世界の金融サービスアプリのDL数は2024年には77億まで増加…インドが世界的な成長をけん引 日本はコンシューマバンキングと暗号通貨で顕著な増大 Sensor Tower調査
Sensor Towerは、「[レポート]モバイル金融アプリの市場インサイト2024」を公開したことを発表した。
本レポートでは、主要な地域における2024年のモバイル金融サービスアプリ市場の包括的な分析を紹介する。ここにはアメリカ、日本、中国、韓国、東南アジア、インド、オーストラリア、ニュージーランドが含まれる。ダウンロードの動向を検証し、金融サービスカテゴリー内の高成長セグメントにスポットを当て、優れた業績を上げたアプリに注目している。さらに、世界的な普及を加速させているBinanceの戦略と成功事例に関するケーススタディを紹介している。
世界の金融サービスアプリのダウンロード数は2020年には46億だったが、2024年には77億まで増加すると予測されている。この成長はインドが牽引しており、2022年の15億から2024年には17億に増加すると予測されている。東南アジアでもアメリカでも堅調な伸びを示しており、中国や他の地域は引き続き安定した状況だ。この上昇傾向は、アクセス上の便利さや「オールウェイズオン」のテクノロジーに支えられた、モバイル金融ソリューションへの世界的な移行を反映するものだ。
※Sensor Towerのダウンロード数データでは、App StoreとGoogle Playにおけるアプリダウンロード数を推定している。このデータには、プリインストール数、再ダウンロード数、サードパーティのAndroidストアからのダウンロード数は含まれていない(中国本土ではGoogle Playが利用できない)。
■2024年の金融アプリカテゴリの動向:暗号通貨とデジタル決済の普及拡大
2024年第1四半期から第3四半期に、金融サービスアプリのダウンロード数は多様化の傾向を示した。Digital Wallets & P2P Payments(デジタルウォレットとP2P決済)のダウンロード数が7.9%増加して15億となる一方で、Cryptocurrency(暗号通貨)のダウンロード数は133%増加して4億に達した。Lending(融資)アプリのダウンロード数は7.7%減少した。デジタルウォレットアプリ上で費やされた総セッション数は35%増加して615億、暗号通貨のセッション数は30%増加して16億となっており、デジタル決済と暗号通貨への移行が拡大していることを浮き彫りにしている。
■アメリカでは暗号通貨アプリのダウンロード数が約2倍に上昇し、主要な金融アプリカテゴリーの減少傾向に反発している
アメリカでは、Digital Wallets & P2P Paymentsがダウンロード数でトップに立っているものの4.7%減少しており、1億1270万から1億740万に下がっています。こうした減少傾向の中でも、「Cash App」のようなアプリは人気を保っている。Consumer Banking(コンシューマーバンキング)アプリも、4.3%とわずかに減少しているものの、モバイルバンキングが広く普及したことによる市場の安定化を示している。
一方で、Cryptocurrencyアプリのダウンロード数は95.2%という驚異的な伸びを示しており、1910万から3730万に上昇している。この急増はデジタル通貨に対する関心とエンゲージメントの高まりを裏付けるものであり、「Tonkeeper - TON Wallet」は顕著な伸びを示している。さらに、Insurance(保険)アプリは8.1%、Investing & Financial Management(投資と資産管理)アプリは9.2%増加し、資産管理がモバイルアプリソリューションに移行していることを示唆している。
■日本の金融アプリ市場の移行傾向:コンシューマバンキングと暗号通貨で顕著な増大
日本では、Digital Wallets & P2P Paymentsのダウンロード数が29.7%減少し、6140万から4320万に下がっている。このカテゴリーでは「Rakuten Pay」がダウンロード数のトップを維持している。これに対し、Consumer Bankingアプリのダウンロード数は10.1%増加し、3750万から4130万に伸びている。これは「三井住友カードVpassアプリ」などのモバイルバンキングアプリのもたらす便利さが広く普及していることを示している。
日本でのInvesting & Financial Managementアプリのダウンロード数は、4.3%の緩やかな伸びを見せ、700万から730万に増加している。さらに、Cryptocurrencyアプリは30.8%と大きく増加し、デジタル通貨への関心の高まりと普及の広がりを反映している。中でも「BitWalk-ビットウォーク-」は顕著な伸びを示している。
■東南アジアにおける金融アプリの多様化傾向:暗号通貨が成長を牽引
東南アジアでは、主要な金融アプリのジャンルが多様化しており、各国間で大きく異なっている。タイとマレーシアではConsumer Bankingが主導しており、インドネシアではDigital Wallets & P2P Paymentsが優位を占めている。主だったところでは、特にインドネシアとフィリピンでCryptocurrencyアプリが最も大きく伸びている。
■多くの主要市場において、金融サービスブランドのデジタル広告費とインプレッション数は前年比で増加しており、2024年に最高値を更新
アメリカは、世界の金融サービスブランドによるデジタル広告への支出額でトップ市場のポジションを維持している。2024年1月から10月までに、支出額は64億7000万ドルに達し、前年同期比で33%増加している。国内のデジタル広告費の総額は年末までに77億ドルに達すると予想されている。
投資額の増加により、アメリカ市場における金融サービスブランドのデジタル広告表示は一貫して増え続けている。2024年の1月から10月までに、広告インプレッション数は6960億を超え、前年同期比で35%増加している。通年予測では、アメリカにおけるデジタル広告インプレッション数は、2024年末までに8350億を超えると見られている。
■Binanceはインドでのリニューアルを契機に、ダウンロード数とアクティブユーザー数で世界的に大きく成長
Binanceはインドでの強力なリニューアルを契機に、2024年の世界の暗号通貨アプリのダウンロード数を牽引し、アメリカと日本で暗号通貨アプリのダウンロード数トップ10にランク入り。
Binanceは主要市場におけるCryptocurrencyアプリ広告を重視し、複数のプラットフォームでシェアオブボイス(SoV)ランキングのトップに立った。2024年9月、Binanceは暗号通貨アプリ広告のSoVを主導し、インドのAdMobとFacebookでトップを獲得した。日本でも2024年8月にTikTokとFacebookでトップとなっており、競合他社を大きく引き離している。Binanceは日本において2024年を通して大々的な広告を実施し、広告インプレッション数全体の43%をInstagram、26%をFacebookで上げている。
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https://sensortower.com/ja/state-of-finance-apps-2024-report-japan