KADOKAWA、ソニーグループと資本業務提携 調達資金497億円は「新規IPの創出・開発・取得」と「IPのグローバル流通の強化」に充当

  • KADOKAWA<9468>は、12月19日、ソニーグループ<6758>との戦略的な資本業務提携契約を締結することを発表した。今回はその資本提携による調達資金497億円の使途を見てみたい。

    調達資金の使途については、新規IPの創出・開発・取得に200億円、IPのグローバル流通の強化に 297億円を充当するとしている。

    新規IPの創出・開発・取得については、世界市場を意識した大型のアニメシリーズ・映画、実写映画・ドラマシリーズおよびゲームの企画・開発や、UGC(User Generated Content)プラットフォームの拡大による新たなクリエイターの発掘に加えて、出版社やアニメ制作会社、ゲーム会社などの国内外のコンテンツホルダー自体の買収も想定しているという。いずれも、複数の案件を並行させながら一案件あたり1億円未満から50億円を超える規模まで充当する可能性があり、ソニーグループと共同で取り組むことも見据えているとのこと。

    書籍、映画、アニメ、ゲーム、およびUGCプラットフォームなどの多彩なポートフォリオから成る豊富かつユニークなIPを生み出してきた同社の実績に基づくIP創出力を、資金面・財務面でも強固に裏付け、潜在的な投資機会を逸しないために資金を調達することが必要と考えているという。結果、新規IPの創出・開発・取得に要する金額として、2030年3月までを支出期間として200億円が必要と判断した。今後より具体的な資金使途が確定した場合は適切に開示する方針としている。

    IPのグローバル流通の強化については、新たに創出した新規IPを含む同社の豊富なIP群と、それらを原作にして展開する様々なメディアミックス商品を、言語人口の多い英語圏・中国語圏を中心とするグローバル市場により多く流通させるために、海外における製造・流通・販売拠点の整備や企業買収を想定している。これに加えて、ゲーム作品のパブリッシングの範囲拡大に向けた体制構築にも取り組んでいく。いずれも、複数の案件を並行させながら一案件あたり1億円未満から50億円を超える規模まで充当する可能性があり、ソニーグループの有するプラットフォームの活用も見据えているという。

    書籍の映画化を起点として1970年代からマルチメディア展開を手掛けてきた同社の実績に基づくIP展開力を、資金面・財務面でも強固に裏付け、潜在的な投資機会を逸しないために資金を調達することが必要と考えているとし、IPのグローバル流通の強化に要する金額として、2030年3月までを支出期間として29 億円が必要と判断した。今後より具体的な資金使途が確定した場合は適切に開示するとしている。

株式会社KADOKAWA
http://www.kadokawa.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社KADOKAWA
設立
1954年4月
代表者
代表執行役社長CEO 夏野 剛/代表執行役CHRO兼CLMO 山下 直久
決算期
3月
直近業績
売上高2581億900万円、営業利益184億5400万円、経常利益202億3600万円、最終利益113億8400万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9468
企業データを見る
ソニーグループ株式会社
https://www.sony.com/ja/

会社情報

会社名
ソニーグループ株式会社
設立
1946年5月
代表者
代表執行役会長CEO 吉田 憲一郎/代表執行役社長COO兼CFO 十時 裕樹
決算期
3月
直近業績
売上高及び金融ビジネス収入13兆207億6800万円、営業利益1兆2088億3100万円、税引前利益1兆2686億6200万円、最終利益9705億7300万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
6758
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