カプコン、24年3月期の研究開発投資は14%増の430億円と2年連続過去最高…『スト6』や『DD2』発売、積極投資は競争力の源泉か

カプコン<9697>の2024年3月期における研究開発投資は、前の期比14.1%増の430億4200万円と2年連続で過去最高を更新した。研究開発活動は、デジタルコンテンツ事業およびアミューズメント機器事業で行っており、従業員の75.8%にあたる2675名が研究開発にあたっているという。この期は苦戦するゲーム会社が目立つなか、積極的な研究開発投資は同社の競争力の源泉のひとつとなっているようだ。

同社は、コンピュータを介した「遊文化」をクリエイトすることにより、社会の安定発展に寄与し、「遊びの社会性」を高めるハイテク企業を志向しており、時代の変化や価値観の変化を先取りし、市場のニーズに合った新商品を開発することが同社の根幹事業であると認識し、研究開発に重点をおいている、としている。

セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおり。

 

■デジタルコンテンツ事業

デジタルコンテンツ事業における研究開発投資は、同15.2%増の407億4800万円だった。同社グループのゲームソフト開発・市場投入実績は以下のとおり。

主力タイトルでは『ストリートファイター6』を開発し、発売した。前作から約7年ぶりに発売した新世代の対戦格闘ゲームで、幅広いユーザー層に向けた施策を行ったことに加え、最高峰のバトル体験を実現したことにより、高く評価された。

また、昨年度発売した『バイオハザード RE:4』の追加シナリオ『セパレート ウェイズ』を開発し、発売した。本編と同様に、自社開発エンジンRE ENGINEを活用した没入感の高いビジュアル表現により、高い評価や関心を集めた。加えて、2021年に発売した『バイオハザード ヴィレッジ』と、2023年に発売した『バイオハザード RE:4』をiPhone15Pro、iPad、Mac向けに配信した。高品質な移植を実現することで、対応プラットフォームの拡大を可能とした。

さらに、完全新規タイトルであるオンライン専用のチーム対戦型マッシヴアクションゲーム『エグゾプライマル』、自由度の高いオープンワールドアクションゲーム『ドラゴンズドグマ 2』を開発し、発売した。

このほか、モバイルコンテンツ市場向けタイトルでは、モンスターハンターシリーズが持つ魅力とNiantic社の位置情報技術を掛け合わせた『モンスターハンターNow』(iOS、Android用)を開発し、配信した。

 

■アミューズメント機器事業

アミューズメント機器事業における研究開発投資額は同2.4%減の22億9300万円だった。ユニバーサルエンターテインメントとの業務提携第五弾『戦国BASARA GIGA』、サミーネットワークスが運営するEC販売への参入第一弾『バイオハザード ヴィレッジ』、新規外部IPを採用した『ストライク・ザ・ブラッド』の合計3機種のパチスロ遊技機開発を行い、販売した。

 

なお、同社の研究開発投資の推移は以下の通り。

株式会社カプコン
http://www.capcom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社カプコン
設立
1983年6月
代表者
代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
決算期
3月
直近業績
売上高1524億1000万円、営業利益570億8100万円、経常利益594億2200万円、最終利益433億7400万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9697
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