カプコン、第1四半期決算は営業益90%増の245億円と大幅増益…『MHW』想定下回るも『バイオ』シリーズ、『MHR』『DMC5』など他リピート好調

カプコン<9697>は、7月30日、2026年3月期 第1四半期の連結決算を発表し、売上高455億0200万円(前年同期比53.7%増)、営業利益245億9700万円(同90.8%増)、経常利益228億8300万円(同69.7%増)、最終利益172億3800万円(同72.8%増)と大幅増収増益を達成した。

・売上高:455億0200万円(同53.7%増)
・営業利益:245億9700万円(同90.8%増)
・経常利益:228億8300万円(同69.7%増)
・最終利益:172億3800万円(同72.8%増)

 

中核事業であるデジタルコンテンツ事業において、新型ゲーム機向け移植タイトルの発売やリピートタイトルの販売強化により、グローバルに販売本数の増加を図った。これにより、第1四半期におけるデジタルコンテンツ事業は、243タイトルを228の国や地域に販売し、販売本数は1416万本と前年同期953万本を上回り、業績向上に寄与した。

また、主力コンテンツとeスポーツ・映像・キャラクタービジネスとの連携によるIPの持つブランド力の向上に努めた。加えて、アミューズメント施設事業における堅実な店舗運営や積極的な新業態店舗の推進、アミューズメント機器事業におけるスマートパチスロの継続投入や同社グループの人気IP活用等の施策により、収益の向上を図った。

このほか、同社グループは、4月から開催の日本国際博覧会において、大阪府・市などが出展する「大阪ヘルスケアパビリオン」への協賛、参加等により、地域・文化・技術の振興に努めてきた。

 

■デジタルコンテンツ事業

売上高は298億5700万円(同39.4%増)、営業利益は200億5700万円(同56.4%増)となった。

5月に『カプコンファイティングコレクション2』(Nintendo Switch、プレイステーション4、Xbox One、パソコン用)および『鬼武者2』(プレイステーション4、Nintendo Switch、Xbox One、パソコン用)を発売し、シリーズファンを中心とした根強い支持を集めた。加えて、6月にNintendo Switch2向けに『ストリートファイター6』および『祇(くにつがみ):Path of the Goddess』を発売した。

リピートタイトルにおいては、今年2月発売のシリーズ最新作『モンスターハンターワイルズ』の販売本数は想定を下回ったものの、同シリーズの過去作『モンスターハンターライズ』が引き続き販売本数を伸ばした。

また、6月に主力シリーズ「バイオハザード」の最新作を発表したことに併せ、『バイオハザード ヴィレッジ』および『バイオハザード RE:4』をはじめとした同シリーズタイトルの販売も続伸した。

加えて、IPの認知拡大によるブランド価値向上を図ったことにより、『デビル メイ クライ5』も好調に推移するなど、リピートタイトルの販売本数は1336万本と前年同期926万本を上回った。

さらに、『ストリートファイター6』について、引き続きeスポーツ展開との連携強化等によるブランド認知とユーザー数の拡大を推し進めたことなどにより、累計販売本数が全世界で500万本を突破した。

 

■アミューズメント施設事業

売上高は56億600万円(同15.3%増)、営業利益は9億4100万円(同82.3%増)となった。

インバウンド需要の増加に加え、ユーザーの消費行動に変化が見られる状況下、引き続き既存店の堅実な店舗運営や新業態での出店効果などにより、収益拡大に貢献した。また、各店舗におけるイベント実施等により、リアル店舗の魅力の最大化と他事業とのシナジー効果の創出を推進した。

第1四半期において、4月に総合キャラクターグッズ専門店とカプセルトイ専門店を併設した「キャラカプ/カプセルラボ ららぽーと安城店」(愛知県)、同社人気キャラクターグッズの物販店「カプコンストアセンダイ」(宮城県)をオープンした。また、6月にアミューズメント施設とカプセルトイ専門店を併設した「プラサカプコン/カプセルラボ ららテラス北綾瀬店」を出店したので、施設数は56店舗となっている。

 

■アミューズメント機器事業

売上高は78億1200万円(同251.9%増)、営業利益は49億1000万円(同353.3%増)となった。

スマートパチスロを中心に市場が堅調に推移している環境下、6月稼働の新機種『デビル メイ クライ5スタイリッシュトライブ』を10.9千台販売し、収益に貢献した。

また、昨年11月稼働の『モンスターハンターライズ』および今年3月稼働の『バイオハザード5』がプレイヤーからの高評価による長期稼働を受け、リピート販売が好調に推移した。

 

■その他事業

売上高は22億2600万円(同102.9%増)、営業利益は13億6900万円(同106.1%増)となった。

eスポーツビジネスにおいて、人気タイトル『ストリートファイター6』を用いた「CAPCOM Pro Tour2025」を5月から世界各地域で開催し、熱戦が繰り広げられた。また、グローバル規模でのユーザー層の裾野拡大に向けた施策を実施することに加え、昨シーズンに活況を呈した両国国技館での決勝大会について、シーズンにおいても同会場での開催を決定するなど、各大会のさらなる振興を図った。

映像ビジネスにおいては、Netflixの新作アニメ『Devil May Cry』が4月に全世界で配信した。加えて、キャラクタービジネスにおいて、「モンスターハンター」シリーズや「ストリートファイター」シリーズなどの人気タイトル等のキャラクターグッズ展開などに注力した。さらに、同社ゲーム開発のプロセス等を展示した「大カプコン展 -世界を魅了するゲームクリエイション」が今年3月から開催され好評を博すなど、コーポレートブランドの価値向上に向けた施策を講じた。

 

■2026年3月期の見通し

2026年3月期の業績は、売上高1900億円(前期比12.0%増)、営業利益730億円(同11.0%増)、経常利益700億円(同6.6%増)、最終利益510億円(同5.3%増)、EPS121.93円を見込む。株価収益率は35.3倍となる。従来予想からは変更はない。

・売上高:1900億円(同12.0%増)
・営業利益:730億円(同11.0%増)
・経常利益:700億円(同6.6%増)
・最終利益:510億円(同5.3%増)
・EPS:121.93円

【通期計画に対する進捗率】
・売上高:23.9%
・営業利益:33.7%
・経常利益:32.7%
・最終利益:33.8%

株式会社カプコン
http://www.capcom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社カプコン
設立
1983年6月
代表者
代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
決算期
3月
直近業績
売上高1696億400万円、営業利益657億7700万円、経常利益656億3500万円、最終利益484億5300万円(2025年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9697
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