NVIDIA(エヌビディア)は、1月6日、デスクトップおよびノート PC向けの最先端のコンシューマーGPU「GeForce RTX50」シリーズを発表した。NVIDIA Blackwell アーキテクチャ、第5世代 Tensor コア、第4世代 RT コアを搭載した GeForce RTX50シリーズは、ニューラル シェーダー、デジタル ヒューマン テクノロジ、ジオメトリ、ライティングなど、AI 駆動のレンダリングで画期的な進歩をもたらす、としている。
NVIDIA の創業者/CEO であるジェンスン フアン(Jensen Huang)は、次のように述べている。「AI のエンジンである Blackwell が、PC ゲーマー、開発者、クリエイター向けに登場します。AI 駆動のニューラル レンダリングとレイ トレーシングを融合した Blackwell は、25 年前にプログラマブル シェーディングを導入して以来、最も重要なコンピューター グラフィックスのイノベーションです」
これまでで最速の GeForce RTX GPU となる GeForce RTX5090GPU は、920億のトランジスタを搭載し、1秒あたり3,352兆回の AI 演算(TOPS)を超えるコンピューティング パワーを提供する。Blackwell アーキテクチャの革新と DLSS4により、GeForce RTX5090GPU は GeForce RTX4090GPU より最大2倍優れたパフォーマンスを発揮する。
GeForce Blackwell は、ノート PC にも登場する。デスクトップ モデルのすべての機能を備え、並外れたグラフィックス機能や優れた効率性など、ポータブル コンピューティングを大幅にアップグレードする。Blackwell 世代の NVIDIA Max-Q テクノロジは、バッテリー寿命を最大40% 延長し、薄型軽量のノート PC で、パワーやパフォーマンスを犠牲にすることなく、洗練したデザインの維持を可能にする。
・NVIDIA DLSS4でパフォーマンスが最大8倍向上
DLSS4では、AI を使用してレンダリングしたフレームごとに最大3つのフレームを生成することでフレーム レートを向上させるマルチ フレーム生成が導入する。これは、DLSS テクノロジ スイートと連携して動作し、NVIDIA Reflex テクノロジで応答性を維持しながら、従来のレンダリングに比べてパフォーマンスを最大8倍向上する。
DLSS4では、グラフィックス業界初の Transformer モデル アーキテクチャのリアルタイム アプリケーションも導入する。Transformer ベースの DLSS レイ再構成モデルと超解像度モデルは、2倍のパラメーターと4倍のコンピューティングを使用して、ゲーム シーンでの安定性の向上、ゴーストの低減、詳細度の向上、アンチエイリアシングの強化を実現する。DLSS4は GeForce RTX50シリーズ GPU でサポートされ、発売日から75を超えるゲームとアプリケーションでサポートされる。
NVIDIA Reflex2では、フレーム ワープを導入する。これは、ディスプレイに送信される直前の最新のマウス入力に基づいてレンダリングしたフレームを更新することで、ゲームの遅延を削減する革新的な手法。Reflex2は、遅延を最大75% 削減する。これにより、ゲーマーはマルチプレイヤー ゲームで競争力を高め、シングルプレイヤー タイトルの応答性が向上する。
・Blackwell がシェーダーに AI を導入
25年前、NVIDIA は GeForce3とプログラマブル シェーダーを導入し、ピクセル シェーディングからコンピュート シェーディング、リアルタイム レイ トレーシングまで、20年にわたるグラフィックスの革新の基盤を築いた。今回 NVIDIA は、GeForce RTX50シリーズ GPU とともに、RTX Neural Shaderを導入する。これにより、小規模な AI ネットワークがプログラマブル シェーダーに導入され、リアルタイム ゲームで映画品質のマテリアル、ライティングなどを実現する。
ゲーム キャラクターのレンダリングは、リアルタイム グラフィックスで最も困難なタスクの1つ。デジタル ヒューマンでは、わずかなエラーやアーティファクトに人々が気付きやすいため。RTX Neural Face は、ラスタライズしたシンプルなフェイシャルと3D ポーズのデータを入力として受け取り、生成 AI を使用して、時間的に安定した高品質のデジタル フェイスをリアルタイムでレンダリングする。
RTX Neural Face は、レイ トレースした髪と肌 のための新しい RTX テクノロジによって補完される。シーン内でレイ トレースしたトライアングルを最大100倍にする新しい RTX Mega Geometry とともに、これらの進歩は、ゲーム キャラクターと環境のリアリティを大幅に向上させる。
ニューラル レンダリング、DLSS4、および新しい DLSS Transformer モデルのパワーは、NVIDIA の画期的な新技術デモである Zorah で、GeForce RTX50シリーズ GPU 上で披露される。
