テレ東HD、アニメ・配信事業の9月中間決算は営業益52%減の12億円と大幅減益 出資件数や制作費増加など先行費用が圧迫

テレビ東京ホールディングス<9413>は、アニメ・配信事業の9月中間決算について、売上高が前年同期比2.9%増の209億7500万円、営業利益が同51.7%減の12億1700万円と、過去最高の売上高となったものの、大幅減益だったと発表した。将来の収益増に向けた新規作品への出資件数を増やしていることに加えて、人件費上昇などによる制作コスト増が収益圧迫する。これらは2025年3月通期の業績予想を下方修正する大きな要因となった。

 

①ライツ事業
ライツ事業の収入(売上高)は、2.7%増の157億7500万円となった。この主軸であるアニメ部門は、2023年12月に公開した「劇場版SPY×FAMILY CODE:White」の国内での配給収入や、海外での番組販売が好調だった。また、BORUTOの中国におけるSNSゲームやNARUTOの商品化ロイヤリティが順調に推移したことに加え、ブラッククローバーのゲーム化権などが売上を伸ばし、アニメ部門全体の収入は2.7%増の103億4100万円となった。

 

ドラマやドキュメンタリーなどの放送番組や放送以外の独自コンテンツを配信プラットフォームなどに販売する配信ビジネス部門は、広告付き無料動画配信(AVOD)の広告収入や「夫の家庭を壊すまで」「95」など新作ドラマの国内配信権販売、「きのう何食べた?」シリーズのビデオグラムなどが好調となった。

海外においても、アジア地域を中心にバラエティ番組や「孤独のグルメ」などドラマシリーズの販売収入が好調に推移したが、映画部門は好調だった前年の水準まで届かず、配信ビジネス部門全体の収入は2.4%増の50億1300万円となった。

イベント部門については、放送と連動した「関暁夫ライブ2024」「川島明の辞書で呑むLIVE」などの有観客イベントが好調となったことに加え、「田村淳のTaMaRiBa」「巨大企業シーズン8」などオンラインイベントも積極的に実施し、イベント収入は5.8%増の4億2000万円となった。

ライツ事業の全体の費用は、ドラマやアニメの新規制作が増加したことや、事業の拡大に伴い19.5%増の97億1800万円となり、利益は16.3%減の60億5600万円となった。

 

②その他アニメ・配信事業
音楽出版関連のテレビ東京ミュージックは、北米・南米・欧州地域において「NARUTO」「BORUTO」等アニメ関連のBGMや一般楽曲等の海外印税収入が好調に推移した。これによりテレビ東京ミュージックの売上高は5.6%増の21億9700万円となった。

CS放送アニメ専門チャンネル「AT-X」を手掛けるエー・ティー・エックスは、放送売上に関しては、加入促進キャンペーンを通して加入者数の大幅な落ち込みを食い止め、増収となった。ライツ売上に関しては、「東京リベンジャーズ」「陰の実力者になりたくて!」などを中心に引き続き堅調に推移したものの、前年には届かず減収だった。これによりエー・ティー・エックスの売上高は0.4%増の16億8300万円となった。

株式会社テレビ東京ホールディングス
https://www.txhd.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社テレビ東京ホールディングス
設立
2010年10月
代表者
代表取締役会長 小孫 茂/代表取締役社長 石川 一郎
決算期
3月
上場区分
東証プライム
証券コード
9413
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