コナミG、第1四半期決算は営業益46%増の251億円と過去最高益 「eFootball」各国リーグの盛況背景に好調、高稼働の桃鉄メダルゲームもリピート継続

 コナミグループ<9766>は、8月1日、2025年3月期 第1四半期の連結決算(IFRS)を発表し、売上高900億3900万円(前年同期比24.0%増)、事業利益251億4900万円(同46.6%増)、営業利益251億4500万円(同46.6%増)、最終利益191億6000万円(同43.3%増)と、第1四半期としては売上と利益が過去最高となった。

・売上高:900億3900万円(同24.0%増)
・事業利益:251億4900万円(同46.6%増)
・営業利益:251億4500万円(同46.6%増)
・最終利益:191億6000万円(同43.3%増)
※事業利益は、売上高から売上原価と販売管理費を差し引いたもの。国内会計基準の営業利益に近いものとなる。他社と比較しやすいようにという配慮だろう。

 

 

同社では、主にデジタルエンタテインメント事業の主力コンテンツが引き続き堅調に推移し、全体の収益をけん引した、と説明している。とりわけ「eFootball2024」が各国のプロサッカーリーグの盛り上がりを背景に好調に推移したという。アミューズメント向けでは、高稼働が続く「桃太郎電鉄 ~メダルゲームも定番!~」のリピート出荷が引き続き貢献した。

 

■デジタルエンタテインメント事業

売上高は642億200万円(前年同期比33.4%増)となり、事業利益は238億1500万円(同57.7%増)となった。

新しい取り組みとしては、家庭用ゲーム「パワフルプロ野球」シリーズ30周年記念作品となる「パワフルプロ野球2024-2025」を7月に発売することを発表した。さらに「プロ野球スピリッツ」シリーズ20周年記念作品となる「プロ野球スピリッツ2024-2025」を9月に発売することを決定し、予約受付を開始している。KONAMI野球ゲームアンバサダーを務める大谷翔平選手とともに、KONAMIの野球ゲームをおおいに盛り上げていく。

サイコロジカルホラーゲーム「SILENT HILL」シリーズでは、シリーズの中でも最高傑作と名高い「SILENT HILL2」を最新の技術で蘇らせたリメイク作品を10月に発売することを世界同時に発表した。このほか、自社開発のNFT提供ソリューション「リセラ」の機能を、web3サービス検討中の企業・団体に開放し、利用可能としていくことを発表した。

継続した取り組みとしては、家庭用、PC、モバイルで配信中の「eFootball2024」では、引き続き機能追加やゲーム内イベントを実施することで多くのユーザーに楽しんでいる。さらに、各国リーグ戦終盤の盛り上がりもあり、好調な推移となった。

モバイルゲーム「プロ野球スピリッツA(エース)」では、イチロー氏とのコラボレーション施策「イチローセレクション」を展開した。

モバイルゲーム「実況パワフルプロ野球」では、大谷翔平選手が登場する様々なイベントやキャンペーンを開催し、大きな注目を集めた。遊戯王カードゲームでは、25周年記念プロジェクトを引き続き展開している。グッズの販売やキャンペーンを実施し、多くのユーザーから好評だった。

 

■アミューズメント事業

売上高は49億1500万円(同44.4%増)となり、事業利益は7億7500万円(同300.9%増)となった。

メダルゲームでは、販売台数を伸ばしている「桃太郎電鉄 ~メダルゲームも定番!~」に続き、コナミの人気IPをモチーフにした、「パワフルプロ野球 開幕メダルシリーズ!」を7月に発売することを発表した。ピッチャーが投げたボールをタイミングよくバッティングする「パワプロ」ならではのプレーを、「バッティング抽選」として再現している。プッシャーゲームでありながら野球の醍醐味であるボールを打つ気持ち良さを体験できる。

アミューズメント施設向けビデオゲームでは、前期に発売した新作音楽ゲーム「ポラリスコード」の稼働が堅調に推移しており、市場への展開が拡大している。また、「DanceDanceRevolution」シリーズの最新作「DanceDanceRevolution WORLD(ダンスダンスレボリューション ワールド)」が稼働を開始した。本作ではゲームのインターフェースをスタイリッシュなデザインに刷新した。さらに、音楽ゲームの楽しさを追及するため、収録曲を大幅に増やしただけでなく、選曲しやすいフィルター機能を追加した。稼働直後から多くの方に楽しんでいる。

 

■ゲーミング&システム事業

売上高は96億9800万円(同3.0%減)となり、事業利益は12億7800万円(同35.2%減)となった。

スロットマシン販売では、49インチの4K超高解像度ディスプレイを搭載した「DIMENSION49」や、27インチモニターを3台組み合わせた「DIMENSION27」などの主力筐体や、大型ディスプレイを組み合わせた「DIMENSION43x3」が販売台数を伸ばしている。

パーティシペーション(レベニューシェア)向け筐体では、49インチのJカーブディスプレイを持つ「DIMENSION49J」、及び75インチの湾曲したモニターが特徴の「DIMENSION75C」を引き続き展開している。

