ポールHD、米国ゴーストパンチゲームズよりゲーム開発に関わるアウトソーシング事業を取得…ゲーム開発サービスをワンストップで提供へ

ポールトゥウィンホールディングス<3657>は、この日(8月27日)、連結子会社であるPTW Americaが米国Ghostpunch Games(ゴーストパンチゲームズ)より、ゲーム開発に関わるアウトソーシングサービス事業を2024年9月1日付で取得することを明らかにした。1315万ドル(19億0600万円)を対価として支払う。この処理に伴うのれん等の計上額については現在精査中だが、軽微となる見通し。

同社グループは、顧客のサービスやプロダクトのライフサイクルの企画、開発、リリース、運用、改善の工程において、品質コンサルティング、ゲームデバッグ、ソフトウェア第三者検証、環境構築・移行サポート、モニタリング、カスタマーサポート、不正対策、BPR サポート等を提供するサービス・ライフサイクルソリューション事業を行っており、同事業は、国内ソリューション、海外ソリューション、メディア・コンテンツの3つの業務に区分している。

PTW America は、グループの海外ソリューション業務を担う在外子会社の一つで、同社は主として海外ソリューションの経営及び営業活動、サービスとしては音声収録、プレイヤーサポートを行っている。

Ghostpunchは、米国フロリダ州を拠点とする企業で、ゲーム開発企業に対して、エンジニアリング、テクニカルデザイン、アート、アニメーション、プロダクションなどのゲーム開発に関わるアウトソーシングサービスを提供している。同社は2015年に設立されて以降、順調に売上を伸ばし、多くの有名タイトルの開発にも加わり、顧客からも高い評価されているという。

今回は、海外ソリューション業務にGhostpunch のゲーム開発アウトソーシングサービスを加えることで、従来のゲーム開発に付随するサービスのほか、ゲーム開発そのもののアウトソーシングサービスの提供が可能となり、ワンストップで幅広く顧客企業の要望に対応可能な体制を築くことができる、としている。また、Ghostpunchの顧客に対して同社グループが行っているローカライズやQAデバッグ、ユーザーサポートサービスの提供も行い、相互送客による売上の向上も目指す。

 

■取得する事業の概要

 

■Ghostpunch Games

 

同社は本件に関して以下のような想定される質問と回答も開示した。

Q1:Ghostpunch の事業譲受及び期待する事業シナジーについて、もう少し詳細に教えてほしい。
当社グループでは顧客の「サービス・ライフサイクル」の各工程で発生するニーズに対して、ワンストップでソリューションを提供しており、その領域の拡大を M&A の対象企業を選定する際の指針としております。今回海外ソリューション業務にGhostpunch のゲーム開発アウトソーシングサービスを加えることで、当社グループの既存の顧客に対して、従来のゲーム開発に付随するサービスの他、ゲーム開発そのもののアウトソーシングサービスの提供が可能となり、より高い競争力を持って顧客のニーズに対応することで、売上・利益の更なる拡大を目指します。同時に Ghostpunch の既存の顧客に対しても当社グループが行っているローカライズや QA デバッグ、ユーザーサポートサービスの提供も行い、相互送客による事業シナジーの向上を図ります。このようにゲーム開発の「サービス・ライフサイクル」に対応したソリューションを有し、全方位から提供することで、当社グループの事業拡大サイクルを実現します。

Q2:譲受する事業の昨年の売上高 989 百万円からすると、譲受価格の 13.15 百万 US ドルは割高ではないのか。価格の妥当性を知りたい。
譲受価格に関しては、第三者機関による価格算定を実施しており、また今後の成長に関しては先方の事業計画をそのま
ま受け入れず、当社グループで一定程度保守的に見直した事業計画をベースとして企業価値を試算して交渉を進めました。Q1で回答した当社グループとのシナジーを除外しても十分に採算が取れるものと判断して、今回の譲受金額を決定しております。

Q3:株式取得ではなく、事業譲受を選択した理由は?
法的なリスクを遮断するとともに、のれんの償却額についての税務メリットを享受することを目的としております。事業譲受に伴う Ghostpunch 既存取引先との契約の承継問題などは発生しない見込みであります。

Q4:通期の業績影響はどうなるのか?多額ののれんが発生するように見受けられるが、のれんの償却額を上回る利益が見込めるのか?
本事業譲受による当社連結業績に与える影響は現在精査中であり、9月 10 日予定の 2025 年1月期 第2四半期決算の開示の際に改めてご説明いたします。また本件におけるのれんの金額に関しては Purchase Price Allocation(PPA、取得原価の配分)を実施する必要があるため、現時点で詳細な金額を算定することは困難であります。