モバイルファクトリー、24年12月期末配当を37円、前期8円から4.6倍に 「余剰な現預金は原則保有せず」と株主還元を強化

モバイルファクトリー<3912>は、2024年12月期の期末配当を未定から1株あたり37円にすることを明らかにした。前期実績8円から4.6倍に大幅に引き上げる。株主還元の方針変更を行ったことに伴う対応となる。

同社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題と認識すると共に、持続的な成長に必要な経営体質の強化及び設備投資等を行うことも経営上重要と捉えている。そのため、業績、財政状態及び株価水準等を総合的に勘案しながら、株主に対する利益還元と持続的な成長のための内部留保をバランスよく実施していくことを方針としているという。

昨今の東京証券取引所の「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請を機に議論を重ねた結果、事業運営に必要不可欠な必要資金を超える余剰な現預金は原則保有せず、より充実した株主還元と成長投資を行うべきと判断し、総還元性向30%から60%目標に引き上げる。

また累進配当(減配無し)を前提とし、配当性向40%以上または DOE(株主資本配当率)7%以上のいずれか高い水準での配当を実施すること、そして、配当金総額との差分については、業績、財政状態及び株価水準等を総合的に勘案し、機動的な自己株式取得を実施する、とした。

一般的にゲームやアニメ、映画などのエンタメ関連企業は、作品の当たり外れがどうしても避けられないため、失敗時に備えて現預金を多めに保有する傾向があると言われているが、同社は現預金を余剰に保有しなくても問題ないと判断したようだ。

同社は、『ステーションメモリーズ!(駅メモ!)』を中心に安定した収益をあげていることが背景にあるものとみられる。他のゲーム会社が同社の動きに追随できるかどうかは疑問の余地がある。

なお、株主優待制度の導入についても検討しており、詳細は2024年12月期第3四半期の決算発表時に公表を予定しているとのこと。

 

 

株式会社モバイルファクトリー
http://www.mobilefactory.jp/

会社情報

会社名
株式会社モバイルファクトリー
設立
2001年10月
代表者
代表取締役 宮嶌 裕二
決算期
12月
直近業績
売上高33億7000万円、営業利益9億4500万円、経常利益9億4000万円、最終利益ゼロ(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3912
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