ネクソン、営業利益を23年1350億円から27年に2500億円を目指す成長戦略…既存フランチャイズの拡張と新作ゲームによるIP成長戦略を策定

ネクソン<3659>は、渋谷で開催したキャピタル・マーケット・ブリーフィングで、代表取締役社長イ・ジョンホン及び代表取締役 最高財務責任者(CFO)の植村士朗より、中期成長戦略、経営目標及び新たな株主還元方針について発表した。

同社代表取締役社長であるイ・ジョンホンは、「ネクソンは高度なライブ運用を通じて30年間、着実な成長を遂げてきました。当社は、ライブ運用を基盤とし、IP成長戦略に沿った組織改編を行っています。これにより主要IPを著しく成長させると共に、新たな大ヒット作の開発を進めてまいります。」 と宣言した。

また、代表取締役兼最高財務責任者(CFO)の植村士朗氏は「本日のキャピタル・マーケット・ブリーフィングは、2027年度に通期売上収益7,500億円、営業利益2,500億円の経営目標を達成するための戦略を投資家の皆様にご理解いただくことを目的として開催致しました。また、前年度営業利益[1]の33%以上を還元する新たな株主還元方針を策定し、2024年度下半期の半期配当を倍増とすることも決定致しました。さらに、ROE目標を最低10%以上とし、将来的には15%を目指してまいります。」と述べた。

■IP成長戦略

ネクソンが新たに策定したIP成長戦略は、垂直及び水平方向の成長で構成される戦略。垂直方向の成長とは、『アラド戦記』や『メイプルストーリー』などの大ヒットフランチャイズを新しいコンテンツ、プラットフォーム、地域を通じて提供し、再活性化及び拡張することで成長させる戦略。この戦略の重要な要素として、市場間の文化的違いを認識し、各地域のプレイヤーの好みに合わせてコンテンツをカスタマイズするハイパー・ローカリゼーションが含まれる。また、水平方向の成長は、『マビノギ』など、ネクソンのその他のゲームフランチャイズ、また『ARC Raiders』など開発中の新作から新たな大ヒット作を創出することを重点としている。

■2023年～2027年度経営目標

・2023年度通期売上収益4230億円からCAGR[2]15%で成長させ、2027年度売上収益を7500億円とすることを目標とする。また、その期間内、毎年2桁%の成長を目指す。
・通期営業利益は2023年度の1350億円からCAGR[2]17%で成長させ、2027年度に2500億円を目標とする。
・3大フランチャイズである『アラド戦記』、『メイプルストーリー』、『FC』の合計売上収益をCAGR[2]15%で成長させ、2023年度の3010億円から2027年度に5300億円とすることを目標とする。
・その他既存IPの成長及び開発中の新作により、2027年に合計2200億円の売上収益を達成することを目標とする。

■新たな株主還元方針

・前年度通期営業利益[1]の33%以上を配当及び自己株式取得を通じて還元する新たな株主還元方針を策定した。2024年2月に発表した3年間で1000億円を上限とする自己株式取得の方針のうちの未実施残高700億円も引き続き実施していく。
・2024年度下半期の1株当たりの半期配当を7.5円から倍増し、15円とすることを取締役会において決定した。
・ROE目標を最低10%以上とし、中長期的に15%を目指していく。

■新作タイトルのデモンストレーション

また、ネクソンのIP成長戦略を反映する新作3タイトルについて各スタジオのプレゼンターがデモンストレーションを行った。

・『The First Berserker: Khazan』
主要IPの垂直方向の成長を反映する作品としてNEOPLEのCEOユン・ミョンジンが『The First Berserker: Khazan』を紹介した。『アラド戦記』フランチャイズを世界中のプレイヤーにお届けするマルチプラットフォームゲームである本作は、10月にクローズドベータテストを実施し、2025年初頭にリリース予定。

・『MapleStory Universe』
『MapleStory Universe』事業開発提携部長のソン・アンジェラ氏が主要IPを拡張させる取り組みとして、ブロックチェーン技術を活用し、プレイヤーにIPへの貢献度に応じて報酬を付与するゲーム及び機能を紹介した。

・『ARC Raiders』
Embark Studios ブランド・コミュニケーション ディレクターであるスヴェン・グルンドベリ氏が新規大ヒットIPを創出する取り組みの一つとして、新作PvPvE『ARC Raiders』の最新情報を発表した。本作は、2025年に発売予定。

[1] 減損損失などの一時的費用を除く営業利益
[2] CAGRは年平均成長率