・自律型ゲーム キャラクター
GeForce RTX50シリーズ GPU は、ゲーム レンダリングと並行して自律型ゲーム キャラクターを強化する業界最先端の AI TOPS をもたらす。
NVIDIA は、ゲーム キャラクターが人間のプレイヤーのように認識、計画、行動できるようにする一連の新しい NVIDIA ACE テクノロジを導入している。ACE を搭載した自律型キャラクターは、KRAFTON の『PUBG: BATTLEGROUNDS』や、同社が近日発売予定のライフ シミュレーション ゲーム『InZOI』、および Wemade Next の『MIR5』に組み込まれている。
『PUBG』では、NVIDIA ACE を搭載した仲間が戦略的な行動を計画して実行し、人間のプレイヤーと動的に連携して生き残りを確保する。『InZOI』には、人生の目標やゲーム内イベントに基づいて行動を自律的に調整する Smart Zoi キャラクターが搭載されている。『MIR5』では、大規模言語モデル(LLM)駆動型のレイド ボスがプレイヤーの行動に基づいて戦術を適応させ、よりダイナミックで挑戦的な遭遇を生み出す。
・RTX AI PC 向けの AI 基盤モデル
ユース ケースは、LLM、ビジョン言語モデル、画像生成、音声、Retrieval-Augmented Generation の埋め込みモデル、PDF 抽出、コンピューター ビジョンに及ぶ。NIM マイクロサービスには、PC 上で AI を実行するために必要なすべてのコンポーネントが含まれており、すべての NVIDIA GPU での展開に最適化されている。
NVIDIA は、RTX 愛好家や開発者が NIM マイクロサービスを使用して AI エージェントやアシスタントを構築する方法として、Black Forest Labs、Meta、Mistral、Stability.AI などの主要なモデル開発者による RTX AI PC 向けの NVIDIA NIM マイクロサービスと AI Blueprintのパイプラインをリリースする。また、愛好家や開発者が NIM を使用して AI エージェントやアシスタントを構築する方法を紹介するため、NVIDIA は本日、Project R2X をプレビューした。これは、視覚対応の PC アバターで、ユーザーに情報を瞬時に提供し、デスクトップ アプリやビデオ会議通話を支援し、ドキュメントの読み取りや要約などを行うことができる。
・クリエイター向け AI 搭載ツール
GeForce RTX50シリーズ GPU は、クリエイティブなワークフローを強化する。RTX50シリーズ GPU は、FP4精度をサポートする最初のコンシューマー向け GPU であり、FLUX などのモデルの AI 画像生成パフォーマンスを2倍に高め、前世代のハードウェアと比較して、生成 AI モデルをより小さなメモリ フットプリントでローカルに実行する。
NVIDIA Broadcast アプリには、ライブストリーマー向けの AI 搭載ベータ機能が2つ追加した。マイクの音声をアップグレードする Studio Voice と、洗練したストリームのために顔の照明を再調整する Virtual Key light 。Streamlabs は、ライブストリームを強化する共同ホスト、プロデューサー、テクニカル アシスタントとして機能する、NVIDIA ACE と Inworld AI を搭載した Intelligent Streaming Assistant を導入する。
・提供開始時期
デスクトップ ユーザー向けには、3,352AI TOPS の GeForce RTX5090GPU と1,801AI TOPS の GeForce RTX5080GPU が1月30日よりそれぞれ1,999ドルと999ドルで発売される。1,406AI TOPS の GeForce RTX5070Ti GPU と988AI TOPS の GeForce RTX5070GPU は、2月からそれぞれ749ドルと549ドルで発売される。
標準クロックおよび工場オーバークロック モデルは、ASUS、Colorful、Gainward、GALAX、GIGABYTE、INNO3D、KFA2、MSI、Palit、PNY、ZOTAC などの大手アドイン カード プロバイダーから、また Falcon Northwest、Infiniarc、MAINGEAR、Mifcom、ORIGIN PC、PC Specialist、Scan Computers などのシステム ビルダーのデスクトップに搭載され、販売される。
GeForce RTX5090、RTX5080、RTX5070Ti Laptop GPU を搭載したノート PC は3月から、RTX5070Laptop GPU は4月から、Acer、ASUS、Dell、GIGABYTE、HP、Lenovo、MECHREVO、MSI、Razer など世界の主要メーカーから発売される予定。
会社情報
- 会社名
- NVIDIA