独立系の企業が多いため、スケールメリットがより活かしやすい状況にある、といえるのかもしれない。

会社情報

会社名
GENDA
設立
2018年5月
代表者
申 真衣
決算期
1月
直近業績
持株会社としてアミューズメント施設運営事業やアミューズメントマシンのレンタル事業、オンラインクレーンゲーム事業を展開するグループ各社の事業成長支援、経営管理を行っている。傘下にGENDA GiGO Entertainmentのほか、GENDA Games、エスピーエスエ、トーキョーキャラクターメーカーズや伍彩汇业(广州)贸易有限公司などがある。
上場区分
未上場
企業データを見る