公正取引委員会、「ホロライブ」運営のカバーに下請法違反で勧告…クリエイターに243回の無償やり直し、1年7ヶ月の支払い遅延も

公正取引委員会は、この日(10月25日)、VTuber事務所「ホロライブプロダクション(hololive production)」を運営するカバー<5253>に対して、下請法違反を認められる行為があったとし、再発防止の勧告と指導を行ったことを明らかにした。

公正取引委員会によると、2022年4月から2023年12月までの間、「VTuber動画」に用いるイラスト、動画用2Dモデルや動画用3Dモデルの作成を発注した下請事業者23名に対し、合計243回無償でやり直しをさせていたという。

例示したケースのなかには、発注書で示した仕様等からは作業が必要であることが分からないやり直しを無償で7回させ、さらに経理処理を失念し、支払期日から1年7ヶ月遅延して代金を支払ったケースもあったとのこと。しかもそのうち2回は検収後にVtuberの修正要望を受けてやり直しをさせたという。

 

カバーは、支払遅延による遅延利息をすでに支払っているものの、公正取引委員会は、無償で給付をやり直させたことの対価を速やかに支払うことや、下請法を遵守する体制の整備と役員・従業員への周知徹底を行うこと、該当期間の下請取引を再調査して問題があった場合には必要な措置を講ずることを求めた。