ゲーミングコンテンツにおいては、北米市場で稼働を開始した「Unwooly Riches」シリーズが好調な滑り出しとなった。高度なアニメーションにより演出される、いたずら好きなヤギや天使のようなヒツジのキャラクターが、ユーザーから好評を得ている。

また、人気の「All Aboard(オールアボード)」シリーズから着想を得た「Charms Full Link」シリーズを新たに市場に投入した。アイルランドの伝承をモチーフにしており、四つ葉のクローバーや虹で演出したボーナスイベントが注目を集めている。

さらに、「Fortune Bags」、「Fortune Pots」シリーズの人気タイトルがオペレーターより高く評価されており、販売数を伸ばした。「Bull Rush(ブル ラッシュ)」シリーズにおいては、豪州最大のカジノ市場であるニューサウスウェールズ州でトップクラスのパフォーマンスを記録するなど、引き続き好調に推移している。これに加えて、新規タイトル「Noble Warrior(ノーブル ウォリアー)」をリリースした「K-pow! Pig(カパウ ピッグ)」シリーズの販売が堅調に推移した。

カジノマネジメントシステムにおいては、米国ニュージャージー州の「Ocean Casino Resort」、オハイオ州の「JACK Cleveland Casino」及び「JACK Thistledown Racino」等の大型カジノ施設に「SYNKROS」が導入した。稼働率99.9%というシステムの高い信頼性がオペレーターより評価され、導入施設数が着実に増加している。

なお、前第1四半期累計においてはアジア市場でのコロナ禍後の回復による売上拡大があったが、第1四半期累計においては需要が正常化した。

 

■スポーツ事業

売上高は118億3600万円(同1.2%増)となり、事業利益は2億4300万円(同66.4%減)となった。

スポーツクラブ運営では、施設内で手軽にプロテインなどの飲料を摂取できるサプリメントサーバーの設置施設を拡大した。また、「国際ヨガデー」に合わせ、「コナミスポーツオンラインフィットネス」において特別プログラムを実施した。さらに、前期好評だったスタジオプログラムの大規模イベント「UNITED FEEL」を当期においても開催することを決定した。会員の健康づくりをサポートするため、様々な取り組みを行った。

こども向け運動スクール「運動塾」においては、スポーツを通して子供の心と体の成長をサポートするため、スイミング、体操、ダンス、サッカー、テニス、ゴルフなど様々な種目を展開している。定期的なレッスンだけでなく、日頃の練習の成果を発揮する場として大会やイベントを開催した。

天井にミラーを設置したマシンピラティススタジオ「Pilates Mirror(ピラティスミラー)」は、東京都と神奈川県において11店舗を新規にオープンし、合計34店舗となった。引き続き入会待ちになる施設があるなど、多くのユーザーから好評の声を得ている。

また、新たな取り組みとして、30分集中のパーソナルジム「Personal30」の1号店を東京都の経堂にオープンした。「Personal30」では、「好きな身体になる30分」をコンセプトに、同社が約50年にわたり培ってきた運動指導の実績から実現した、短期間で効率の良いトレーニングを行う。独自の合わせ鏡を見ながらトレーニングすることで、日常生活では見ることがない後ろ姿まで、トレーナーと確認しながら理想の身体を目指す。

資産を持たない形でネットワークを拡大するビジネス形態である受託事業では、これまで培った運営・指導のノウハウや実績を活かして事業を推進している。新たに東京都町田市、神奈川県相模原市、石川県かほく市、大阪府大阪市のスポーツ施設の運営受託を開始している。

学校水泳授業の受託では、学校側のニーズがより高まっており、日本全国で多くの小中学校に水泳指導業務を提供し好評だった。

なお、昨今の諸物価の高騰やエネルギーコストの高止まりを受けて、第1四半期累計は減益となった。

 

■2025年3月期の業績見通し

2025年3月期の業績は、売上高3800億円(前期比5.5%増)、事業利益925億円(同4.9%増)、営業利益845億円(同5.3%増)、最終利益595億円(同0.6%増)、EPS438.93円を見込む。

・売上高:3800億円(同5.5%増)
・事業利益:925億円(同4.9%増)
・営業利益:845億円(同5.3%増)
・最終利益:595億円(同0.6%増)
・EPS:438.93円

計画に対する進捗率は、売上高23.7%、事業利益27.2%、営業利益29.8%、最終利益32.2%となっている。

・売上高:23.7%
・事業利益:27.2%
・営業利益:29.8%
・最終利益:32.2%

コナミグループ株式会社
http://www.konami.com/

会社情報

会社名
コナミグループ株式会社
設立
1973年3月
代表者
代表取締役会長 上月 景正/代表取締役社長 東尾 公彦
決算期
3月
直近業績
売上高3603億1400万円、営業利益802億6200万円、最終利益591億7100万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム(ロンドン証券取引所にも上場)
証券コード
9766
企業データを見る